lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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『リバース』を読んだ!



リバース (著: 湊かなえ)を読んだ!

この作品は、2017年4月に、主演・藤原竜也でドラマ化されました。

金曜ドラマ『リバース』|TBSテレビ

当時、ドラマを観ていた家族から、なかなか面白かったのだが、ドラマと小説では最後のどんでん返しが異なると聞いた。
なので、貴方は小説は読んで、違いを教えてくれ!
と言う、訳の判らん依頼を受けたのだが、スルーしていた。

あれから1年以上経つのだが、未だに根に持ってスルーした事を追求してくれるため、家庭平穏のために読むことにしました。

『リバース』を読み終えましたので、感想をまとめます。

 

『リバース』のあらすじ

※今回は下記理由もあり、3分あらすじは書いてません。

ミステリーは全般にそうですが、特にこの本はラストに触れては読む価値が無くなると思いますので、あらすじを詳細に書き過ぎないように、かつ、最後の重要な部分は伏せておくことにします。

 

事務機器会社で働く深瀬和久は、ごく普通の平凡なサラリーマンであった。
趣味はコーヒーを楽しむことであり、駅から自宅への途中にあるコーヒー専門店「クローバー・コーヒー」を行きつけにしていた。
やがて、店で偶然出会った越智美穂子と惹かれあい、付き合うようになるのであった。

平穏な日々を過ごしていた二人であったが、美穂子の職場に一通の手紙が届けられたことを契機に、歯車が狂いだすのであった。

「深瀬和久は人殺しだ」

美穂子からその話を聞いた深瀬は、心の奥底に封印していた3年前の記憶を思い出し、動揺するのであった。

3年前、深瀬が大学4年生の時、ゼミ仲間5人(村井隆明、浅見康介、谷原康生、広沢由樹)で村井の家族が所有する別荘に出かけた。

村井は当日の朝に事故を起したため、村井以外の4人で出発した。
その出発時のアクシデントはあったが、別荘への道中、そして別荘に着いてからも、4人でそれなりに楽しい時を過ごしていた。

しかし、村井から入った電話で、彼らの長閑な休日は急変することになるのでした。

事故処理を終えた村井は列車で別荘に向かい最寄の駅に着いた。
しかし、駅にはタクシーがおらず、1時間は待つことになった。そこで村井は、夜になり雨も酷いので、車で迎えに来てくれと、仲間達に頼むのであった。

深瀬は免許を持っておらず、他の3人も飲酒していたので、タクシーを待って来いと村井に伝えると、人の別荘で暢気に遊んでいるヤツが何を言うか!迎えに来い!!と怒る村井の剣幕に負け、結局、彼らは車を出すことにします。

しかし、就職活動中の身で、万が一飲酒で捕まれが人生がパーになると考えた彼らは、運転役を押し付けあいます。

最終的に、広沢がその役を引き受けるのでした。

一抹の不安を誰もが抱えつつ、ゆっくり行けば大丈夫だと広沢を送り出します。
しかし、村井から「まだ来ない」と電話が入り、浅見と谷原は別荘を飛び出して探しに行きます。

そして、山道のカーブにおいて、ガードレールを突き破り崖下へ転落した車を発見するのでした。
翌日、警察の捜査により、転落した車から広沢が遺体となって発見されるのでした。

警察や彼らの両親には、大雨の中、そして曲がりくねった山道、広沢が免許をとりたてであった事が引き起こした事故なのだと4人は話し、広沢が飲酒していたことは、別荘に居た3人とも打合せをした訳ではなかったが、暗黙の了解として伏せていたのでした。
しかし、彼ら全員が、心のどこかで、広沢の死に自らも加担しているという後ろめたさを感じていたのでした。

3年前の秘密を打ち明ける深瀬の様子に、かすかな不審を感じた美穂子は、深瀬を追及します。

「何かやましいことがあるのでは?」

最初は白を切っていた彼は、最後には美穂子の追及に負け、心の奥にしまっていた事実と後悔の気持ちを語りだすのでした。

  • 運転に不慣れな広沢に雨の中山道を運転させたこと
  • そして、飲酒をしていたこと
  • さらに事故後にその事実を隠していたこと
  • 止めるべきだったのに蜂蜜入りのコーヒーを渡して見送ったこと

全てを打ち明けてスッキリした深瀬は、美穂子は自分の告白を受け止めてくれると思っていました。
しかし美穂子は、「正直に話せば良い訳ではない」「自分が楽になりたいだけ」だと深瀬を非難し、「受け入れられない」として深瀬の元を去ってしまうのでした。

失意に打ちひしがられる深瀬は、仕事で立ち寄った浅見の職場で、浅見にも深瀬に届いたの同じような「●●は人殺しだ」という脅迫文が届いたことを知ります。
さらに、村井から突然呼び出され、谷原がホームで誰かに線路へ突き落とされたことを知ると、あの時の4人の身近な人の中に、広沢の死を恨む人間が居るのではないかと疑いはじめるのでした。

事の真相を突き止めるため、まずは広沢の事を調べなおそうと考えた深瀬は、広沢の故郷に向かいます。そして、「広沢の追悼文集」を作ると言う名目で、彼の家族や幼き頃からの友人達に会い、広沢の話を聞くのでした。

話を聞けば聞くほど、深瀬が知らなかった、いや深瀬達の前では見せなかった広沢像が浮かび上がってきます。そして、広沢には地元で親友(どちらかと言えば一方的な友情を寄せる男)が居たこと、さらに東京で広沢に彼女が居たことを知るのでした。

その事を知った深瀬は、彼や彼女と広沢のことを話すことで、もっと広沢の事を知れる。いや、もしかしたら彼(または彼女)が犯人かも知れない。
そう思った深瀬は、まずは親友とされる男性と会って話します。

脅迫手紙や谷原を突き落としたのは彼ではありませんでした。
それでも、深瀬は彼と話すことで、改めて自分と広沢の関係を見詰め直す機会を得るのでした。
そして、彼から広沢の彼女のことを聞き、深瀬は重大な事実に気付きます。

 

広沢の彼女は実は・・・

広沢の彼女と再会した深瀬は、自分達が広沢にしてしまったことへの懺悔を口にします。そして、事の真相を、広沢の両親に話すことを告げるのでした。

深瀬の心からの懺悔を聞いた彼女もまた、自分がなぜ、深瀬たちに対して脅迫行動に出たのが話すのでした。

それから、二人は、互いが知っている広沢の事を話すことにします。
互いがもう一度歩き出すために・・・。

 

和解の道を歩み始めた二人に、店のマスターはコーヒーを差し入れてくれます。
そのコーヒーは、特別な蜂蜜が入ったコーヒーでした。
蜂蜜のことを知った彼女が、ふと口にします。
「そういえば広沢くんは、●●だったな」

その一言を聞いた深瀬は・・・。

 

真相は、本書を読んでお確かめください。

 

『リバース』のおススメ度はいくつ?

おススメ度は70点です!

面白いし!
最後の結末も意外性はありました。

でも、まあ面白かった!
の範疇は超えませんでしたので70点です。

 

リバース (講談社文庫)

リバース (講談社文庫)

 

 

『リバース』をおススメする人

  • 湊さんの作品が好きな人
  • ミステリーが好きな人
  • 読みながら犯人は誰だろうと先読みするのが好きな人
  • ドラマを見て本も読みたいと思った人
  • ドラマを見て物足りないと思った人

 

『リバース』をおススメしない人

  • ミステリーが嫌いな人
  • ドラマが最高だったので別の結末は知りたくない人

ミステリー嫌いな人にはおススメしません。
たぶん、万人受けする一冊であると思います。

 

『リバース』の読後の感想

読後の感想として、読みながら気になった点に触れておきます。
ミステリーなんだから、細かいことを気にせず楽しめばいいじゃない!という意見もあるでしょうが・・・。

ちなみにネタバレになりますので、未読の方はお気をつけ下さい。

 

警察ってそんなに緩いかな?

繰り返しますが、ミステリーとして破綻しているわけではありません。
読んでいて面白かったのは事実です。

ただ・・・

  • 死亡事故の遺体検分で飲酒って判らないのかな?
  • 大学生数名が必死に言い訳すればするほど怪しいと思わないかな?
  • アレルギーのこと、彼女が知っていれば両親も知っているはず。ならばその点について警察に言わないものかな?

その辺が気になって仕方ありませんでした。

警察って、そんなに甘いかな?

まあ、事故として処理されたら、そこまで調べないのかな?
でも、大学生の男が集まっていて・・・飲むよね、絶対。
絶対にバレルとおもうのだけどなぁ。

あと、私が食物アレルギーがあり、家族も両親も、会社の人達も知っています。
なぜなら、間違えて食べたら危険だから・・・。
だからこそ、身体に危険を及ぼすほどのアレルギーなら、誰かが気付くはず。と思ってしまうのです。

 

ドラマ版と小説版の違いについて

この本を読むきっかけとなったのが、冒頭に書いたとおり、ドラマを観た家族から本は結末が違うらしいので「貴方が読んで教えろ!」という理不尽なものでした。

そこで・・・
読み終えた後に、家族に「小説」の結末を伝えました。
替わりに、ドラマの結末を聞きました。
(ちなみに、私はドラマを見ていません。)

本で書かれている真相は・・・
以下のような流れで真相に到ります。
→深瀬達が脅迫を受けるようになる
→深瀬が犯人探しで広沢の周囲の人間を調査
→怪しい人物が浮かぶ
→広沢の彼女が実は・・・
→その彼女がふとした言葉で深瀬が・・・

ドラマの真相は・・・
→深瀬達が脅迫を受けるようになる
→深瀬が犯人探しをする
→怪しい人物が浮かぶ
→仲間4人が犯人を知る・・・
→一旦は広沢の死は●●アレルギーとなる
→その後、真の結末が判明する

 

ドラマに合わせて、湊さんが結末を新たに書き上げたと後で知りました。

ドラマのあらすじを家族から聞く限り、ドラマの方が流れ的には無理がない設定になっていると思いました。
遺体が見つかるのが事故から半年後とか、事件が起きてから脅迫状が送られるまで10年の月日が経っているとか・・・。

ただし、物語の終わらせ方としては・・・。
私は、本の結末の方が好きです。
ドラマは、なんだか最後を都合よくまとめてしまった感じがします。

どうなのでしょう?

ちなみに、私の家族の反応は「小説版の真相はしっくりこない・・・」でした。

 

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