2018年11月10日(日本時間11日未明)。
この日を鹿島サポーターは忘れないだろう。
鹿島と言うチームはこれからもタイトルを獲り続けていくし、その積み上げていくタイトルの1つに過ぎないのかも知れない。
しかし、20冠目となったこの「アジア王者のタイトル」は、この十数年に渡り、選手、スタッフ、サポーター、全ての人々が願い続けてきた国際タイトルである。
だから、初めて辿り着いた瞬間の喜びは、きっと忘れないと思う。
2018年AFCチャンピオンズリーグ決勝第2戦、鹿島がアジア王者となったVSペルセポリス戦を振り返ります。
ACL決勝第2戦・鹿島VS ペルセポリス戦の試合結果とスターティング&交代メンバー
鹿島 0-0 ペルセポリス
2戦合計2-0で鹿島の優勝!
スターティングと交代メンバー
GK 1 クォン スンテ
DF 3 昌子 源
16 山本 脩斗
22 西 大伍
35 チョン スンヒョン
MF 4 レオ シルバ
8 土居 聖真 →後半23分 32安西 幸輝
18 セルジーニョ
20 三竿 健斗
FW9 鈴木 優磨 →後半33分 6永木 亮太
30 安部 裕葵 →後半48分14金森 健志
ポジションの登録上は上記のような布陣だが、実際の布陣の2トップは鈴木とセルジーニョで、安部は左SHを主戦場としていたように思います。
直前の火曜に行われたリーグ・柏戦では、主力を全員休ませて挑んだ甲斐あり、主力メンバーの動きに疲れは感じられませんでした。
鹿島VSペルセポリス第2戦の内容
濃密な90分で、とても抜粋してまとめることは出来ません。
書き始めたらキリがないでしょうし・・・。
なので、ポイントをいくつかピックアップします。
試合開始前:とんでもない観客数と騒音でしかないブブゼラ。テレビの前に座っているだけで頭痛がしてきて、募る緊張で胃が痛くなる。
試合開始:音量が数段上がるブブゼラ、ピッチ脇で吹き上がる噴煙(演出)、テレビでていても、地獄に放り込まれたような気分になる。
試合開始直後:鹿島の選手の表情、動きに何ら問題は無い。気負いもない、緩さもない、固さもない、・・・何となくだけど、優勝するような気がした。
前半序盤:鹿島が先に攻める姿勢を見せた!完璧な試合の入り方だった。
前半中盤:ペルセポリスが攻勢を強めるが、単調な攻めで怖さはそれほどない。
前半39分、レサンがドリブルで持ち込みシュートを放つもスンテが止める。
最後に身体を寄せたスンヒョンの寄せ方が拙かったのか、「あの」西がかなり熱くなってスンヒョンに身振り手振りで要求していたのが印象的だった。
前半42分、ヌーロラヒが強烈なミドルを放ち、スンテのブロックが相手の前に転がるも、運よく相手の足元から僅かにずれており、DFのブロックが間に合った。
※前半の危ないシーンはこの2つだけでした。
前半終了、狙い通り0-0で前半を終えたことで期待が高まった。
後半序盤:鹿島が再び先手を取って攻める姿勢を見せた。
この最初の10分間で、今日の試合はいける!という雰囲気が漂いだした。
後半19分、三竿のクリアが短くなりアリプールの元へ。瞬時に昌子とスンヒョン、そして三竿が正面のコースを防いだので、シュートはゴール右に僅かにそれる。
肝心の場面でのクリアミス・・・三竿はまだまだ精進が必要!
後半中盤:ペルセポリスの攻勢が強まるが、疲れからかミスが目出つようになり、決定機までは至らない。
後半終盤:心配した以上のエキサイトした展開にはならない。
試合終了間際:CKとFKが立て続く。サッカーの神様は最後の最後まで鹿島に試練を課すが、この日の鹿島の集中力は切れず、神様の難題を跳ね返す。
試合終了:ついに、悲願のアジア制覇!
ガッツポーズするレオシルバ、精根尽き果て座り込むスンテ、喜びを爆発させるベンチの選手とスタッフ、号泣する大岩監督・・・。
優勝の瞬間というのは、何度見ても最高だ!
そして・・・
健闘を 拍手で称えるイラン人サポーターに失礼ながら驚いた。
スポーツとはこうあるべきだ!という1つの形を見た。
鹿島VS ペルセポリス星戦の動画ハイライト
是非、音を出しても良い環境で見て欲しい。
音量を絞っていても、響き渡るブブゼラの音・・・。
この騒音の中で、集中力を切らさなかった選手を尊敬します。
鹿島アントラーズがアジアを制覇した理由!
ついに、念願だったアジアのタイトルを鹿島が手にしました。
自分なりに今年、タイトルを獲得できた理由を考えてみました。
あれもポイント・・・
いやこちらか・・・
と悩みに悩みましたが4つ上げてみました。
スンテの安定したセーブ
ACL以外でも素晴らしいプレーを見せてくれますが、ACLでは特に神懸りでした。
始まりはGL第2戦、アウェイの水原戦でした。あの試合で見せたPKストップは気合が入りました。
そしてラウンド16の上海上港戦。第1戦ではオスカルとの1対1を制し、第2戦ではオスカルの超絶パスから生まれたフッキの至近距離でのシュートを弾きます。特に第2戦は驚異的な活躍ぶりでした。
さらに準決勝の水原戦では、第1戦・2戦共に短時間で複数失点をするものの、最後の砦として気持ちを切らさずに戦い、大量失点を喫してチームが崩壊するところ防いでくれました。
スンテが居なければ、鹿島の優勝は無かった。
それは間違いないことです。
誰か1人のお陰で優勝したと言うのは鹿島のスタイルでは無いかもしれません。
ですが、彼がいなければ、あの舞台には立っていなかった。
入団時の「優勝するためにきた」を有言実行で示してくれたスンテさん。
ありがとう!
セルジーニョの決定力
16年ぶりに鹿島に戻ってきたジーコが連れてきた助っ人・セルジーニョ。
彼の何が凄いのか?
「試合を決定付けるプレーに関与すること」
これに尽きると思います。
しっかりとした「足元の技術」と「得点が生まれそうな時と場所」を嗅ぎつける能力。
彼の存在もまた、スンテと同じく鹿島があの舞台に立てた要因の1つです。
今後、より連携が増していけば、どれだけ破壊力のある攻撃陣になるのか楽しみです。
選手・スタッフのタイトルへの強い想い
決してリーグ戦やカップ戦に手を抜いているとは言いません。
どの試合も勝ちに、タイトルに拘っているのは判りました。
それでも・・・
決勝トーナメントに進んだ頃から、ACLタイトルに対する選手やスタッフの顔つきが変わったように思います。
目つきや言動が明らかに違いました。
一歩間違うと「入れ込みすぎ」になるところでしたが、ギリギリのところで「闘志」の状態で維持していたと思います。
また、選手・スタッフ、そしてサポーターも含め、鹿島に関わる全ての人の口から、「アジアタイトルが欲しい」と言う言葉が自然と出て来るチームは、鹿島くらいだと私は思います。
そういう共通認識がチームを包み込み、それが今回の戴冠に繋がったと信じています。
想いは叶うのだ!
ジーコの影響力
当たり前と言われるかも知れませんが、ジーコの影響力は大きかった。
単に選手に影響を与えているだけではないところが凄いと思う。
ブラジル人達の目の色が違う
まず一番はこれでしょう。
特に、本人は否定していましたがレオシルバは別人(笑)です。
ジーコが来日する前もいい選手でしたし、随所にいいプレーをしていました。
でも、チームに加入してからは「勝利への執着心」が加わりました。
それが、プレーの質を高め、時に凄味を感じさせています。
不在時にも頼むよ、レオ!
若手や控えの目の色や雰囲気が違う
安部は当然、金森、犬飼、町田、山口、田中、久保田、小田・・・
明らか雰囲気が違う。
プレー中の姿勢も違う。
急に技術が向上することはない。
ただ、サッカー脳が飛躍的に開発されている気がします。
今、何をすべきか?
若手や控えの目線が整っている気がします。
ジーコの偉大さを実感!もっと日本人はこの幸運を活かすべき!!
準々決勝の天津のパト、韓国の水原の選手やスタッフ、とにかく対戦相手がこぞって試合後にジーコの姿を探し求め、見つけるとジーコに握手を求めます。さらに一緒に写真を撮ってらうと、嬉々としてSNSなどにその写真をアップしています。
写っている彼らの顔が・・・
ただのサッカー小僧ですよ!
あのイニエスタだって、メチャクチャ嬉しそうに写真を撮っています。
今回の決勝戦のためにイランへ移動する際も、乗継地のドバイで空港スタッフが写真を求めたり、イラン到着時に空港スタッフや税関・入国のスタッフまで写真を撮ろうとしたり・・・、練習場でも多くのイラン人がジーコを見に来たりして、典型的な中東のアウェイの洗礼は皆無だったそうです。
これは本当に凄いことです!
さらに優勝セレモニー直前、FIFA会長自らがジーコと嬉しそうに握手していました。
大迫の代名詞になっている「半端無い」は、ジーコのためにある言葉ですよ。
「ジーコの半端無い知名度と人気、そして影響力」
間違いなく日本人が今の幸せを一番理解していません!
ジーコが日本に居るということ。鹿島に居るということ。
これがどれだけ幸運なことで、どれだけ世界中の人々が羨ましく感じているのか、判っていません。勿体無さ過ぎます。
私は思うのです。
鹿島にとってジーコの存在は絶大であり、掛け替えの無いものです。
だけど、鹿島に関わる全ての人は、自分たちだけでジーコを独り占めにしようなどと思っていません。
茨城のため、日本のため、ひいては日本サッカーのためになることであれば、ジーコの存在をフル活用されることに僕らはNOは言いませんし、ジーコも歓迎するはずです。
2年後のオリンピックでU21が優勝するために、ジーコの影響力を存分に使わせて頂けば良いのにと思います。
鹿島の今後の日程について
大事なACL決勝を挟んでリーグ戦が組まれ、10/31~11/10までの11日間で4試合を戦った鹿島アントラーズの戦士達に、束の間の急速が訪れました。
次の試合は11/21の天皇杯準々決勝・甲府戦です。
ポッカリと開きました。
こうなるとやっぱり、リーグ戦の日程を代表戦に被るけど、なんとか動かせなかったのか?と思います。
鈴木(怪我で辞退しなければ)と三竿は、代表に招集されていますので、休みはありませんが、実力者の宿命です。頑張って!
- 【天皇杯】11月21日(水)
アウェイ 甲府 19:00 - 【リーグ】第33節 11月24日(土)
アウェイ 仙台 14:00 - 【リーグ】第34節 12月1日(土)
ホーム 鳥栖 14:00
鳥栖戦以降の鹿島の12月のスケジュールは以下の2通り!
【11/21の天皇杯・甲府戦に勝利した場合】
●天皇杯●
準決勝:12月5日(水)VS浦和 鹿島スタジアム時間未定
決勝:12月9日(日)VS仙台or山形(埼玉スタジアム)
●クラブワールドカップ
準々決勝:12月15日(土)VSグアダラハラ(メキシコ)
5位決定:12月18日(火)相手は未定
準決勝: 12月19日(水)VS R・マドリード(スペイン)
決勝OR 3位決定:12月22日(土)相手は未定
【11/21の天皇杯・甲府戦に敗れた場合】
●クラブワールドカップ
準々決勝:12月15日(土)VSグアダラハラ(メキシコ)
5位決定:12月18日(火)相手は未定
準決勝: 12月19日(水)VS R・マドリード(スペイン)
決勝OR 3位決定:12月22日(土)相手は未定
我々鹿島サポーターとしては、12月9日に天皇杯を獲って21冠目を手にした上で、UAEへ22冠目を獲りに乗り込むつもりです。
それにしても・・・
あと最大8試合しか鹿島の試合を今年は観れないとはねぇ・・・。
オフが来るのが怖いですね。
まとめ
アジア制覇を果たし、鹿島アントラーズの公式HPで特集ページが組まれています。
トップに掲げられている写真が最高です。
選手達の嬉しそうな表情が、本当に素敵です!
多くの人に見て欲しい一枚です。
改めて・・・
選手の皆さん
監督・コーチ・スタッフの皆さん
お疲れ様でした。
最高の試合、最高の結果をサポータに味合わせてくれて感謝します。
でも、暫し休息したら、21冠目を目指して甲府へ乗り込んでください。
僕らはもっともっと、タイトルを味わいたいのです。
そして、未来を託す若鹿たちの奮起にも期待しています。
アジアを制覇した誇りを胸に・・・
鹿島のユニフォームを着る誇りを胸に・・・
今年の残り一戦、一戦を大切に勝ち進み、
世界の頂点を目指して欲しい!
行け、アントラーズ!!
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