- 2016年天皇杯準々決勝 サンフレッチェ広島戦
- 前半、鹿島のDF陣が重い
- 後半、鹿島に依然として変化なし
- 準々決勝、サンフレッチェ広島戦の総括
- 準決勝 横浜Fマリノス戦
- 前半、準々決勝に引き続き、動きが重い鹿島DF陣
- 後半、鹿島の調子は上がらない。でも、負ける雰囲気も無い。
- 準決勝、横浜マリノス戦の総括
2016年天皇杯準々決勝 サンフレッチェ広島戦
結果 鹿島 1 ― 0 広島
2016年12月24日準々決勝は、鹿島スタジアムで行われました。
1週間前のクラブワールドカップの決勝でレアルマドリードと激闘を繰り広げた痛手は、確実に選手の身体を蝕んでいました。
金崎と柴崎、そしてSBの西が体調不良でベンチ外となり、不安を抱えて試合開始となりました。
また、マスコミによって世界2位、世界2位と連呼されることで、かなりのプレッシャーが掛かっていたことは否めません。
前半、鹿島のDF陣が重い
激闘は鹿島の選手の体力は確実に蝕んでいました。
気力は充実しているのですが、足が動いていません。
特に、昌子の動きにキレが感じられませんでした。
広島、鹿島ともにミスが多く、動きにキレも無く、低調な前半でした。
鹿島は、疲れからくるコンディション不良。
広島は、約40日ぶりの試合でコンディション不良。
後半、鹿島に依然として変化なし
後半が始まっても、鹿島のペースが上がる気配が感じられませんでした。
映像に移った小笠原の顔にも、上手くいかないチーム状況への苦悶が見て取れました。
ただ、広島のペースも上がらなかったのが幸いでした。
一瞬の隙を付いて赤崎の先制弾!
鹿島のメンバーの中で、それほど疲れを感じさせなかった選手の一人が赤崎でした。
前半から積極的に前へ前へとチームを引っ張ろうとしていたのですが、他の選手と上手く連動出来ない感じでした。
後半12分、一瞬の隙を突い赤崎の先制弾!
小笠原の浮き球を土居が広島のDF2人を引き連れて競った裏に、ポッカリとエアポケットの様に開いた空間へ赤崎が走りこみました。
ゴール右ポスト際、角度の無いところから迷わずに右足を振りぬくと、抑えられたシュートはゴール左隅へ吸い込まれていきました。
見事なゴールでした。
CWCで得た経験が活きたように感じました。
シュートを打たなければ点は入らない!
だから、貪欲にシュートを打つ!
積極的な彼の姿勢が生んだゴールだと思います。
曽ケ端、今日も鹿島のゴールに立ちはだかる
後半17分 前半から調子が上がらなかった昌子が、ペナルティエリア内でまさかのファウルを犯します。
CWCで最もレベルが上がった選手の一人を思っていたのですが、
この日の昌子は集中力が欠けているのか、プレーの質が悪すぎました。
それでも、鹿島のゴールには37歳にして元気な番人・曽ケ端がいました。
テレビで見ていて、根拠は特にありませんが『止めるな、これは』と感じました。
広島のアンデルソンロペスの動きがぎこちないと言うか、明らかに曽ケ端の存在感が、その場を圧倒しているように感じました。
寿人、広島でのラストファイト
広島で12年プレーしてきた、佐藤寿人の広島での最終戦でした。
後半34分から出場し、同点ゴールを目指しピッチを走り回っていましたが、決定的なチャンスを作ることも、生み出すこともなく、試合終了を迎えました。
2012年にJ1得点王となった頃、
本当に彼のスピードとゴール前での得点の嗅覚には手こずりました。
嫌な選手でした。
J1で157点を挙げた選手の、最後の送り出し試合として相応しいのかは・・・。
まあ、サンフレッチェのサポータでない私が下手なことを言うべきではないですね。
でも、とても、寂しい感じがしました。
Jリーグの審判団
試合中に石井監督が激昂していて、かなりビックリしました。
金崎がキレた時でも冷静さは保っていた人が、退場寸前の怒り方で・・・。
後半40分、鈴木がゴール前で倒されたシーンに対して怒ったというよりは、明らかに審判団がゲームを面白くさせようとしている点に怒ったのかと思いました。
PKを取る、取らない、ファウルを取る、取らない、審判それぞれに基準があるのは仕方ないかと思います。
ただ、大切なのは、両チームへの判定の基準にブレがないことです。
一方のチームの選手やベンチ、サポーターが不満を感じるような判定方法をするのは、技術として未熟なのだと思います。
多分、日本の審判団にもそのあたりの経験値が不足しているのかな?
とCWCを観ていて感じました。
微妙な判定や誤審はサッカーにはこの先も存在するでしょうから、これ以上、私がここで述べることでも無いと思うので、この辺で止めておきます。
石井監督 判定に苦言「レベルアップしないといけない」 (スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース
準々決勝、サンフレッチェ広島戦の総括
準々決勝は、広島の低調さに救われた感がありました。
正直、CSやCWCの経験で勝ったとは言えないと思います。
広島のサポーターには申し訳ないけど、勝たせてもらった感が強いです。
昌子の不調の原因は、試合後にネットを観ていて知りました。
『歯茎が飛んだって???』
その状態で、よく試合に出ていると感心しました。
でも、出るからには、しっかりやって欲しい。
それが、鹿島の『3』を背負うということだから!
準決勝 横浜Fマリノス戦
結果 鹿島 2 ― 0 横浜
個人的には、この試合が一番精神的に厳しいと思ってました。
広島戦は、CWCで注目された直後に負けられないと気合が入るだろう。
決勝まで行けば、今までの経験を活かして勝ち取れるだろう。
でも、準決勝が体力とモチベーションの両面で苦戦するのではないか?
と考えてました。
その通りだったかどうかは判りませんが、選手の体調不良が続いてました。
柴崎は戻り先発しましたが、西はベンチスタート。
そして、遠藤もベンチスタートとなり、金崎は相変わらずメンバー外でした。
前半、準々決勝に引き続き、動きが重い鹿島DF陣
とにかく、動きが重かった。
気持ちが出ている分、相手につけ込まれていないけど、レアル戦とは比較にならない反応の遅さでした。
マリノスも最後の精度が低い
前半はとにかくプレスが上手く機能せず、鹿島陣内で言いようにやられました。
ただ、最後の精度の部分で押さえ込んでました。
シュートを打つ時には気迫を出して詰めることで、相手のシュートを自由に打たせていませんでした。
それでも、こう言ってはなんですが、マリノスの選手に一人でもレアルクラスの選手がいたら、ボコボコにされていたと思います。
※別にマリノスに含むところは何もありませんので!
省エネでのカウンターが先制点を生み出す!
数少ないチャンスを、省エネのカウンターでモノにしました。
前半41分、カウンターを仕掛け、右サイドを駆け上がった柴崎が中へセンタリングを上げました。
フリーになっていた土居は、中へ折り返すのではなく、シュートを選択。
これがGKの意表を付いたのか、得点となりました。
準々決勝の赤崎といい、今回の土居といい、シュートの意識が高くなっているように思います。
この辺は、CWCの効果なのかも知れないと思いました。
後半、鹿島の調子は上がらない。でも、負ける雰囲気も無い。
後半が始まっても、鹿島のエンジンは掛かりません。
でも、正直って、点を取られそうな雰囲気もありませんでした。
中村俊輔登場!ピッチの空気が変わった
後半18分、中村俊輔が投入されました。
直後のCK、いきなり精度の高さを見せ付けます。
本当に、中村のキックは早くて精度が高いと思います。
柴崎のキックも、もう少しスピードが加わればと思うのですが・・・。
とにかく、俊輔の登場で、明らかに雰囲気が変わりました。
イヤな感じがしてきました。
オフサイドに助けられる!
後半25分、斉藤学のドリブルを追いかける形で、西の代役で出ていた伊藤がファウルをしてしまいます。(確か伊藤でした)。
必要の無い場所でファウルするあたり、まだ経験不足なのかも知れません。
でも、勝ち上がっていくことで、経験は積めますから!
後半26分、俊輔の絶妙なFKがゴール前に流れ、金井に頭で合わせられゴールを取られました。
しかし、判定の末にオフサイド!
これは審判団のファインプレーでした。
この試合の審判団は6人!
主審とサイドの2人、予備の1人はいつも通り、それ以外にそれぞれのゴール前に1人ずつ配置されてました。
このゴール前の審判が今回は肝でした。
シュートを打った選手がオフサイドの位置にいたので、まずはオフサイドを宣告し、ゴールまでFKに合わせた選手が鹿島か横浜か見極めたのが主審でした。
連携での判定の結果、オフサイドになりました。
リプレイでも正直微妙でしたが、
判定に横浜の選手がそれほどクレームをつけて無いところを見ると、
正しい判定だったのだと思います。
鈴木、トドメを刺す
すっかり、後半途中から出てきた美味しい場面をかっさらう役が板についてきた鈴木が、この試合もやってくれました。
後半28分 柴崎の絶妙なグラウンダーでのセンタリングを、DFと競り合いながら鈴木が押し込みました。
リプレイで観ても結構難しいバウンドでしたが、上手く合わせたと思います。
ただし、GKのレベルが上がったら、絶対に止められたと思うので、更なるレベルアップは必要だと思います。
準決勝、横浜マリノス戦の総括
試合前の自分が感じていた不安感は、鹿島の低調さを見て倍増しましたが、それを上回る横浜の低調さに助けられた感がありました。
広島戦でもそうでしたが、横浜戦でも省エネの攻撃と防御で勝ち上がった点を、
この1ヵ月半の激闘で得た鹿島の経験値と考えてよいのか、
それとも、運が良かっただけなのか、この2試合だけではまだ判りません。
柴崎が2アシストを記録したが・・・
アシストとのシーンは見事でした。
ですが、それ以外の部分、特に守備の部分で不満が残ります。
私たちは知っています。
- 柴崎が精度の高いパスを出せることを
- シュート技術が高いことを
- 勝利への意識が非常に高いことを
彼の問題はフィジカルの部分です。
- 泥臭いプレイが出来るのか
- 守備で軽いプレーをしないか
その点が改善されない限り、海外から良いオファーは来ないのではないか?
彼は日本代表を引っ張る逸材になれる素材なので、心配です。