2016年の野球シーズンは、日本ハムが三度目の日本一を掴み、幕を閉じました。
今回の記事は、2016年シーズンのプロ野球全体の振り返りと思ったのですが、我がジャイアンツの現状があまりに酷いため、その嘆きとなっています。
私の個人的な感想なので、野球ファン(特にジャイアンツファン)以外の方には、まったく面白くない記事かもしれません。すいません。
目次
いったい、私の愛したジャイアンツはどこへ?
今年は病気療養の影響もあって、1度しか球場に行けなかった。
職場復帰して1ヶ月が過ぎた頃、仕事を終えて外へ出たら、熱帯夜だった。
急にビールが飲みたくなって、その足でドームに向かった。
その試合、我がジャイアンツはボロボロで、ゲーム後、広島にマジックが点灯した。
でも、ショックだったのは、惨敗したことでなく、ジャイアンツのプレーを見ていて、心がワクワクしてこなかった事だ。
とてもショックだった。
野球小僧だった私が憧れたジャイアンツ
始まりは、第一次藤田政権の時代、小学生のころです。
江川・西本・定岡の三本柱に、若大将と言われた原や青い稲妻の松本がいた時代。
本当に、強かった。江川の独特のフォーム、西本のシュートは誰もが学校で真似をした。廊下で滑り込んで青い稲妻を真似た。
定岡だって凄い投手だったんだ。
だからこそ、引退後に彼が『負け犬サダ』と呼ばれ、弄られている姿を見たときには、強い衝撃を受けた記憶があります。
私に強いジャイアンツを印象付け、中年になってもジャイアンツの結果を気にさせるようにさせたのは、80年代後半から90年代前半にかけての、憎たらしいほどの魅力にあふれたジャイアンツでした。
第2次三本柱、槙原・斉藤・桑田がいた時代です。
打撃陣もよかった。
小僧にとって打撃の神様であった篠塚、バントの仕草を真似た川相、宴会部長的なガハハ笑いが記憶に残る中畑、選手時代は面白みはいまいちだった若大将の原、子供心にアメリカンは陽気と印象付けたクロマティ、そして異端児の駒田、、、
監督だって負けていません。
好成績は残せなかったが王さんが監督をしているだけで心躍ったし、私にとって記憶に残る最初の名将・藤田監督、そして、存在自体がメークドラマな長嶋監督!
これらを書いているだけで、今もワクワクと心が躍る。
老人が昔を懐かしんで、思い出を美化しているのかもしれないと思うが・・・。
でも、ちゃんと事実として残っています。
1989年の近鉄との日本シリーズでの興奮は、紛れもない事実だ。
三連敗後、近鉄の勝利投手が発した『不用意な失言』にナインが奮い立ち、
三勝三敗の五分に持ち込んだ末に迎えた最終戦。
その『失言投手』から先制のホームランを放ち、
ダイヤモンドを一周する駒田が発したあの『バ~●』は、異端児の本領発揮だった。
それら不穏な空気を一掃したのが、この試合での引退を決めていた中畑だ。
代打でのホームラン。
レストスタンド(だったと思う)にスーッと伸びていく綺麗な弾道は、今も記憶に残っています。
さらに、1994年の10月8日決戦!
これだけで、ジャイアンツファンは飯が何杯でも食べられます。
三本柱の槙原・斉藤・桑田を惜しげなく注ぎ込み(槙原は早々にKOされたが)、勝利をもぎ取った長嶋采配。
最後、桑田が得意の大きなカーブ(最近こういうカーブはあまり見ない)を投げ、三振を取って、派手にガッツポーズをする姿に、本当に興奮して涙した。
打撃陣も凄い、3番松井、4番落合、5番原・・・。
はぁ、ため息が出ますよ。
ちなみに、youtubeには試合がフルでアップされているようです。
そして、1996年のメークドラマ!
ペナントレースで広島に11.5ゲーム差と大差を付けられながら、それをひっくり返して優勝したジャイアンツは、本当に、本当に強かった。
円山球場と言うと、吉村と栄村の激突ばかり取り上げられるが、このメークドラマの起点になった球場です。そこで起きた、9打者連続安打は本当に凄かったです。
私が憧れたジャイアンツは、いつも『何かを夢見させてくれた』のです。
だから、いつも試合を見たいと思ったし、見に行きたいと思った
小学生の頃は、クロマティの、打席でプリッと突き出したケツと、センターの守備位置に向かいながらファンと行う万歳三唱が大好きで、テレビを観ながら真似していた。
中学になってからは、横浜スタジアムに行って何度も試合を観た。
勝っても、負けても、興奮しながら帰りの電車の中で。友達とずっと試合のことを話していた。
あの頃のジャイアンツには、野球小僧を夢中にさせる『何か』があったのです。
- 金満チーム
- 強奪チーム
- オール4番チーム
などと罵られようとも、スターがいました。
松井がいて、番長・・・清原がいて、そしてなにより、ミスターがいた。
野球の面白さ、楽しさ、そしてプロの凄さを存分に味あわせてくれた。
今のチームの選手がダメダメで、批判したいのではありません。
峠は越えたかもしれないが、阿部のキャプテンシーはやっぱり素晴らしいし、
今年、唯一球場で見た時にはダメダメだったが、菅野の投球術は球界屈指だと思う。
でも、今シーズン、いや最近ですね・・・、何かが足りないのだ。
球場には一回だけ、あとはテレビ観戦の私が言うのはおこがましいのですが…。
今のジャイアンツへの不満とは?
色々と考えてみました。
- 坂本の内角打ちのような、『プロならではの天才的バットスイング』で魅せる選手が少ないからか…
- もしくは、渡米前の松井のような、『何かをしてくれると期待させる4番』が居ないからなのか…
- もしくは、斉藤、槙原、桑田の三本柱のような、『エースと呼ぶに相応しい投手』が不在だからか…
どれも正しいと思うのですが、どうもしっくりこない。
考えているうちに、やはり、ワクワクしない理由はこれじゃないかと思いました。
『勝てないからでは?』
「こいつ、何を言ってんだ?当たり前だろそれは・・・」
と思われるかも知れませんが、80年代からのジャイアンツファンにとって、
『それ』は、とても重要なことなんです。
憎たらしいほどの強さ、他チームのファンから非難を浴びようとも勝ちまくる強さ、
それが、近年のジャイアンツにはないように思うのです。
『最後には勝つ』というジャイアンツを、私は求めてるのです。
それに、そうでなければアンチ巨人と言う言葉が、『死語』になってしまいます。
具体的に今のジャイアンツに足りないものは?
今年の日本シリーズを観ていて、感じたことにヒントがあるように思います。
それは、今のジャイアンツの若手選手と監督です。
日本シリーズを見ていて思ったのは、日本ハムにしても、広島にしても、生え抜きの選手が活躍している。しかも20代前半の選手がです!
我がジャイアンツの若手を考えると・・・。
- 投手は、来季に期待出来る陣容ではある。
少ないが、田口と戸根が25歳以下で踏ん張ってる。
だが、野手は壊滅的だ。
- 内野手では準レギュラークラスですらいない。
クライマックスシリーズで山本を使っていたが、準レギュラーにもなっていない。
岡本は今年は芽が出なかった。坂本や小林はもう若手ではない。アラサーだ。
- 外野手も期待がもてない。
昨年新加入の重信がいるが、準レギュラーとは言えない。
大田は今年も駄目だった。ちなみにもう26歳?だ。
こうして、改めて見直すとジャイアンツには20代前半でレギュラー張ってる(張れる)若手選手が居ないのだ。
- 起用法が問題と言う人もいる。
- チームに育成の技術がないと言う人もいる。
でも、果たして、本当にそれが原因だろうか?
少なくとも、今年の村田は悪くなかった。
打率:302 本25 打点81である。
勝利にどれだけ貢献したかは???もあるが、この成績を残している選手を、岡本に変えるのは中々難しいと思う。
もちろん、「昨年1年間、我慢して使っていれば開花したはず」という意見には、確かに賛成したいが・・・。
要するに、何が言いたいのかというと、来季、または近い将来大きくブレイクしそうな匂いを感じる若手選手が少ないと言うことだ。
それを思うと、チームの建て直しには、かなりの時間を要すると覚悟せずにいられない。
監督も要検討ではないかと思う。
高橋監督が無能とは思いません。
選手として実績があり、そして華もあり、なにより人間として多くの人に愛されているからこそ、慕い、手助けする選手やOBが多い。
でも、この再建をしなくてはいけない時期において、彼の人柄は邪魔になるようにしか思えないのです。
先の述べたような、調子の良い村田でさえも、数年後を見据えて外す事が出来るか?
と考えると、今年の高橋監督の様子からは期待できないのです。
組織の構造から変えねばならない時には、強引で強烈な行動力が絶対に必用だと思うのです。
自らの基盤であった『自民党をぶっ壊す!』と叫んで、今となっては自民党だけでなく他にも諸々ぶっ壊してしまった感が強い、小泉元首相のように、
更に、改革を行いつつ、限られた戦力でもしっかりと勝ちを拾うには、落合監督のような『選手から不気味だと畏敬』を得るような、強かさと計算高さ、そして狡猾さが必用だと思うのです。
選手の個性を引き出して伸ばすなら、仰木監督のような固定概念に囚われず、人を見て野茂やイチローを見出したような目が必用だと思います。
選手を徹底的に教育し育てるなら、野村監督のように、叱られてる方が根負けし、最後には黙って従うようになるくらいの、野球理論が必用なんだと思います。
仮にもしも、監督に上記のような才能が無いのであれば、監督が神がかるしかないと思います。長嶋監督のように…。(長嶋さんに才能がないと言う訳ではありません!)
今後、高橋監督が成長し、名監督になるかも知れませんが、今年の彼を見ている限り、直ぐには難しいような気がします。
高橋監督は『ファンが何を求めて球場に足を運ぶのか?』という点を、ちゃんと理解してくれてないように思うからです。
私たちファンがチームに求めること
私たちは『野球』を観に、球場へ足を運ぶのです。
見たいと思うから、わざわざ時間を数時間使ってテレビ観戦するのです。
人によってこの『野球』の意味合いは違うと思います。
- 勝つことを求める人
- ホームランを求める人
- プロならではの守備を求める人
- プロならではの走塁を求める人
- スタジアムの雰囲気を求める人
監督と選手は、これら『野球を観に来たファン』を満足させる責任があります。
そして、ファンは満足した時、その気持ちを形で示します。
日本シリーズ第6戦、日本ハムの優勝が決まった後の球場にそれが現れていました。
あの試合の、最後数回だけを観ていたら、広島ファンはきっと荒れたことでしょう。
でも、1年通して、『野球』を楽しませてくれたカープの選手と、それを導いてくれた
(才能は?だけど)緒方監督に満足していたから、大量失点で敗戦し、34年ぶりの日本一を逃した後でも、荒れることがなかったのではないでしょうか?
だから、試合終了後にさっさと席を立って帰ることはせず、
優勝した日ハムの選手と監督に『万雷の拍手』を贈ったのだと私は思うのです。
もちろん、カープの選手への『お疲れさん、ありがとう』の意味もあったと思います。
この、ファンの心理を、高橋監督が理解してくれているのか、私には疑問です。
『野球』を楽しみたい。満足させて欲しい
他チームのファンから恨まれるほど、強く魅力的なジャイアンツを取り戻して欲しい?
そう願いつつ、この2016年野球シーズンで感じた、
『憂う、我がジャインツ』のまとめを終えたいと思います。