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未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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漫画『チェーザレ 破壊の創造者 第11巻』を読んだ!



チェーザレ 破壊の創造者11巻(作:惣領冬実)を読んだ!

歴史好きの方には是非読んで頂きたいおススメの歴史漫画です。
特に西洋史が好きな人は間違いなくはまるはずです!
作者の惣領さんは、歴史を丹念に調べるだけでなく、描く建物や風景も可能な限り時間を掛けて時代考証を重ね、それから膨大な時間を掛けて描いています。
なので、この漫画はもはや漫画の域を超えています。
中世イタリア史を知る上で重要な書籍となっています。

今回紹介します第11巻は、
中世イタリアの安定を担ってきたミラノ―フィレンツェ―ナポリの3国同盟に激震が走る様子が描かれています。

 第1~10巻までの紹介は以下の記事を参考にしてください。

漫画『チェーザレ 破壊の創造者 第1・2巻』を読んだ! - lands_end’s blog
漫画『チェーザレ 破壊の創造者 第3巻と第4巻』を読んだ! - lands_end’s blog
漫画『チェーザレ 破壊の創造者 第5巻と第6巻』を読んだ! - lands_end’s blog

漫画『チェーザレ 破壊の創造者 第7巻と第8巻』を読んだ! - lands_end’s blog
漫画『チェーザレ 破壊の創造者 第9巻』を読んだ! - lands_end’s blog
漫画『チェーザレ 破壊の創造者 第10巻』を読んだ! - lands_end’s blog

 

『チェーザレ 破壊の創造者 第11巻』のあらすじ

アンジェロが仕えるフィレンツェのジョバンニ枢機卿は、教皇へ謁見するためローマへ向かいます。
ローマ着後、メディチ家の盟友であるボルジア邸に招かれます。そこで、チェーザレの父ロドリーゴから、ローマでは自分を父と思い何でも相談しなさいと迎えられます。
同行していたアンジェロは、チェーザレ達スペイン団に教わったスペイン語を駆使して挨拶し才気を見せ、さらにチェーザレの危機を救った人間であると知られ、ロドリーゴと誼を結ぶことに成功します。

ピサに居るチェーザレ達は、
ローマでボルジアのロドリーゴが教皇となって力を持ち、
フィレンツェでメディチのロレンツォが仕切ることで、
このイタリアに新しい秩序が生み出せると期待していました。

しかし、その新しい世界を担うことを期待されているメディチ家のロレンツォですが、体調がすぐれず、既に政治の第一線から退いて別荘で静養していました。
多くの人が、ロレンツォには三国同盟の要として今しばらく生き永らえて欲しいと願っていたのですが、その思いは届かず、あっさりとこの世を去ってしまうのでした。

彼の死は、多くの人々に動揺をもたらしました。

  • ジョバンニ・・・父の死に動揺してフィレンツェへ戻ると泣き喚き、ロドリーゴに諌められます。
  • ロマーニャのフォルリ家・・・メディチ家と共に中部イタリアのトスカーナとロマーニャの安定を担ってきたが、今後の行く末を悩み始めます。
  • ミラノのスフォルァ家・・・三国同盟の一端を担ってきましたが、この先の三国同盟のあり方を案じ始めます。
  • ナポリ王家・・・王自身が既にぼけ始めていることに加え、イタリアの安定を担ってきたメディチの凋落を危惧し、ミラノとの同盟の再考を始めます。

メディチ家の方針を確認するため、ボルジア家を代表して弔問でフィレンツェを訪れたチェーザレは、メディチの次期当主・ピエロと会食をもちます。
その席でピエロは、チェーザレに対して『ミラノと同盟を結ばない方針』であることを告げます。
チェーザレからの手紙で『それ』を知ったロドリーゴは、
それまで描いてきたフィレンツェと共にイタリアの頂点を極める策を断念します。

父の死から立ち直ったジョバンニは、無事にフィレンツェ教皇特使となってフィレンツェへ戻ることが決まります。
一緒にフィレンツェに戻ったアンジェロは、市民の間に広がる不穏な雰囲気(フィレンツェの未来への不安、メディチ家への不信)を感じ取ります。

そんな彼の元を、スペイン団のミゲルが訪れ、チェーザレからピエロの施政にフィレンツェ市民がどう反応するか見届けるように言われたと告げるのでした。

チェーザレ自身は、ボルジア家の野望のために新たな協力者探しを始めていました。
そして、代々ヴェネツィア軍の総司令官を努めるゴンザーガ家の次男ジョバンニに狙いを定め、縁を持つためにシエナでの宴に乗り込むのでした。

 

『チェーザレ 破壊の創造者 第11巻』のおススメ度はいくつ?

おススメ度は75点です。

チェーザレ 破壊の創造者(11) (KCデラックス モーニング)

チェーザレ 破壊の創造者(11) (KCデラックス モーニング)

 

 

チェーザレ(ボルジア家)にとって大きな転換点となる事件が起きる巻であり、
この物語において非常に重要な巻です。
ただ、ワクワク感は少ないので、ちょっと低めの点数です。

 

『チェーザレ 破壊の創造者 第11巻』をおススメする人

  • 歴史が好きな人
  • 西洋史が好きな人

第11巻は、かなり歴史色が強くなっています。
ローマでの教皇と枢機卿の関係や、サンタンジェロ城の鍵の管理のこと。
メディチの没落が意図することを察したり、ヴェネツィアがこの先のイタリアの鍵を握ると察したり。
中世ヨーロッパの歴史がベースにあれば、かなり楽しめます。

 

『チェーザレ 破壊の創造者 第11巻』をおススメしない人

  • 歴史が苦手な人

チェーザレ破壊の創造者への初めの1冊を11巻にはしない方が良いと思います。

この巻は歴史色がかなり強いので、たとえ歴史が好きでも、中世ヨーロッパの歴史がベースにないと、イマイチ話が飲み込めないかも知れません。

 

『チェーザレ 破壊の創造者 第11巻』の3つのお気に入り

11巻で私が気に入ったシーンを3つ取り上げます。

 

メディチ家のロレンツォを看取る

  • ボルジア家とメディチ家、そしてイタリアの未来のためにもロレンツォがあと数年生きながらえてくれる事を願うチェーザレ
  • 瀕死の中、最後までメディチの行く末を心配していて、来客に接してメディチの行く末を頼み、若さを出す長男・ピエロを諭すロレンツォ

多くの人々の願いは届かず、眠るように巨星は堕ちます。

ロレンツォ臨終の際の、フィレンツェの街の描写は秀逸です。

  • モノクロで(漫画だからモノクロだけど)描かれた街
  • 夜空に流れる星が一閃・・・。

 

弔問に訪れたチェーザレの独白

ロレンツォの弔問に訪れたチェーザレは、会食の際に、次期当主・ピエロから決定的な一言を言われます。
『ミラノとの同盟は結ばない・・・』
それを聞いたチェーザレの台詞が・・・重いです。

「街の景色が違って見える」
「以前訪れた時とはまるで違う街だ・・・」

フィレンツェ・メディチとボルジア、その他多くのイタリア半島に住む人々の、
未来を暗示しているようです。

 

父・ロドリーゴご乱心

教皇の容態が思わしくないため、教皇の御前にて、居並ぶ枢機卿たちが万一の時の為のサンタンジェロ城の鍵の管理を、ボルジア家のロドリーゴに任せようとします。
(このような、「何故にサンタンジェロ城が重要なのか?」の説明が少ない点が、この巻では多少は予備知識がないと苦しい理由です。)

それに対し、ローヴェレ枢機卿が異を唱え、さらに唱えただけでなく、ロドリーゴに対して暴言を吐きます。
「このスペインのマラーノ(豚)野郎」
これに対し、冷静を保っていたロドリーゴがついにキレます。

あろうことか、教皇の御前でローヴェレ枢機卿と殴り合いを始めます。
チェーザレの父ちゃんご乱心の1シーンです。
江戸時代なら、お手打ちになって下手すれば忠臣蔵状態になるところです・・・。

そして、この巻で唯一のアクションシーンかも知れません。

 

『チェーザレ 破壊の創造者』の現状

2017年4月現在、『チェーザレ 破壊の創造者』は11巻まで発表されています。
11巻は2015年1月に刊行されているので、既に2年以上間が開いています。

1日も早く、続きが読みたいとも思うし、
慌てて描いて、今のクオリティを落とされるのは避けて欲しいとも思います。

でも、早く読みたいです。
惣領さん、大変でしょうが、頑張ってください~。

 

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