このブログは、2015年春に偶然見つかった未破裂脳動脈瘤を、2016年春に『開頭クリッピング手術』を受けて治療した、私自身の体験に基づく闘病記録です。
前回の記事は、手術を終えて無事に退院した日に自宅でやったことをまとめました。
未破裂脳動脈瘤と闘う ~無事に帰宅。そして最初にやったことは?~ - lands_end’s blog
今回の記事は、退院した日の身体の状態についてまとめたいと思います。
退院して良い訳なので、私の身体は基本的には問題が無い状態にはなってはいました。
しかしながら、手術から約10日しか経っていないので、私の身体は色々な面で問題を抱えていたのも事実です。
当時を振り返りながら記事をまとめることにします。
開頭手術をした頭の状態について
8時間以上に及ぶ開頭クリッピング手術を受けてから約10日で退院となりました。
開頭手術なので、当たり前ですが頭皮を切り頭蓋骨を切開し、機械を頭部に入れて動脈瘤にクリップをした訳です。
こうして言葉にすると、なんだかとんでもない事のように思いますが、術後わずか10日程度で退院が出来るというのは、最新医療の技術は凄いなと感心するし、人間の身体の治癒力も凄いなと感心しました。
術後約10日で退院した日の頭部等の痛みと身体の状態を以下の通りです。
開頭手術を受けた頭の痛み
まず初めに、痛みはあります。
ただし、耐え難い痛みではありません。
長時間起きていると、切開した部分を中心にしてズキンズキンと痛くなる状態でした。
ちなみに、夜寝るためには痛み止めの服用が必要でした。
開頭手術を受けた頭の状態
切開した部分・・・耳の裏から前頭部(おでこの上)にかけての傷口が、ムズムズする感じがしていました。
痒い感じでした。
実は、既に数日前から始まっていましたが、頭皮を切開した部分のカサブタが剥がれ始めており、それが痒さを増していたのだと思います。
頭部の傷口に出来たカサブタ
皮膚を切開したのですから当然血は出るわけで、縫合された傷痕にそって血の塊がカサブタとなってびっしりと張り付きます。
このカサブタが日に日に浮き上がってきます。
なぜなら・・・
髪の毛が伸びるから!
毛根の辺りに張り付いたカサブタは、毛が伸びるにつれて皮膚から離れて浮き上がり始めます。(フケのような感じです)
そして新しい皮膚とカサブタの間にシャワーの水が入るとふやけて痒くなるし、まして汗が入ると猛烈に痒くなります。
しかし、怖くてガシガシとかけない!
今にして思うと、抜鉤を過ぎてからは傷口の痛みよりも、この痒みとの戦いのほうが辛かったかも知れません。
退院日にはカサブタは皮膚から5ミリ程度浮いている状態で、毛根付近にびっしりと張り付いていました。
偏頭痛について
身体の疲れと共に偏頭痛が酷くなりました。
ズキズキと脈打つのが判りました。
この偏頭痛は次の眼底痛とセットでした。
眼底痛について
私は視力が悪いのでメガネをしています。
そのため、手術を受ける前も、長時間PCで仕事をした際に激しい眼底痛と偏頭痛に襲われることもありました。
退院日、昼頃には自宅に帰りました。
午後、不在中に届いていた手紙等を読んだり、メールを読んだり、テレビを観たりしてゆっくりと過ごしていたのですが、15時ごろから眼底痛が始まりました。
目の奥に鈍い痛みを感じ始め、瞬く間に偏頭痛に発展しました。
嫁さんに我侭言って肩を揉んでもらいましたが解消されなかったので、痛み止めを飲んで横になりました。
1時間程度寝るとすっかり良くなっていました。
無理は禁物と言うことでしょう。
開頭手術のために切断した顎の筋肉痛について
頭蓋骨を開けるために顎の筋肉を切開したため、術後しばらくは、会話をしたり、物を食べたり、あくびをしたりなど、口を少しでも開くと激痛を伴っていました。
この顎の筋肉の痛みはなかなか改善されませんでした。
痛む理由は、切断された筋肉が炎症を起こしているからなのですが、なぜその炎症が改善されないのか担当の医師に聞くと、以下のような回答がありました。
『話したり、食べたり、少しずつでも筋肉が動いているので炎症が続いているから。
固定してしまえば早く炎症は治まります。
しかし固定したら、今度は口が開かなくなります。
それゆえ、痛みを伴っても口を大きく開ける練習を繰り返して慣れてください。』
退院日、嫁さんがショートケーキを買っておいてくれました。
帰宅して風呂に入り、お茶と共にケーキを食べました。
しかし、これがとても食べにくかったです!
いつもの感覚でケーキをカットし(3センチ程度)、フォークで刺して口に運ぶのですが、口が開かずに上手く口の中に物を入れる事が出来ません!
必死になって大口を開けようとしても、退院日の時点では激痛が酷くて無理でした。
仕方なく、生クリームをペロペロと舐め、スポンジケーキをチビチビと齧りました。
美味しくありません!
ケーキは生クリームとスポンジケーキをセットで食べるから美味しいのだと、身を持って体験しました。
さらに、ショートケーキのイチゴはパクッと食べれる訳がなく、シャクシャクと前歯で齧り取るようにして食べました。
・・・まあ、ケーキの話はどうでもいいですね。
退院日時点での、口の開く大きさは、せいぜい3センチ程度でした。
それ以上開こうとすると痛みが酷いし、仮に無理して手でこじ開けようとしても、開かなかったように思います。
退院日の身体の状態全般について
退院日のチョンボについてまとめた記事(帰宅手段を用意してなかった話)で、少し退院日の身体の状態に触れました通り、筋力や体力がすっかり衰えており、素早く動くことは不可能でした。
特に脚力の筋力の衰えは恐ろしいほどでした。
階段の昇降に苦しむ
私の家は3階建てのいわゆる狭小住宅です。
風呂から上がり2階のリビングへ行くために階段を登る際、かなり息切れしました。
このとき、携帯を忘れてきたので、再び階段を下りました。
すでにこの時点で足はガクガクし始めました。
そして、再度2階へ・・・。
「ハー・・・ハー・・・」
と激しい息切れと共に自宅の階段を登っている自分の姿に愕然としました。
本当に体力と筋力が衰えています。
階段の昇降はかならず手摺が必要だと思います!
万が一、転倒でもしたら一大事です!
食欲について
手術後の記事でも何度か触れましたが、開頭クリッピング手術の場合、手術自体が失敗しなければ食欲が衰えることは無いようです。
担当の医師からは、内臓系の手術ではないから何でも食べれます!と言われました。
なので、気をつけないと恐ろしいほどに肥えていきます・・・。
退院の時点では、食欲に関しては手術前と同じ状態に戻っていました。
問題は、先程ふれた顎の筋肉の痛みです。
固い物は噛み砕くと痛むし、肉など噛み切る物も、痛みが酷くなるので数多くは食べれませんでした。
また、大きな口が開かず少しずつ何度も口に運んでゆっくり咀嚼するため、食事を終えるとぐったりと疲れていました。
それでも、何でも食べようと思えば食べれるということは、本当に幸せなことなので、良かったと思います。
痛み止めの服用について
退院日は2回服用しました。
先に触れたように、帰宅して数時間経ったころ、眼底通と偏頭痛が酷くなったので痛み止めを服用して仮眠しました。
目覚めるとすっかり快適になっていました。
その後、夕飯を食べて8時ごろには就寝しました。
最初は問題なかったのですが、徐々にズキズキとした痛みが襲ってきて、10時ごろになると痛みが酷くなったため、もう一度痛み止めを服用しました。
すぐに効果が現れて、ぶじに眠りに落ちました。
まとめ
退院日の痛みや身体の状態をまとめました。
手術後に比べればはるかにマシになっています。
ですが、やっぱり開頭手術をして約10日間の入院は身体を弱らせています。
特に足腰の筋肉が衰えているので、無理は禁物だと思います。
転倒などしないように、十分に気をつける必要があると思います。
執刀医も、基本的には何をしても良いですが、以下の3点だけは避けて下さい!と言われました。
- 転倒して頭を打たないようにしてください。
- 飲酒しても構いませんが、程々にしてください。
- しならくは喫煙しないでください。
転倒の事を盛んに言われたので、40代の私には関係ないだろうと思っていましたが、年齢は関係ないようです。ヒヤッとしたことが何度かありました。
飲酒についてですが、私は怖がりなので退院日は避けました。
喫煙は、すでに止めていたので関係ありませんでした。
とにかく、無事に家に帰ってくることが出来て本当にホッとしたことを覚えています。
次回は『未破裂脳動脈瘤と闘う ~退院3日目、初めての外出で感じたこと~』です。
↓応援ありがとうございます。
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