パパとムスメの7日間(著:五十嵐貴久)を読んだ!
家族が「ケタケタ」と笑いながらドラマのコードブルーを観ていたので、私も横から覗いてみたら・・・「新垣さん」が相変わらず可愛いこと!
そんな可愛い「新垣結衣」を見ていたら、ふと、この本を読みたくなりました。
ドラマ版『パパとムスメの7日間』が本当に面白く、私的にはお気に入りのドラマだったので、その美しいその思い出を壊さないように原作を読んでいませんでした。
なので、これが初読になります。
読み終えた感想をまとめてみます。
- 2分で読める『パパとムスメの7日間』のあらすじ
- 10分はかかる『パパとムスメの7日間』のあらすじ
- 『パパとムスメの7日間』のおススメ度はいくつ?
- 『パパとムスメの7日間』の私の感想
- ドラマ版『パパとムスメの7日間』
2分で読める『パパとムスメの7日間』のあらすじ
妻1人、娘1人、老舗の化粧品会社に勤める47歳のパパ・川原恭一郎と、高校2年の娘・小梅が主人公の小説である。
小さい時はパパっ子だった小梅も思春期を迎え、理屈ではなく、父親を毛嫌いするようになり口も聞かない親子関係となっていた。
ある日、千葉の祖母の家から戻る2人は列車事故に遭います。
意識不明となって病院に担ぎ込まれた2人ですが、1つの問題を除けば、事故の際に恭一郎が身を挺したので大切な小梅には傷一つ付きませんでした。
ただ1つの問題、それは2人の人格が入れ替わったことでした・・・。
退院後、2人はそれぞれの生活に戻ります。
パパである恭一郎は、ムスメ・小梅の身体で女子高生の生活へ。
ムスメである小梅は、パパ・恭一郎の身体でサラリーマンの生活へ。
互いの生活をまさしく身を持って体験する中で、それぞれが互いに抱いていた感情に変化が生まれます。
パパとムスメが入れ替わって7日後、2人は再び事故に遭遇します。
その結果、目覚めた2人は元の身体に戻ってしまい、雪解けが見えた2人の関係も元の冷戦状態に戻ります。
しかし、入れ替わっていた時に感じた互いへの想いは、ホンの少しだけ2人の距離を縮めていたのでした。
10分はかかる『パパとムスメの7日間』のあらすじ
老舗の化粧品会社に勤める47歳・管理職のパパ・川原恭一郎と、思春期真っ只中の高校2年生のムスメ・小梅が主人公の小説である。
小さい時はパパっ子だった小梅でしたが、世の多くの娘達と同じく、思春期を迎えると父親を毛嫌いするようになります。
洗濯物を一緒にするな
パパの後は風呂には入らない
ついには頼みごとでさえも母親を通してお願いするなど、口も聞かない関係となっていくのでした。
そんな2人の関係に大きな変化が訪れます。
千葉の祖母の家から都内に向かう列車に乗った恭一郎と小梅でしたが、突如として発生した大地震による列車の脱線事故に巻き込まれてしまいます。
事故の際に身を挺したムスメを守った恭一郎の活躍もあり、意識不明で病院へ担ぎ込まれた2人でしたが大きな怪我をせずに無事でした。
ただ1つ、2人の人格が入れ替わったことを除けば・・・。
数日後に晴れて退院した2人は、それぞれの生活に戻ることになります。
ただし!
パパである恭一郎は、ムスメ・小梅の身体で女子高生の生活へ。
そして、
ムスメである小梅は、パパ・恭一郎の身体でサラリーマンの生活へ。
小梅は入学以来憧れであった先輩との初デートを週末に控えていました。何故か「先輩とは結婚する縁である」と思い込んでいる小梅は、その素適な未来予想図をパパに壊されないようにするために「絶対に嫌われるようなことをするな、先輩に好かれるようにカワイイ女の子を演じろ!」とパパに注文をつけるのでした。
恭一郎は大事なプレゼンテーションを目前に控えていました。
当初は社長の肝煎りで始まった新プロジェクトでしたが、その意義が失われるとそのプロジェクトのリーダーはババヌキのババ状態と化してしまいます。その結果、会社から押し付けられた新プロジェクトのリーダーでしたが、週明けの経営陣への新商品開発の報告会を何としても無事にクリアしなくてはなりませんでした。あとしばらくは平穏無事にサラリーマン生活をおくれる様にするために・・・。
そのため、ムスメ・小梅に対し「何もするな!部下や上司の言うことを良く聞き、大きな流れに逆らわず従え」と注文するのでした。
ムスメのデートなどぶち壊す気満々のパパでしたが、ボーイフレンドが選んだ映画はヴィスコンティの「ルードヴィヒ」でした。それは、パパとママの思い出の映画でもあり・・・身体は小梅である事を忘れ、映画オタクばりに話をしてしまうのでした。
さらに、好きな小説は司馬遼太郎という事で、相手をドンビキさせようとしたのに、ボーイフレンドが「燃えよ剣」が好きといわれると、ついつい話が弾み、目論見とはことなり距離を近づけてしまう結果となるのでした。
女子高生に日本的サラリーマンの生き様など理解出来るはずがありません。
パパから厳命されていたので、言いたいことを言わずに必死に耐え忍んでいた小梅ですが、新商品は小梅たちティーンをターゲットにしているにも関わらず、そのセンスの無さに我慢できなくなりつつありました。その上、会議において経営陣からイチャモンを付けられるに至り、ついにパパとの約束を破ってしまうのでした。
「こんな名前ややり方では女の子には売れません!」と。
勢いで経営陣に楯突いた形になった小梅は、パパは首になるだろうしプロジェクトの部下達には総スカンを食らうと覚悟したのでした。
しかし、部下達は小梅の啖呵に背中を押され「売れるものを作る」決意をして仕事に取り組み始めるのでした。
互いの生活をまさに身を持って体験したパパとムスメは、それまで口も聞かなかった関係に変化を生じさせます。
パパはパパでムスメ達世代の考えや悩み、そして想いを知り
ムスメはムスメで、働いて稼いで育ててくれているパパの苦労を知り
少しずつ2人の関係に変化が見られるようになります。
入れ替わりの生活を続けて7日目、パパの部下が起こす事件がきっかけとなり、2人の生活は元に戻ります。
- パパの部下が起こす事件とは何か?
- 元に戻った2人の関係はどうなるのか?
- 渋さを失った小梅(当時はパパだった)を先輩はどうするのか?
- 経営陣に啖呵をきったパパ(当時はムスメだった)はどうなるのか?
本書を読んでお確かめください!
『パパとムスメの7日間』のおススメ度はいくつ?
おススメ度は85点です!
↓kindle版はこちら
本当に読んでて楽しかった!
ドラマで感じた好印象は、全く崩れることはありませんでした。
テンポ良い台詞、イメージしやすい状況描写、これぞ五十嵐作品の真骨頂だと思います。
『パパとムスメの7日間』をおススメする人
- テンポ良い五十嵐作品が好きな人
- ベタなテーマ(人格入替り)でも楽しめる人
- ドラマ版『パパとムスメの7日間』を観た人
特にドラマを観た人は是非読んで欲しい。
読んでいる間、ずっと新垣演じる小梅と舘演じる恭一郎が頭の中に出てきて楽しめましたよ!
『パパとムスメの7日間』をおススメしない人
おススメしない人は以下の1点のみです。
- SFコメディな小説が嫌いな人
この本が嫌いだと言う人とは私は一緒にお酒を飲めないと思います・・・。
『パパとムスメの7日間』の私の感想
ドラマの印象が崩れないかドキドキしながら読んだのですが、その心配は杞憂に終わりました。
人格入替りの小説ですが、例えば東野圭吾の『秘密』のような「重さ」はありません。パパとムスメのドタバタの7日間をコメディタッチに書き上げていて、読み終えた後には「スッキリ」しか残りません。
通勤で疲れている時に読むには最適の「癒し本」だと私的には思いました。
そんな訳で不満では無いのですが、読み終えて感じた2つの点に触れたいと思います。
西野さんの設定は強引過ぎないか?
(この先ネタバレありますのでご注意ください)
恭一郎の部下である西野さんですが、彼女の役割に関してはちょっと強引過ぎる気がしました。
恭一郎に憧れるのは良いでしょう。ストーカーまがいになるところもOKです。
ですが、思い余ってムスメを殺そうとするか?
「ムスメが消えれば、私と一緒になる恭一郎さんが悲しまないから死んで・・・」とは何とも短絡的な気がしました。
恭一郎と小梅の人格を元に戻すために何か事件が必要だったのでしょうが、ちょっと無理があるかなぁ~と思いました。
小説ならではの踏み込んだ描写は出来なかったか?
この点に触れると変態扱いされそうなのですが・・・
パパとムスメが入替ったのであれば、もっと、男女の身体の構造や男女の物の考え方や心の持ち様に苦しむ描写があっても良かったのではないだろうか?
- パパが生理の時のイライラ感を知る
- ムスメが男の朝の生理現象(50代でもあるなら)を知る
- パパとムスメそれぞれが男女の恋愛感の相違を知る
- パパとムスメそれぞれが物事(仕事)の進め方の相違を知る
公共の電波に乗せるテレビでは難しいだろうけど、小説だからこその「踏み込んだ表現」があったら面白かったように思います。
しかし・・・
踏み込んだ描写があればあるほど、テンポの良いコメディタッチの内容では無くなるのかも知れませんね。
ドラマ版『パパとムスメの7日間』
2007年に日曜劇場の枠で放送されたドラマです。
私は、あぶない刑事が大好きだったので、かっこいい鷹山刑事が女役をやることに対して危惧していましたし、このドラマを観る事にはかなりの抵抗感がありました。
でも、観て良かった。
僅か7話で終わりでしたが、もっともっと観たいと思わせるドラマでした。
舘ひろしをキャスティングした時点で勝ち!
正直、足をクネクネさせてシナをつくる舘ひろしは「気持ち悪い」以外に表現のしようがありません。
ですが、ギリギリ「受け入れられる気持ち悪さ」に収まったのは見事としか言いようがありません。
監督がそこまで見越してキャスティングしたのか判りませんが、父親役が舘ひろしでなかったらここまで面白かったかどうか不明だと思います。
このドラマ、なかなか地上波では再放送をやってくれませんが、もしも機会があったらお見逃し無く!
↓おすすめの本と漫画のブログランキングはこちらへ!
↓応援ありがとうございます!