2025年10月6日、鹿島アントラーズはホームであるメルカリスタジアムにガンバ大阪を迎え、2025年J1第33節を戦いました。
ガンバがACL2に出場するからなのか、鹿島の試合だけが日曜開催で、他の試合は全て前日に開催されました。
そのため、鹿島は優勝を争うライバルが軒並み苦戦している結果を知った上で、この日の試合に臨むことになりました。
その結果、やっぱり優位に立てるシチュエーションは知らずと力が入り、好調ガンバの底力に押され・・・。
早川を筆頭にしたDF陣の踏ん張りで、何とか勝点1を手にするのがやっとでした。
しかし・・・
個人的には勝点1より尊いモノを観た・・・と思うことにします。
18歳の悲涙にスタジアム中が背中を支えた
2025年J1第33節(ホーム)鹿島VS G大阪戦の記録です。
- 2025年J1第33節(ホーム)鹿島VS G大阪戦の試合結果、及びスターティング&交代メンバー
- 2025年J1第33節(ホーム)鹿島VS G大阪戦の試合内容と感想
- 2025年J1第33節(ホーム)鹿島VS G大阪戦を観戦して感じたこと
- まとめ
2025年J1第33節(ホーム)鹿島VS G大阪戦の試合結果、及びスターティング&交代メンバー
鹿島 0-0 G大阪
スターティングと交代メンバー
GK1 早川 友基
DF3 キム テヒョン
22 濃野 公人
25 小池 龍太
55 植田 直通
MF6 三竿 健斗
18 エウベル⇒後半21分27 松村 優太
20 舩橋 佑⇒後半27分13 知念 慶
77 チャブリッチ⇒後半27分23 津久井 佳祐
FW9 レオ セアラ⇒後半27分34 徳田 誉
40 鈴木 優磨⇒後半36分71 荒木 遼太郎
テヒョンと知念が出場停止から復帰。
田川と樋口は引き続きベンチにも入らず。
4連勝を引き寄せているメンバーを主体に挑んだが・・・
ガンバのアントラーズ研究に屈した感じがする。
でも、研究対策を施されていても、この前線の面子なら点を取って欲しい。
2025年J1第33節(ホーム)鹿島VS G大阪戦の動画ハイライト
スコアレスドローの試合ハイライトを観ることに、これほどまでにためらいを感じるのは人生で初めてかも知れません。
観れば観るほど完全に親の気持ちになってしまいます。
ほまれ・・・
泣くなって・・・。
2025年J1第33節(ホーム)鹿島VS G大阪戦の試合内容と感想
ガンバはACL2出場でタイに遠征し、中2日でこの日を迎えました。
そして、何故かアラーノとウェリントンも不在・・・。
それでも頑張サポーターは随分と駆けつけていました。

一方の鹿島は怪我で居ない選手もいますが、ほぼ現状のベストメンバーがベストなコンディションでこの試合を迎えました。
さらに鹿島のホーム!
ディープレッドに染まるスタジアムが選手を後押しする。

こういう時の試合では、最初の入りがとても大事だし、早目の先制点も重要だと思ったのですが・・・。
前半総括:ガンバの術中に嵌って抜け出せない!
ガンバの可変3&5バックに虚を突かれたのか、サイドへボールは散らせるが、それ以上の前進が出来ずに横パスを繰り返し、カットされて危険な目に遭ったり、無理に中央から縦を突こうとしてカットされて危険な目に遭ったり、ガンバの周到なサイド封じの可変DFラインに嵌ったママ抜け出せないアントラーズでした。
前半20分の時点で鹿島のシュート1/ゴール期待値は0.04、ガンバはシュート0/ゴール期待値は0(そりゃそうだ)。
言葉は悪いが、イライラの募る時間が積み重なりました。
飲水タイムで注意を受けるほどにガッツリとレクチャーしていたので、何かが変わるかと期待しましたが、構図は大きく変わりませんでした。
前半終了時点で鹿島のシュート3(枠内1)/ゴール期待値は0.2、ガンバはシュート2/ゴール期待値は0.37。
シュート数の少ないガンバの方が、ゴールの匂いを漂わす展開でした。
後半総括:最終盤のスタジアムの熱気を忘れないで!
ハーフタイムで動くのかと思いきや、交代はなし。
では、攻めに変化はあるのかと思いきや、あまりそれも感じられませんでした。
後半20分時点で鹿島のシュート6(枠内2)/ゴール期待値は0.35、ガンバはシュート4(枠内1)/ゴール期待値は0.45。
前半終了間際から、多少なりとも攻撃の糸口を掴みつつあるように感じはしましたが、大きな変化を起こすほどのモノではありませんでした。
それでも鬼木監督はスタメンを引っ張るだけ引っ張ってから動きました。
飲水タイム前にエウベル⇒松村。
そして飲水タイムで知念、津久井、徳田を投入。
これでようやく鹿島の動きが活性化し、最後は恐らく状態が万全では無かったのであろう優磨⇒荒木の交代で火が着きました!
怒涛の攻めを繰り広げた結果、ついにPKを手にします!
しかし、18歳に重い責任を感じさせた挙句に失敗・・・。
最後はスタジアムが揺れるような声援の中でもゴールを割ることが出来ず、スコアレスドローで終了となりました。
試合終了:溜息ではなく励ましの声が・・・
勝てば優勝へ大きく前進となる試合で、このような試合展開を演じ、しかもスコアレスドローとなれば、普通ならばスタジアム中を何とも言えない溜息が包みこんでいたことでしょう。
しかし、この日の試合終了時にスタジアムに沸き起こったのは、一人の若鹿への激励の声でした。
確かにPKの失敗は痛いし、失った勝点2は勿体ない。
それでも、この日の終了時のスタジアムの雰囲気は、鹿島が優勝へ向けて完全にスイッチが入ったことを感じさせました。
誰かのミスを責めるのではなく、支え合い、共に乗り越えるのだという決意が、スタジアムを包んでいて、かつて鹿島がタイトルを獲り続けていたころに感じた空気感に近づたように思いました。
2025年J1第33節(ホーム)鹿島VS G大阪戦を観戦して感じたこと
試合後の鬼木監督の言動や表情は、無限大の可能性を秘めた息子に試練を与えた「父親」そのものでした。
試合を観戦して感じたのは・・・
- コンディションを整えて
- 時にはシンプルさも大事では
- 舩橋の課題
- 荒木の覚悟
- 徳田に背負わせたこと
- 柴崎岳の存在
以上の5つです。
コンディションを整えて
状況が良くない前半を終え、間違いなく交代カードを切るだろうと思ったのですが、誰も変えないという決断に少々驚きました。
しかも、後半始まっても劇的に何かが変わった感じもせず、この日の監督の采配には疑問を感じていたのですが、試合が終わってから何となく理由が判った気がします。
この日のスタメン組、特に前線のメンバーは本当に調子が良くなかった。
大黒柱の優磨も明らかにおかしかった。
大きな怪我を負っていないことを願うしかない。
おそらく、この前線の選手の軒並み低調なコンディションは、試合前から判っていたものの、誰が最後まで持たないのかは未知数だったのでしょう。
その上、徳田はまだ長時間でのプレーが難しい・・・。
交代で入った選手も其々が持ち味を発揮してくれましたが、「点を獲る」という点に関して言えば、スタメンの優磨、レオ、チャッキー、エウベルに比べれば経験値と迫力が落ちてしまうのは否めません。
それゆえ、監督としてはスタメン組で何とか1点をもぎ取って欲しかったのでしょうし、誰をどの順番で交代させるのかギリギリまで見極めていた結果、いつもに比べれば交代の手を打つのが遅く感じられたのでしょう。
神戸戦まで約2週間。
さらに約2週間で京都戦。
しっかりと前線の満身創痍のメンバーのコンディションを整えて、天王山2連戦に挑んで欲しいと思います。
時にはシンプルさも大事では
ガンバが可変型の3&5バックで鹿島の両サイドの縦突破を封じ、しかも序盤に中央から突破しようとして引っかかると怖いカウンターがあることを肌で感じさせられたことで、鹿島の攻撃は実に慎重だった。いや慎重すぎた。
可能性を探して、後方で右から左へパス交換していても、ガンバの選手は疲れもあるのか食いついてこないため、横パスが右から左、左から右へ行き交うばかり。
業を煮やしてエウベルが飛び込んだり、ドリブルでピッチを横切るも、あまり効果的な攻撃にはならず。
こういう状態を打破するのが今の鹿島は得意ではない。
それなのに、崩すことに、練習でしたことに囚われてしまいドツボに嵌る。
それならばいっそのこと、とにかくレオはゴール前に張って、彼の頭を目掛けて放り込むのもアリだと思う。
そうする事でガンバのDFが徐々に中央に寄ればサイドでスペースが出来るだろうし、放り込むと見せかけて相手の意識が後方に傾いていたら、中央から切り込むスペースも生まれただろう。
北側のゴール裏から見ていて、とても歯痒く感じました。
もう少し、工夫と言うか、シンプルさも大事では?と。
舩橋の課題
浦和戦のように押し込まれて存在感が消えるような試合展開ではなく、どちらかと言えばある一定のラインから入らなければガンバの選手のプレッシャーを受けることは少なく、前を向いてプレーする事が出来ていました。
しかし、綺麗にパスを通す、またはパスが繋げる、そのイメージが湧かないとチャレンジしないのは本当に勿体なかった。
思いきってチャッキーやレオにパスを刺して、あとは一人で点を獲って来い!
と言うメッセージを込めたパスを出し、自分自身はカウンターに備える!
といったアバウトなプレーも織り交ぜるようになると、きっと相手もやり難くなるだろうな・・・と。
息苦しい試合展開の時こそ、もっと遊んで欲しかった。
荒木の覚悟
FC東京戦でスタメンで出場して以来、なんと、ベンチ外も続いた荒木・・・。
長い雌伏の時を経て、ようやく前節の名古屋戦で出場機会を手にすると、トップ下に近い位置で存在感を発揮した荒木。
これはきっと、優勝への最後のワンピースに荒木がなるのでは?
期待していたのですが・・・
ガンバ戦ではなかなかチャンスが巡ってこない。
出番は残り10分となったところでした。
コンディション的に苦しかった優磨に替わってピッチへ!
その結果、最後の10分の布陣は・・・
トップが徳田でトップ下は荒木。
右SHに濃野で左SHは松村。
この若鹿4人衆が荒木の動きに合わせて躍動し始めます。
特に荒木のプレーからは、失うものはない、やるしかない、という覚悟と集中力を感じることが出来ました。
思い返せば、FC東京へのレンタルから鹿島に戻った際、荒木が口にした言葉は・・・
鹿島でタイトルを獲りたい
残り5試合、全力で応援するか、必ず獲ろう!
徳田に背負わせたこと
この日は北側のゴール裏から見ていました。
それゆえ、徳田の走り出し、キックの瞬間、キックの方向、GKの動き、それらが全てスローモーションのように見えました。
まるでGKの動きに吸い込まれるようでした。
PK失敗したことは忘れろと言っても忘れられないはず。
だから、トコトン落ち込めばいい。
底まで行けばあとは這い上がるだけだ。
反省すべきは、18歳の新人を「あのような状況」に追い込んだ兄貴達だ。
今年のブログで何度も書いているが、優磨、レオ、チャッキーが並んでいながら、前半シュート3本と言うのは情けない。
弟を泣かせた借りは、次の神戸戦で返してやってくれ!
柴崎岳の存在
柴崎の心中は本当のところは判らない。
でも、柴崎はピッチに立ってプレーするよりも、ライン際で必死に選手達を鼓舞することに集中しているように感じられました。
前半、チームが上手くいってない時も、アップするよりも選手に声を掛けていましたし、後半になってもその姿は変わりませんでした。
なにより、徳田のPKが失敗した瞬間、殆どの選手が項垂れたり呆然とする中で、柴崎だけは手を叩き、徳田とチームを鼓舞していました。
そして終了後の挨拶の時は、徳田の横にそっと「寄り添って」いました。
若いころはプライドが高く、人を寄せ付けないオーラを放っていた柴崎が、今、全てはチームの勝利のためにと動いている姿を見せられたら、私は出来る限りスタジアムへ足を運ばないといけないと強く感じました。
こういう選手が居る時の鹿島は強い!
まとめ
鹿島が鹿島であるために・・・
鹿島の未来を作るために・・・
若鹿達の苦悩と涙を笑顔に変える手伝いをしたい。
ガンバ戦の最後の10分。
サポーターの想いは一つになりスタジアムが揺れていました。
あの声がPKに繋がったと思うので、次は例えGKに読まれてもゴールにねじ込めるように声でサポートしたいと思います。
鹿島の選手達よ
タイトルを掲げてくれ!
頑張れアントラーズ!
シーズン最後に笑いましょう!!
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