lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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流星ワゴンを読んだ!



流星ワゴン(著:重松清/講談社文庫)を読んだ!

前置きは飛ばす。(後で色々書くから)。

(粗筋)
36才の主人公は、日々の生活に糧を得るために、末期癌で故郷の病院に入院している父親を度々見舞う。狙いは、必ず渡される「お車代」だ。
リストラに遭い、妻は不倫に走り、息子は学校でイジメに遭って引き篭もりになり、家庭内暴力をふるう。全てにおいて後ろ向きになり、コンビニのレジ係の態度すら気に触る。
ため息と共に出るのは、、、
「もう死んじゃってもいいかなぁ」
そんな主人公の目の前に現れる一台のワゴン。
このワゴンに乗った時から、彼の人生の見つめ直し(やり直しではない)が始まる。
ワゴンに乗っているのは一組の親子だ。以前、主人公がトイレの中で車の事故で無くなった記事で読んだ親子だ。
この親子と共に、不思議な旅に出る。
なぜ、こんな事になったのか、見つめ直す旅に。
旅の中に出てくる「チュウさん」は、この物語の重要なキーだ。
主人公と同い年の頃の父親が「チュウさん」だ。
決して、子供が見る事が出来ない、今の自分と同年代の親。(当たり前だけど、でも意外と盲点だよねぇ)。
兄弟のような親子で、互いに、互いの人生を見つめ直す。
旅の先に待っているものは、クリアになった未来なのか、それとも、何も変わらない今までの日常なのか。。。

 

(感想・・・今回は自分の想いが中心かも
この本は2度目になる。
正直、読むか読むまいか、少し悩んでから、手にとってみた。
なぜなら、、、

この本の感想はネット上に無数にある。
多くが、「泣けた」「共感した」「前向きになった」「父親に会いたくなった」等々。。。
でも、私は皆の感想と違ったのだ。

最初に読んだのは、5年以上前になる。
4年近く、一緒に暮らした人が出て行き、独りでの生活を始めた頃だった。
そのヒトが、要らない荷物として置いていった中にあった。
読んで、、、最初に沸いたのは「怒り」だった。ワザと置いていったと思った。
次に沸いたのは「悔しさ」だった。例え、過去の自分を見つめなおしても、どんなに現実を直視しても、全てが終わった状態では、もうどこにも進めないから。

あれから5年経って、
祖母を亡くし、妹が結婚・出産を経験し、血の繋がった甥っ子が生まれ、、、
少しずつ、でも確実に、身の回りの環境が変わって、、、
だから僕の心の中にも、当然変化が生まれていた。

残念ながら(自分で言うのも変だが)結婚もしてないし、子供もいない。
よって、著者が書いている、、、
「子供が出来ると、人生が2重になる。」
という件はまだ判らない。
でも、この本を読み、素直に親を思い、別れたあのヒトへの感謝を、感じる事が出来た自分に、正直「ホッ」とした。そして、嬉しかった。
数年後、この本を三度読んだ時に、僕はどんな感想を抱くだろうか?
それが、とても楽しみになった。

この本を読んで、とても難しい事を投げかけるな、この著者は!
と唸ったのか次の部分だ。

『【なにも知らない】のと【すべてを知っていて、なにもできない】のは、どちらが不幸せなんだろう』(本文より引用)

あなたなら、どっちを選びますか?

・・・どちらが幸せか?でなく、どちらが不幸せか?
と聞いてくるんだもんなぁ。。。

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