歴史好きには是非読んでもらいたい、私のおすすめ漫画を紹介します。
第1・2巻の案内と第3・4巻の案内はこちらを参照してください。
漫画『チェーザレ 破壊の創造者 第1・2巻』を読んだ! - lands_end’s blog
漫画『チェーザレ 破壊の創造者 第3巻と第4巻』を読んだ! - lands_end’s blog
- 『チェーザレ 破壊の創造者 第5巻』のあらすじ
- 『チェーザレ 破壊の創造者 第5巻』の3つのみどころ
- 『チェーザレ 破壊の創造者 第6巻』のあらすじ
- 『チェーザレ 破壊の創造者 第6巻』のみどころ
- 『チェーザレ 破壊の創造者 第5・6巻』のオススメ度はいくつ?
- まとめ
『チェーザレ 破壊の創造者 第5巻』のあらすじ
第4巻の後半、アンジェロの服を借りてピサの祭りに繰り出したアンジェロとチェーザレは、第5巻に入っても祭りを楽しんでいます。
アンジェロがちょっと目を離した隙にチェーザレは・・・
ピサの女の子4人をナンパします。
アンジェロは呆れつつも、その中の一人エミリアと仲良くなります。
女の子たちとじゃれ合っていると、ジョバンニ達フィオレンティーナの面々がやってきて、一団がやってきます。
そして、ジョバンニの腹心が
- アンジェロに本当に放火の現場を見たのか~
- 放火犯があるモノを盗んだのが『あの程度の月明かりで』見えるか~
などと難癖を付け始めると、チェーザレは女の子たちが舟遊びをしたがっているから船を出せと言い出して、話題を変えるのでした。
しかし、船が用意されると、チェーザレはジョバンニや女の子たちに急用が出来たと告げ、街中に戻っていくのでした。
実は、彼をずっと付けて来ている男を誘い出し、捕らえて黒幕を追及するために、自らを囮にしたのでした。
おとり作戦は成功しますが、アンジェロによってチェーザレの危急を知らされたスペイン団が駆けつけて来て、結局、暗殺者の口を割らす前に殺してしまうのでした。
後半はピサ校に在籍している学生による、模擬騎馬戦の話となります。
ピサを境に南北に分け、大聖堂横の広場で実戦さながらの騎馬戦を行います。
フィオレンティーナとスペイン団は南軍に、アンリ率いるフランス団は北軍に属することになり、スペイン団はアンリらフランス団がチェーザレ一人を狙ってくると警戒を強め作戦を練ります。
模擬戦が始まり、スペイン団率いる軽装騎兵と、フランス団率いる重装騎兵のぶつかり合いとなります。
アンリと一騎打ちになったチェーザレは辛くも勝ちを拾いますが、南軍勝利の立役者となるのはアンジェロでした。
がら空きの北軍陣地へ迷い込み、やる気の無い守備兵を倒し、旗を奪取します。
模擬戦の決着は付いたのですが、チェーザレとアンリの一騎打ちが始まります。
重装備を身に付け、腕力でも優るアンリがチェーザレを圧倒しますが、
最後の最後で重装備が仇となり呼吸が出来なくなったアンリが倒れて勝敗が決します。
『チェーザレ 破壊の創造者 第5巻』の3つのみどころ
この5巻は、2017年3月現在で発売されている11冊の中で、最も好きな1冊です。
特にお気に入りのシーンや台詞は以下の3つです。
アンジェロの深い話
アンジェロの服を借り、お忍びで祭りに繰り出し、暗殺者と戦闘まで繰り広げたチェーザレには、スペイン団の護衛が始終張付く様になります。
その息苦しさからチェーザレはアンジェロにこっそりと告げます。
「またお前の服を貸せよ」「街へ遊びに行こう」
それに対しアンジェロの言った台詞はナイスです!
『でも そもそも冒険とは達成を前提としそのために万全の策を練ったものをいうのであって―
その対策を意識しないのはそれはもう冒険ではなく無謀というのですよ―』
私的にはお気に入りの台詞です。
模擬騎馬戦
第5巻の後半はこの模擬騎馬戦の話しです。
この話、本当に大好きです。
絵がマジでかっこいいのです!
それから、
- フランスが重装騎兵を中心としていること
- スペインが軽装騎兵を中心としていること
- ナポリとフランスの複雑な王家の関係
- 当時のイタリアの都市国家の背景
などが理解できます。
まあ、難しい話はともかく、騎馬戦の絵が本当に素敵です。
チェーザレの未来を暗示するようなつぶやき
アンリと死闘を繰り広げた後、広場に仰向けに寝そべったチェーザレが呟きます。
どんなにこの大地が血で染まってもあの空の色だけは変わらんのだろうな
そりゃぁ神様の住んでいらっしゃる場所ですから
死の間際にこの空を仰ぎ見る猶予はあるのだろうか?
最後を暗示させるかのような台詞です。
『チェーザレ 破壊の創造者 第6巻』のあらすじ
騎馬模擬戦後、川の辺で身体を流していたアンジェロは、再び起こった騒ぎに巻き込まれて川に落とされます。
泳げないアンジェロを助けたのはフィオレンティーナのロベルトでしたが、その彼の肩に、火傷の痕があることにアンジェロは気付くのでした。
その夜、騎馬戦の勝利を祝う宴が開かれるのですが、その裏で工場の放火実行犯とその黒幕が見つかることになります。
宴からアンジェロを連れ出したロベルトは、自分が犯人であることを認め、アンジェロを殺そうとします。
そこへフィオレンティーナのドラギニャッツォと共に現れたチェーザレは、アンジェロを救うのですが、更に一芝居打って、実はドラギニャッツォが黒幕であることを暴くのでした。。
陰謀が明らかになる隙をついて、ロベルトがチェーザレを刺そうとするのですが、アンジェロは自らの身を挺してチェーザレを守るのであった。
重症を負ったアンジェロは、手厚い看護で一命を取り止め、暫くの間ピサ大司教邸で養生することになります。
危険な目に逢わせてしまった事を謝罪するチェーザレに対し、望みの褒美をやるから言えというチェーザレに対し、褒美はスペイン語の勉強と乗馬・・・と答えるアンジェロにと戸惑いを覚えるのでした。
チェーザレがピサでの問題を解決した頃、ローマでは、弟のホアンが『愚弟っぷり』を開花させ始めます。
妹にカラんだり、父親の愛人にカラんだり・・・この先が悩ましい弟です。
一方、ピサには『優秀な』ホアンがやってきます。
チェーザレの従兄弟であり、チェーザレの信頼を受け様々な作戦に関わっていますが、取り急ぎ、彼の最大の仕事は、アンジェロのスペイン語の先生となることでした。
後半、クリスマスを間近に控え、主の降誕のミサ(クリスマス)に臨むための衣装に身を纏うチェーザレを見ているときに、ミゲルは『幼き日のチェーザレとの会話』を思い出します。その回想は、彼らの深い結びつきを知る手掛かりとなります。
『チェーザレ 破壊の創造者 第6巻』のみどころ
6巻のあちこちで使われているピサの町並みの描写です。
現代に残る絵画などから、当時のピサの町並みを推測し、丁寧に描かれています。
その町並みを眺めていると、まるで自分が当時のピサの街に迷い込んだように思うほどです。
もう、単なる漫画ではないですね。
絵画に匹敵する内容です。
『チェーザレ 破壊の創造者 第5・6巻』のオススメ度はいくつ?
オススメ度は90点です。
第5巻だけなら95点です!
とにかく、この第5巻はぜったいに読んで頂きたいです。
漫画『チェーザレ 破壊の創造者』をおススメしたい人
- 歴史が好きな人
- 西洋史が好きな人はとくに必読
- 時間を掛けてしっかりと描きこまれた絵が好きな人
- 中世の騎馬兵が好きな人
漫画『チェーザレ 破壊の創造者』をおススメしない人
- 残念ながら歴史に興味がない人
歴史に拒否反応が強い人は、楽しむのは難しいかも知れません。
まとめ
第1・2巻で、15世紀末のヨーロッパの時代背景を把握し、
第3・4巻で、ボルジア家が目指していること、メディチ家が目指していること、さらに主役となる人々の様子が判るようになります。
第5巻では模擬騎馬戦で、後の激しい戦いを意識させられ、
第6巻ではボルジアの暗躍がいよいよ活発化しはじめます。
次の第7巻も秀逸です。
カノッサの屈辱や、教皇派と皇帝派の争い、西洋史が好きな人間なら是非とも読んで欲しい1冊です!
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