lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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『パラレルワールド・ラブストーリー』を読んだ!



パラレルワールド・ラブストーリー(著:東野圭吾)を読んだ!

重松さんの『世紀末の隣人』、そして湊さんの『山女日記』と、短編モノを立て続けて読んだので、次は長編モノにしようと思って手にしたのがこの一冊でした。

「パラレルワールド・ラブストーリー」ってことは、別世界が存在して恋愛を繰り広げる話なのだろうか?と内容にワクワクしながら・・・。

読み終えましたので、読後の感想をまとめます。

 

2分で読める『パラレルワールド・ラブストーリー』のあらすじ

通学で乗車する列車に併走する隣の列車に、1人の気になる女性を見つけた崇史は、卒業前に思い切って彼女の居るはずの列車に乗り込みます。
しかし彼女は、いつも崇史が乗っているはずの列車内にいたのでした。崇史は慌てて列車を乗り換えるのですが、彼女を見つけることは出来ませんでした。

卒業から1年後、親友の智彦から「彼女を紹介したい」と切り出されます。昔からの親友にようやく出来た彼女を祝福すべく店で待っていた崇史の前に現れたのは、「あの列車内の彼女」でした。

親友の幸せを祝う気持ちと、会いたかった彼女・麻由子への想い、崇史は相反する願いに葛藤し悩みを深めて行くのでした。

そんなある日、目を覚ました崇史は、麻由子を妻として暮らす世界にいました。
順調に進む仕事、愛する妻、幸せな暮らしのはずでしたが・・・
崇史の心には何かが引っ掛かります。
「智彦はどこに行ったのだ?」
この疑問を心に抱いたことから、麻由子を妻として暮らす生活に亀裂が入り始めます。

  • 親友である智彦が居ない理由
  • 麻由子が妻となっている理由

自分探しの旅を始めた崇史が辿り着く結末は・・・

本書を読んでお確かめください。

 

10分はかかる『パラレルワールド・ラブストーリー』のあらすじ

主人公の敦賀崇史は、大学院へ通うためにいつも山手線に乗っていました。

変哲の無い通学風景に変化が生じたのは、毎週火曜日にある女性を見かけるようになってからでした。彼女は、山手線と併走する京浜東北線の車内で、まるで崇史を見つめるように立っていたのでした。
大学卒業を間近に控えた最後の火曜、崇史は意を決して山手線ではなく京浜東北線に乗車します。いつも彼女が立っているはずの車両まで行き、彼女の姿を探し、ようやく見つけます。ただし、彼女が居たのは、いつも崇史が乗車していた山手線の車内でした!
慌てて次の駅で乗り換え、彼女を探しますがついに見つけることは出来ませんでした。

崇史には1人、大切な親友・三輪智彦がいました。彼は足に障害をもっていましたが崇史にとってはとるに足らぬことでした。学生時代を共に過ごし、さらに「脳を研究する」同じ職場で働くようになっていました。

ある日、智彦が崇史に「彼女を紹介したい」と言ってきます。
智彦の彼女に気を使わせないように、崇史は女友達・夏江を連れて行きます。
やがて、智彦が連れて来た彼女は「あの火曜の列車内の女性」でした。
あまりの偶然に唖然とする崇史でしたが、その場は無難に乗り切るのでした。

その後、崇史と智彦、そして智彦の彼女・津野麻由子の3人で会ううちに、崇史の心の葛藤は深く淀んでいくのでした。

親友の幸せを祝う気持ち

会いたかった女性との再会

・・・崇史は、麻由子に恋心を抱いていたのです。

ある朝、崇史が目覚めると、麻由子が妻となっている世界でした。
愛すべき妻との幸せな生活・・・のはずでしたが、『何か』が崇史の心に引っ掛かり続けるのでした。

1つ目の『何か』は、崇史が見た夢でした。
それは「智彦が恋人として麻由子を紹介する夢」でした。
バカバカしい・・・と思いつつ、違和感が残り続けます。

もう1つの『何か』は親友の不在を疑問に思い至ってからです。
『智彦は何処に行ったのだ?』

 

※本書ではこのあと、2つの世界が交互に描かれます。

  • 親友の幸せと麻由子への思いに悩む崇史が暮らす世界
    (勝手に、恋わずらいの崇史編と名づけます)
  • 麻由子を妻として幸せに暮らす崇史が『何か』を探す世界
    (こちらは、自分探しの崇史編と名づけます)

(恋わずらいの崇史編)
麻由子が、自分達と同じ職場に入って来たことで、崇史の葛藤は更に深まっていきます。初めは、親友の大切な彼女にやましい気持ちを抱いて友情を失うことを恐れていたはずの崇史でしたが、少しずつ、少しずつ、彼女を思う気持ちが勝るようになっていきます。
その気持ちに気付き、敢えて2人との距離をとって邪険に振舞ってみたりするのですが、自分の心を誤魔化す事は出来ませんでした。

ついにある夜、彼女の家を訪ねて麻由子へ思いを口にし、抱いてしまうのでした。

 

(自分探しの崇史編)
親友の智彦が、自分に何も言わずに姿を消したことに疑問をもった崇史は、智彦を探し始めます。会社の上司は、智彦はアメリカへ赴任したと言うのですが、直接会って話すことが出来ません。
後日、智彦から手紙が届きますが、その内容に疑問を感じます。
「智彦ならこんな内容は書かない」
崇史は不信感を強めていくのでした。

智彦に何かあったのではないかと思った崇史は、2人の故郷へ向かい智彦の両親に会います。智彦の両親からも「息子はアメリカで・・・」と言われるのですが、違和感を拭うことは出来ませんでした。

更に、智彦の部下が失踪するように姿を消していることを知り、得たいの知れぬ恐怖を覚えるようになるのでした。

  • 自分自身が何物なのか?
  • 麻由子と暮らすこの世界は現実なのか?

悩みを深める崇史は、街中で偶然夏江に出会います。
この時の彼女との会話が切っ掛けとなり、事の真相究明に突き進み始めるのでした。
「・・三輪くんって言ったっけ。あの人の恋人を紹介してもらうとき以来・・・」

  • 智彦の恋人を紹介してもらう???
  • あの夢は現実なのか???

何かが崇史の中で動き出します。


(恋わずらいの崇史編)
思いを遂げた崇史ですが、麻由子との関係は膠着状態になってしまいます。
そんな折に、崇史と智彦に会社から辞令を打診されます。
「アメリカへ行って更なる研究をしないか?」と。
アメリカへ行けば、麻由子との関係が疎遠になってしまうと考えた崇史は、智彦には内緒で会社からの打診を断ります。
その結果、アメリカ行きの話は麻由子へ振られることになるのですが、麻由子もその話を断るのでした。
1人、アメリカへ渡る決断をした智彦は、渡米前に崇史を研究室へ呼び出すのでした。

  • 研究室へ呼び出した崇史と智彦の間で何が話されたのか?
  • そして、彼らの間に何が起きたのか?

結末は本書を読んでお確かめください

 

『パラレルワールド・ラブストーリー』のおススメ度はいくつ?

おススメ度は65点です。

  

初めての読後の感想は。正直「微妙」でした。
東野さん、すいません。
物語として破綻はしていませんが、ちょっと、自分の好みとは合わなかった印象です。
そのため、65点となってしまいました。

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

 

 

『パラレルワールド・ラブストーリー』をおススメする人

自分的には「微妙」だったので、どんな人に勧めれば良いのか悩みます。
とりあえず・・・

  • 東野作品が好きな人
  • ミステリーが破綻しない本を読みたい人
  • 謎解きの世界が好きな人

こんな感じでしょうか?

 

『パラレルワールド・ラブストーリー』をおススメしない人

おススメしない人のポイントも悩みます。

  • 傲慢に変化していく人の話を読みたくない人
  • 三角関係の話は嫌いな人

ですかね・・・。

 

『パラレルワールド・ラブストーリー』の感想

読み終えたあと、いつもなら「おススメする人、しない人」がある程度すんなりとリストアップ出来るのです。しかし今回は上手くリストアップ出来ません。

これは、自分自身でこの小説をきちんと消化出来ていないことが原因かも知れません。
もしかすると、もう一度読んだら理解が深まるのかも知れませんが・・・
正直に申しまして、もう一度読むなら他の本を読むかも・・・と思います。

 

気分の悪い読後感

読み終えて心の第一声は「むなくそ悪い男だ」でした。

 

ちょっとネタバレになるのでご注意ください。

崇史は障害を持つ智彦のことを分け隔てなく接し、親友として過ごしてきた!としていならが、女がらみになると途端に裏切ります。
まあ、裏切ってもいいよ、恋は盲目って言うくらいだからさ。
でもね、麻由子が自分を選ぶはずだ!と思う根拠が胸糞悪かった。

彼女は智彦ではなく、五体満足の自分を選ぶだろう・・・的な表現は、私的には受け入れがたい論理でした。

 

3パターンで作ればよかったのに!

上記の胸糞悪さ以外に読み終えて感じたのは、「崇史以外の書き込みが弱い!」という点でした。
智彦については、表向きは書かれているように見えますが、肝心な「彼の心の葛藤や叫び」は殆ど無かったと思います。
まして麻由子に至っては無いに等しかったと思います。

もしもこの小説が次のような構成だったら面白かったように愚考します。

  • パラレルワールド・ラブストーリー 右岸
  • パラレルワールド・ラブストーリー 左岸
  • パラレルワールド・ラブストーリー 中洲

江國香織の『左岸』、辻 仁成の『右岸』みたいな感じに・・・。

崇史、智彦、麻由子の3人の心の揺れ動きや葛藤、または声にならない叫びを、3人それぞれ視点で書かれていたら、もっと面白かったように思うのですが・・・。

どうですかね?

 

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