はじめての造影剤受診シリーズを3回に分けてまとめてきました。
第1回目は、未破裂脳動脈瘤と闘う ~人生初めての造影剤投与・CT撮影~
第2回目は、未破裂脳動脈瘤と闘う~造影剤を受けるべき前にしるべきこと~
最終回は、『未破裂脳動脈瘤と闘う~造影剤撮影後、私に起きた副作用!~』
をテーマにまとめたいと思います。
- 造影剤検査直後とその夜の状態
- 異変に気付いたのは翌日の日中
- 身体に顕れた造影剤の副作用とは!
- 造影剤の副作用?蕁麻疹?その症状は?
- 副作用を疑い始めたのはいつなのか?
- 造影剤を受診した病院へ電話連絡をする
- 診察その1 脳神経外科医の見立て
- 診察その2 皮膚科医の見立て
- 造影剤の副作用・蕁麻疹のその後
- この病院で手術は受けられないと決断
- 病院めぐりへの旅が始まった
造影剤検査直後とその夜の状態
造影剤検査中、及びその後の状況は、第1回目の記事にまとめたので、詳細は下記をご覧ください。
造影剤投与直後
未破裂脳動脈瘤と闘う ~人生初めての造影剤投与・CT撮影~ - lands_end’s blog
造影剤検査終了後
未破裂脳動脈瘤と闘う ~人生初めての造影剤投与・CT撮影~ - lands_end’s blog
当日の夜
未破裂脳動脈瘤と闘う ~人生初めての造影剤投与・CT撮影~ - lands_end’s blog
簡単にまとめますと、
- 投与直後
→体験者の皆さんが書いているように、身体全体が熱くなった。特に問題なし。 - 検査直後
→特に問題なし。血も直ぐに止まった。 - 帰宅・当日夜
→身体がだるい、眠い、以外は特に問題なし。 - 翌朝
→いつもと同じ朝、よく寝たので、疲れも眠気もなし。
翌朝は、いつも以上に、元気よく(気持ち的には動脈瘤への不安でブルーでしたが)、定時に出社して仕事を始めていました。
異変に気付いたのは翌日の日中
普段どおりに仕事を始めたのですが、異変に気付いたのは、昼食を食べに外へ歩いていたときでした。
『なんだろうな・・・右足の指先がかゆいぞ?』
季節はまだ5月、梅雨にも入っていないので、蒸れたとは考えにくく、理由が判りませんでした。
私はそもそも肌が弱くて、季節の変わり目には、手足の皮膚に影響が出やすいのです。
小さな水泡のような『ブツブツ』が出来たり、皮がペロッと『脱皮のように剥けたり』して、見た目は完全に『水虫』状態になります。
ただし、最初の症状は水虫のような痒みはなく『むずむず』感でした。
昼食後、『痒み』は『痛み』に変わっていきました。
トイレに席を立って歩いていると、革靴の先で摺れて、『ジクジク』と痛い感じです。
この時点でも、まだ、普段の皮膚の季節的な症状だと思っていました。
『ブツブツ』が潰れて痛いのかな?と思っていました。
痛みに耐えながら仕事を終えて帰宅の途につきました。
最寄の駅から自宅までの歩きは、すでに激痛との戦い。
つま先は、痛みとともに、なぜか湿り気を感じていました。
『汗にしてはおかしい・・・。』
流石に、この段階に至り、
『いつもと違う!なんか変だぞ?』と思うようになっていました。
身体に顕れた造影剤の副作用とは!
帰宅し、靴を脱ぐときには既に痛みは酷い状態で、靴紐を結んだままではとても革靴を脱げない状態でした。
靴紐を緩め、玄関に腰掛けて靴をそろそろと脱ぐと・・・
『なんじゃこりゃ!』
靴下のつま先部分が『べっとり』と湿っています。
雨の日に濡れた感じとは違い、『べっとり』しているのです。
恐る恐る、靴下を剥がすようにして脱いでいくと・・・。
『うわっ!』
それしか言葉に出来ませんでした。
写真を撮る余裕が無かったのが本当に悔やまれます。
写真があれば、言葉を並べるよりも説得力があったのに。申し訳ありません。
足に出来ていたのは、初めて見る無数の赤い湿疹と水泡でした。
造影剤の副作用?蕁麻疹?その症状は?
足の状態はこんな感じでした。
(右足)
- 足の前半分には、赤い小さな発疹が無数に出来ていました。
- 指の間に水泡が出来ていて、それが殆ど潰れていました。
- 潰れた水泡からは、ドロッとした無色透明の液体が出ていました。
- ぬるま湯で洗うと、傷にしみませんでした。
- ぬるま湯で温めると、足全体が真っ赤になる状態でした。
(左足)
- 足のつま先と踵に、赤い小さな発疹が出来ていました。
- 足の甲に水泡がありましたが、幸い潰れていませんでした。
- ぬるま湯で温めると、足全体が真っ赤になる状態でした。
とにかく洗って、乾燥させ、寝ることにしました。
マキロンを使おうか悩んだのですが、何となく止めたほうが良い気がして、使いませんでした。
副作用を疑い始めたのはいつなのか?
足を洗って、乾燥させ、早々に布団に潜り込んだのですが、寝れません!
初めての症状に、頭は『???』となっており、不安でした。
それでも、まだ、この時点では『造影剤の副作用だ!』と思っていませんでした。
明け方になると、痒みも酷くなり、痛みも増してきたため、
『明日は土曜だけど、朝になったら造影剤検査を受けた病院に電話してみよう!』
『電話が繋がらなかったら、直接行ってみよう!』
と考え始めていました。
この頃には、『造影剤の所為じゃないのか?』と思うようになっていました。
朝、8時半になって、造影剤検査を受けた時に貰った用紙『緊急連絡先』を取り出しました。
造影剤を受診した病院へ電話連絡をする
電話をしようと、用紙に書いてある連絡先を見ますと、自分の愚かさに気付きました。
『身体に異変を感じた時には、直ぐにご連絡ください。』
連絡先 ●●-●●●●-●●●● (24時間受付)
『なんだとっ!』
『24時間受付だとっ!!』
そう言えば、検査終了時に検査技師が『異変の際の緊急連絡先です』って言って渡してくれたのに、私は緊急の意味を理解していませんでした。
とにかく、急ぎ病院へ連絡し、足の症状を伝えると『直ぐに来院してください!』と言われました。
更に、こう言われました。
『足が痛くて動けなければタクシーを使って、呼吸がし難いなどの異変を感じるなら救急車を呼んでも構いません!』
この台詞を聞いて、知識が無かった私は完全にパニックになりました。
慌てて、手近な服を着て、財布だけ握って通りに出て、タクシーを捕まえ病院へ向かいました。
しかし、実はこの時点で副作用の症状は治まりつつあったのです。
両足は、依然として赤い発疹が出ていましたが、数は減っていました。左足の潰れていなかった水疱は潰れずにそのままでした。右足の水泡が潰れた後は、赤く爛れた感じになっていました。
絶対に必要な『緊急連絡先!』
とにかく、今回の話の一番の肝はこれです。
造影剤を受診した後、万一の際の『緊急連絡先』を貰う様にしてください。
土日は、別の病院で・・・とか言う所では受けないほうが良いと思います。
そして、異変が起きている最中に、病院へ言って検査すべきです。
症状が治まってからでは、正確な診断が出来ないそうなので。
診察その1 脳神経外科医の見立て
病院へ着いて受付へ向かい名前を告げると、私が来ることは周知されていたようで、直ぐに受診手続きをしてくれました。
土曜の診察は既に始まっていて、待ち人数は既に二桁を超えていましたが、緊急扱いで割り込み扱いとなりました。
診察室に入ると、造影剤検査時の部長さんでもなく、最初のときの出稼ぎ医師でもなく、『とても若いあんちゃん先生』が座っていました。
受診から翌日の朝、そして症状が出始めた昼間のこと、さらに昨夜帰宅したときの様子を説明すると、『あんちゃん先生』はこう言いました。
「たぶん、造影剤の影響では無いと思いますよ。」
「このような症例は聞いたことないですから。」
「皮膚科の先生に連絡しますから、皮膚科を受診してください。」
私としては、「はあ、そうですか。」としか言えませんでした。
何しろ、自分で学んだ知識が無いときでしたので、まさに言われるがままでした。
それに、先に述べましたように、既に症状が緩和していたのも、言われるがままになった理由の一つです。
診察その2 皮膚科医の見立て
脳神経外科からたらい回し、回診を指示され、皮膚科診察室の前に移動しました。
ここでは、なが~く待たされました。
もはや『緊急扱い』を受けられないからか、先の脳神経外科のあんちゃん先生が指示を忘れたのかは定かではありませんが、3時間以上も待たされ、受付の看護師に順番を聞きに行くと・・・「次です」と。
診察室に入り、先生に症状を伝えると、
皮膚科の先生は『何か言いたそうな素振りでした。』
でも、皮膚科医が口にしたのは、
「水泡の液体を検査しますので、潰しても良いですか?」だけでした。
水泡を潰し、液体を採取し、再び診察室で1時間待ち・・・。
流石に嫌になって来たところで、名前が呼ばれ再度診察室へ。
皮膚科の先生の見立てでは「水虫でもとびひでもない」との事でした。
「じゃあ、何ですか?」と言うと、
「はっきりと判らない」との回答でした。
結局、赤い湿疹は殆ど消えていたこともあり、水泡の潰れた痕が化膿しないように、とステロイド系(だったと思う)の塗り薬を処方されて終りました。
造影剤の副作用・蕁麻疹のその後
慌てて病院へ行った土曜の夜、つまり受診から3日目の夜に、残っていた水疱は潰れました。ですが、それ以降、足に水泡が出来ることもなく、また、赤い発疹は綺麗に消え、当然、足の痒みも3日目夜にはありませんでした。
また、水泡が潰れた痕も数日でさっぱりと治り、化膿することもなかったです。
この病院で手術は受けられないと決断
造影剤の副作用を疑って病院へ行った訳ですが、その対応には満足がいかなかったことが、自分で未破裂脳動脈瘤のことを調べる切っ掛けになりました。
そして、調べれば調べるほど、私の足に出た症状は、造影剤の副作用以外の何物でもない様に思い始めました。
そこで、部長さんが病院で診察している日をHPで確認し、改めて造影剤検査をした病院へ電話をして部長さんへ電話を取り次いでもらい、自分が感じている疑問と不信感をぶつけますと、なんと正直に次のように話てくれました。
「おそらくおっしゃる通り副作用だと思います。」
「担当した医師が若く、判断を誤ったかもしれません。」
とても意外でした。
多分、ミスを認めたとしても、その時点では私の身体に何の問題もないため、病院として困らないと判断して認めたのかもしれません。
いずれにしても、責任者の態度には納得できるものがありましたが、それ意外は不安しかありませんでした。
なぜなら、手術は一人でする訳ではないでしょう?
執刀医の部長さんを信頼できても、サポートがあの程度では、命は預けられないな。
そう判断せざるを得ませんでした。
他に、何か言いたそうにしつつも黙っていた皮膚科医にも、不信感を持ちましたしね。
実際、後日、手術を受けることになる病院で初めて造影剤を使うときにこの話をしたところ、主治医はかなり慎重に対応してくれました。
そして、造影剤使用後に赤い発疹が出来ると、
「間違いなく造影剤の副作用の一種です。」
「今後の使用はより慎重に使用しましょう。」
と言って、適切に対応してくれました。
病院めぐりへの旅が始まった
人生初めての造影剤検査を受け、私の頭の中の異物は『未破裂脳動脈瘤』と確定診断されました。
同時に、副作用を体験して苦しみ、また、病院のあり方について疑問を感じた体験は、この病と闘うためには、それを自分なりに学び、医師任せではなく、自分自身も闘う姿勢が必要だと実感させられました。
こうして、初めての造影剤受診後、1ヶ月近くかけて未破裂脳動脈瘤について色々と知識を貯めこんでから、脳神経外科のある病院巡りを始めたのです。
次回は『未破裂脳動脈瘤と闘う ~予想外!手術を勧めない医師~』です。