lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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『国盗り物語 斉藤道三編』を読んだ!



国盗り物語 斉藤道三編(著:司馬遼太郎)を読んだ!

歴史小説を読みたいと思い、何か面白そうな本はないかとブックオフの歴史小説コーナーを物色していたところ、この本が目に留まりました。
昔からある有名な本なのに、何故か今までタイミングが合わず、一度も読んだ事がありませんでした。

戦国期、しかも信長に関わる話をいまさら・・・とは思いましたが、斉藤道三についての本は、今まで殆ど読んだことが無いと思ったので、読むことにしました。

読み始めてみたら、面白い!

司馬さんの歴史小説の中でも秀逸な作品の一つと言われる所以が判りました。
しかも、道三についての私の知識の浅かったこと・・・。
色々と勉強になりました。

文庫本4冊のうち、第1・2巻(道三編)を読み終えましたので、感想をまとめます。

 

『国盗り物語 斉藤道三編』のあらすじ

大きな夢を抱いて洛中に現れる男・松波庄九郎の成り上がり人生を描いた物語である。
彼の人生の目標は「国の主」、文字通り国獲り(実際には国盗りだが)であった。

妙覚寺本山の僧籍に身を置き、学識高き僧侶として知られていましたが、庄九郎は夢を追い、還俗して京の街へ飛び出したのであった。

庄九郎が目を付けたのは、京で有数の油問屋の身代を乗っ取ることであった。
旦那が不在であった山崎屋の女主人を口説き落とし、望みを達成するのであった。

しかし、庄九郎の望みは日本有数の油問屋になることではなく、あくまでも国主。そのために、彼は苦労して手に入れた油問屋の身分をアッサリと捨てる決意をします。
そして、油問屋を手に入れたときと同じように、徒手空拳で国主に成り上がれそうな国はないか探し始めます。

そんな彼の目に留まったのが、美濃の国でした。

 

東西交通の要衝であり、肥沃な大地に恵まれ、そして京の都に近い。
さらに現国主はさほど優秀ではない。
美濃の国は、庄九郎の野望を達成するには絶好の条件が揃っていたのです。

そこで、庄九郎は油問屋の主人と言う地位を捨てて浪人となり、美濃の国に潜り込むのでした。

己の知恵と剣術を頼りに「国盗り」を始めた庄九郎ですが、なかなか思うようには事が運びません。
そこで、かつて妙覚寺本山において同窓であった僧侶を頼り、美濃の国主である土岐政頼の弟、頼芸に知己を得る事に成功します。
頼芸は、才能溢れ、京の匂いを漂わせる庄九郎を気に入り、臣下に加え寵愛します。
庄九郎は、その寵愛に甘えず、更なる高みに登る為に、政頼に対して様々な策謀を仕掛けるのでした。

そしてついに、兄との相続争いに敗れて以来、郊外で逼塞する身であった頼芸を守護の座に就かせることに成功します。
頼芸の絶対的な信頼を勝ち得た庄九郎は、旧来の美濃の侍達に対して様々な謀略を仕掛け、無能な頼芸の替わりに美濃の実権を握ります。

いったんは服従した美濃の侍達でしたが、庄九郎に心から心服したわけではありませんでした。そのくすぶり続けた不満の火種は、庄九郎が主君である土岐一族を抹殺したことを引き金に暴発します。

この反乱を庄九郎は抑えきれず、出家することで命だけは助けられ、京へ戻ることになるのでした。
苦労して手にした「国盗り」事業が頓挫したと思われたのも束の間庄九郎に最大のチャンスが訪れます。
なんと、隣国・尾張の大名・織田信秀が大軍を率いて美濃へ攻め込んだのです。

無能は君主・頼芸と凡愚な侍達では防ぐことが出来ず、美濃存亡の危機を迎えます。
国の存亡の危機に、庄九郎は美濃に戻り、軍勢を率いて最前線へ赴き、織田軍を撃退するのでした。
さらに、同時期に美濃の国に発生した大水害も見事に鎮めてみせるのでした。
国を守り、国を富ませることに成功した庄九郎を、美濃の領民は慕い、侍たちも悪し様に言う者は居なくなるのでした。
ここにいたり、庄九郎は美濃の守護代・斎藤氏の名跡を継ぐことになります。

法名である道三として知られていた庄九郎は、これ以降「斎藤道三」と言う名で世に知られる事になります。

正真正銘、美濃の実験を握った庄九郎は、彼の考える美濃の国づくりを始めます。
美濃社会の発展を阻害している門閥主義の解体実力主義での登用、寺社等に握られていた物品の専売特権を廃止し自由な商業行為を認めた「楽市楽座」など、次々と新しい概念を世に打ち出し、旧勢力の破壊を試みたのでした。

国内の反対勢力を一掃し、経済を発展させ、そして稲葉山に巨大な城郭を築き、ついに、東西交通の要衝であり、肥沃な大地であった美濃を完全に手中に収めるのでした。

道三の支配は、美濃の国に豊かで平穏な時をもたらしますが、周りを見渡すと戦乱は止まず、時代は大きく変わろうとしていました。それゆえ、美濃の侍達は強力なリーダーを求めるようになります。

時、来たれり。
もはや、下克上に対する非難は受けないと感じた庄九郎は、酒びたりとなり、人望を失っていた主君・頼芸を排除し、名実共に美濃の国主に登りつめ、念願であった「国盗り」を完成させるのでした。

 

『国盗り物語 斉藤道三編』のおススメ度はいくつ?

おススメ度は80点です!

この本に書いてある、道三の足跡すべてが事実ではないのですが、見えていなかった「まむし」こと道三の半生に触れることが出来る良い本でした。

 

国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉 (新潮文庫)

国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉 (新潮文庫)

 
国盗り物語〈2〉斎藤道三〈後編〉 (新潮文庫)

国盗り物語〈2〉斎藤道三〈後編〉 (新潮文庫)

 

●Kindle版はこちらから 

国盗り物語(一)(新潮文庫)

国盗り物語(一)(新潮文庫)

 
国盗り物語(二)(新潮文庫)

国盗り物語(二)(新潮文庫)

 

 

『国盗り物語 斉藤道三編』をおススメする人は?

  • 歴史が好きな人
  • 歴史の中でも戦国時代が好きな人
  • 道三のことを「そういえば良く知らない」と思う人
  • 歴史にそれほど興味がなくても立身出世に興味のある人

特に、歴史にそれほど興味の無い人でも、楽しんで読めると思います。

野心溢れる男が、中世ではどのようして成り上がることが可能だったのか?
成り上がり人生と言えば「秀吉」の方が有名ですが、この「道三」の成り上がり人生もなかなか面白く、興味深いモノです。

松波庄九郎が如何にして油問屋の親分になり、さらに美濃の有力者から国主・斉藤道三に成り上がっていくのか?

楽しめるはずです。

 

『国盗り物語 斉藤道三編』をおススメしない人は?

  • 歴史に興味が沸かない人
  • 長い長編小説が苦手な人

上記以外の方は、1度は読んでみるべきかと思います。
感化される人もいるでしょうし、「ふうん」で終わる人もいるでしょうが・・・。

 

『国盗り物語 斉藤道三編』の感想

先にも述べたように、読書前の期待値を上回る内容でした。
どうして、期待値を上回る内容だったのか、その点をまとめたいと思います。

 

自分の知識の「隙間」を埋めることが出来る本

自分は歴史が好きとは言うものの、自分が好きな分野を中心に本や漫画を読んで知識を深めていったので、それほど興味がない分野や地域は「何となく知っている」程度の知識しかありませんでした。

だから、信長や秀吉については、かなり多くの本を読んでマニアックな事を知ってはいても、道三や道三が狙った頃の美濃の国のことは「表面的」にしか知りませんでした。

例えば、道三が「まむし」と呼ばれたり、「油売り」と呼ばれていたりしたことは知っていました。でも、何故なのか詳しくは知ろうとしていませんでした。

また、「道三」が美濃の国を乗っ取ったことは知っていましたが、「どのような経緯」で乗っ取ったのか知りませんでした。

他も、この時代に「油」が貴重だったことは知っていても、その貴重な「油」の販売権がこれほど重要だとは思いませんでしたし、だから道三は財を成すことが出来て、最終的に国盗りが出来たということを明確に知ることが出来ました。

おススメ度の箇所で書いた様に、この本に書かれていること全てが事実では無いと思いますが、鵜呑みにするのは危険かも知れません。
でも、自分が知っているようで、実はきちんと知らなかったこと、つまり知識の「隙間」を程よく埋めることが出来たことは、本当に良かったなぁ・・・と読後に感じました。

 

なので、歴史好きなら1度は読むべき本だと思いました。

 

後編の「国盗り物語 織田信長編」はこちらから

www.road-to-landsend.net

 

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