このブログは、2015年春に見つかった未破裂脳動脈瘤を2016年春に『開頭クリッピング手術』を受けて治療した、私自身の闘病記録です。
前回の記事は、入院中に体験した「同室者の死」についてまとめました。
今回の記事は、「抜鈎(ばっこう)」についてまとめました。
手術前に色々な情報をネットなどで調べた結果、皮膚を縫合する抜鈎は痛そうだと思いこんで怖れていました。
実際に体験して、痛かったのか?痛くなかったのか?そしてどんな風に処置をするのか?といった点をまとめてみます。
抜鈎(ばっこう)っていったい何だろう?
簡単に言うといわゆる抜糸の事。
手術後に縫合した箇所の糸(ホチキス)を取り除く処置です。
開頭クリッピング手術では頭部の皮膚の接合になるため、糸で縫い合わせるのではなく、金属片で「バチン」と止めることになります。
見た目はホチキスの針です。
ただし、とても太いです。
正式名称は医療用ホッチキス(スキンステープラー)です。
針を抜くので抜糸ではなく抜鈎と呼ぶそうです。
頭にホチキス!?痛くないのか???
ホッチキスを打たれた状態でも痛くありません。
私は術後6日目に抜鈎したわけですが、術後4日目や5日目にホッチキス部分に痛みを感じたことはありません。
もちろん人によるし、または患部によるのかも知れません。
私の担当医師に聞いたところ「頭部のステープラーで痛みを感じることは殆どないはず。」とのことです。
縫合でホチキスを打つ際は痛くないのか?
頭部の縫合を行う際・・・
痛みを感じません!
と言うより意識がありません!!
まだ全身麻酔中なので記憶がありません。
・・・と書いたところで思い出しました。
術後にも数箇所ステープラーを打たれました!
ICUから一般病棟へ移る際に、頭部に差し込んでいた管を引き抜きます。
引き抜いた後に、その空洞を閉じるためにホチキスをバチン!と打たれました。
痛みはありました。
ですが、それほど痛みではなかったと思います。
ただ、この時点では痛み止めを点滴していたので、他の状況や他の患部へステープラーを打つ場合でも痛くないのかどうかは不明です。
ホッチキスを抜く時は痛くないのか?
術後5日目の夕方、助手先生の診察がありました。
患部を確認した後で彼はこう言いました。
「状態が良いので、明日には抜鈎しましょう!」
正直それを聞いてビビリました。
ついに来たか・・・と。
恥を忍んで先生に尋ねました。
「抜鈎ってのは痛くないですか?」
すると先生は・・・
「痛いですよ、頭に差し込んでいた針を抜くので。ただし、激痛では無いですから大丈夫です。よっぽど、●●さんがおっしゃってた夜間の頭痛の方が酷い筈です。」
翌日・・・
緊張して朝食は殆ど食べられませんでした。
10時過ぎ、助手先生が見習いの先生を2人引き連れてやって来ました。
「●●さん、お待たせしました。これから抜鈎を行います。今回は、彼ら二人にも手伝ってもらいますのでよろしくお願いします」
心の中で・・・「マジかよ、こんな若い兄ちゃんと姉ちゃんに出来るのか?」
抜鈎はベッドの上で行います!
処置室へ行くのだなと思った私は身体を起こし、スリッパを履きました。
すると「トイレに行かれますか?」と聞かれたので「いや、移動するのでは?」と答えました。
助手先生は苦笑いしながら「すいません説明不足で、抜鈎はこのベッドの上で行います!」と言うではありませんか!
思わず「え?マジですか??」と言ってしまったのを覚えています。
抜鈎・・・初めての一本!
脱脂綿でさっと縫合部分を消毒されると、いよいよ抜鈎が始まりました。
最初は助手先生が行いました。
先生はホチキスの巨大版みたいな器具を手にして私の頭に近づき、頭頂部付近に冷たい感触を感じたと思った瞬間「ズルッ」と何かが頭から抜けた感触がありました。
痛みですが、一瞬メリッと皮膚が引っ張られる感触がありましたが、それ以上の痛みは感じませんでした。
やったぁ、痛く無いじゃん!
そう思うのは早計でした・・・。
経験と言うのは本当に大切です
助手先生が10本程度抜くと、いよいよ見習いがチャレンジすることになりました。
以下、2人の見習いが行った際に私が行った事です。
若い男の先生
- 鼻息が荒く恐怖が増幅されます!
- 左手で私の頭を掴んでいるのですが力が入りすぎで痛い!
- ステープラーの位置を何度も何度も置き直すのは止めて!
- 一気に抜かず、抜いては止めて、抜いては止めて・・・勘弁してくれ!
女の若い先生
- ステープラーで位置を探る際に「ここで大丈夫かな?」とか言うな!
- 引き抜きながら「あっ・・・あっ・・・」って言うな!
- 引き抜きながら「痛いですか?」とか聞くな!
- 抜くときは一気に真上に抜いてくれ!
若い先生・・・一生懸命処置をしてくれているので怒りませんでした。
ですが、技術や経験が無い人がやると痛い・・・です。
抜鈎についてのまとめ
私のブログでは、抜鈎やホッチキスの写真やホッチキスが打たれている頭部の写真は掲載しないことにしました。
自分は手術前に様々なサイトでその写真を見ました。
中には抜鈎の仕方を紹介している動画サイトもありました。
それを見て感じたのは「ただただ怖いという恐怖感」だけでした。
そして、勝手に痛みを脳内で増幅して怖がるばかりでした。
しかし・・・
実際に医療用ホッチキスを打たれ、抜鈎を経験した身になって改めて考えると、手術前に欲しかったのは恐ろしい画像や動画の知識ではありません。
欲しかったのは次の4つでした。
「痛いのか?」
→手術後は麻酔中で痛くない。その後にいくつか縫合するが痛みは殆どない。
「痛いとすればどの程度なのか?」
→痛みは気にするほどではない。
「いつ抜鈎するのか?」
→回復次第だが、術後5~7日頃
「抜鈎は痛いのか?」
→痛みはあるが、注射よりは痛くない。
これから手術を受ける方・・・痛みを心配し過ぎなくて大丈夫です。
次回の記事は手術後に初めて浴びてシャワーについてです。
一人で入るのか?
傷にしみないのか?
などをまとめます。
次回は『未破裂脳動脈瘤と闘う ~入院7日目(術後6日目)。手術後初めてのシャワーで大苦戦!~』です。
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