チェーザレ 破壊の創造者(作:惣領冬実)読んだ!
先日紹介した第1・2巻に続き、第3・4巻を読み終えたので紹介いたします。
この漫画は、私の歴史関係の小説・漫画ランキングの中で、常に上位にランクインしている本です。
『チェーザレ 破壊の創造者 第3巻』のあらすじ
1・2巻は、15世紀末のヨーロッパの時代背景の解説に力が注がれていました。
3巻に入ると、ようやく、チェーザレの物語が動き始めます。
ボルジア(チェーザレの父)が教皇になるための重要な一手として、フィレンツェのメディチ家の次男であるジョバンニを、確実に枢機卿に押し上げる必要がありました。
そこで、ジョバンニに実績を作らせるために、チェーザレが裏で手を回してピサに織物工場を作ることにし、そのプロジェクトはジョバンニの功績にすることにします。
チェーザレは自分の実績にすることには固執しませんでしたが、工場建設の責任者にアンジェロを推薦するのでした。
ジョバンニからその話を聞いたアンジェロは、チェーザレの元に向かい問いただすのでした。
チェーザレが裏で推薦しているのではないかと・・・。
チェーザレは、ジョバンニがアンジェロの祖父が石工であることを知っていて仕事を任せたのだろうと言うのですが、アンジェロはそのことをジョバンニが覚えているとは思えない、むしろ意識に留めているのはあなただ・・・と、問い詰めるのでした。
また、メディチ家がピサに放った密偵、ニッコロ・マキャベリの登場も、チェーザレの周囲に波紋を投げかけることになります。
メディチがチェーザレの元に密偵を放つ理由とは何なのか・・・。
そして、3巻で話の中心になるのは、チェーザレとアンリの私闘にページをかなり費やしています。
チェーザレとスペイン団が大学を不在にしていた時に、フランス団は談話室を乗っ取る訳ですが、それに納得いかないスペイン団とミゲルが一触即発になります。
ミゲルとアンリが刃物沙汰を起す寸前で、アンジェロがアンリに一言放ちます。
『あなたの方がおかしいのでは・・・』と。
それをみていたチェーザレは、怒ってアンジェロに突っかかってきたアンリを面白がって引き回し、最後は大学の中庭に引き出して打ち倒すことに成功します。
『チェーザレ 破壊の創造者 第3巻』で教わること
この3巻では、『ユダヤ』と『イスラームの支配』という言葉に焦点があてられています。
当時のヨーロッパ世界において『ユダヤ』であると言うことが、どれだけ生き難かったのかを作者は伝えようとしています。
また、『イスラームの支配』を受けたスペインと、支配を受けたことが無い国・フランスで『イスラーム』の考え方が異なることも解説されています。
そして『イスラームの支配』を受けたという言葉自体が、侮蔑の言葉になる点にも注目です。
当時のヨーロッパの人々のとって、『ユダヤ』とか『イスラム』が、どういう位置づけだったのか何となくでも理解出来るように工夫されています。
『チェーザレ 破壊の創造者 第4巻』のあらすじ
いよいよ、チェーザレの妹・ルクレツィアが登場します。
ルクレツィアとチェーザレの出会い、チェーザレを慕っていくうルクレツィアの様子が描かれています。
そして、アンジェロが工事責任者を務めていた、織物工場の放火事件とその犯人を探すチェーザレとアンジェロの様子も描かれています。
後半、チェーザレはアンジェロの服を借り、ピサの祭りに繰り出します。
一般庶民に混ざって祭りを楽しむチェーザレの様子を描きつつ、当時の一般庶民と上流階級の人々が話す言葉が異なることなどが解説されています。
しかし、アンジェロに目立たないようにしろ!
と釘をさされていたチェーザレが、次々と騒ぎを起していく様子が面白いです。
『チェーザレ 破壊の創造者 第4巻』のお気に入りのシーン
アンジェロをスパイのように使うチェーザレに対して、アンジェロとチェーザレのやりとりのシーンが一番印象に残っています。
アンジェロの何ともいえない笑顔とともに・・・。
フィオレンティーナのことはおまえから聞く
私がもし嘘をついたらどうなさいますか?
おまえ嘘がつけるのか?この私に?
いえ―たとえ嘘をついてもあなたにはすぐに見破られます
漫画『チェーザレ 破壊の創造者 第3・4巻』のおススメ度はいくつ?
おススメ度は80点です。
物語が進み始めるのですが、第1・2巻に比べるとちょっとダウンです。
でも、面白いですよ!
チェーザレ 破壊の創造者(4) (KCデラックス モーニング)
- 作者: 惣領冬実
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/11/22
- メディア: コミック
- 購入: 8人 クリック: 24回
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漫画『チェーザレ 破壊の創造者』をおススメしたい人
- 歴史が好きな人
- 西洋史が好きな人はとくに必読
- 時間を掛けてしっかりと描きこまれた絵が好きな人
漫画『チェーザレ 破壊の創造者』をおススメしない人
- 歴史に全く興味がないと厳しい
歴史に拒否反応が強い人だと、この本を受け入れるのは難しいかも知れません。
まとめ
第1・2巻で、15世紀末のヨーロッパの時代背景を把握し、
第3・4巻で、ボルジア家が目指していること、メディチ家が目指していること、などさらに主役となる人々の様子が判るようになります。
ここまで読んだら、是非、5巻も読んで欲しい!
5巻は、私の最もお気に入りのエピソード・模擬騎馬戦が描かれています!
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