私の頭に見つかった『未破裂脳動脈瘤』とどう向き合うべきか、
しばらく悩んだ末、私は積極的な治療(手術)を施して治すことを決意しました。
決意してから悩んだのは、その治療法の選択です。
その時期に、色々と悩みながらメモしていたことを、文章にまとめることにしました。
前回の記事は、『開頭クリッピング手術の諸々について』でした。
今回の記事は、『脳動脈瘤コイル塞栓手術について』まとめてみます。
未破裂脳動脈瘤の治療法(手術方法)としては2つ。
永続的な治療としては手術になりますが、その手術法は2つあります。
- 開頭クリッピング手術
- 脳動脈瘤コイル塞栓手術
各地の病院を巡ると、殆どの医師が『開頭クリッピング手術』を勧めてきました。
それでも、最後の最後まで、『脳動脈瘤コイル塞栓手術』で行うことが出来ないのか、悩んでいました。
脳動脈瘤コイル塞栓手術の諸々のデータ
実際に自分が手術を受けるのだと覚悟してから、改めて知りたくなって様々な点を、
2つの手術ごとにまとめて比較していました。
その時のデータを元にまとめています。
※ただし、私は実際には『開頭クリッピング手術』を受けたので、
『脳動脈瘤コイル塞栓手術』の体験談として記載することが出来ません。
そのため、『脳動脈瘤コイル塞栓手術』を受けると決めた方への情報提供としては、役に立たないと思います。申し訳ありません。
脳動脈瘤コイル塞栓手術のメリット
この手術法の最大のメリットは、
『頭蓋骨を切開する必要がない!』
という事だと思います。
未破裂脳動脈瘤がくも膜下出血の原因になると知れば、
誰もが動脈瘤を治療して、破裂の危険性を無くしたくなるのが当然だと思います。
ですが、『頭を開ける』という恐怖が、
多くの人に治療へ踏み切ることを躊躇させています。
その恐怖がない!
これは最大のメリットではないかと私は思います。
ただし、多くの医師の見解や、ネット上のサイトでは、
その恐怖感の払拭がメリットであるというように触れられていません。
その点は、あちこちの病院巡りをしている時に、不満を感じた部分でもあります。
『先生、判ってないなぁ、
私が一番気にしているのは頭を開ける恐怖なんだけどなぁ・・・』
術式としてのメリットで、医師や病院などのサイトで書かれているのは次の点です。
『侵襲性が低いため、入院期間が短く、社会復帰が早い』
要するに、頭を開けるような大掛かりな手術ではなく、足の付け根からカテーテルを入れて動脈瘤にコイルを詰める術式のため、身体への負担は少ないということです。
※侵襲性とは、身体に及ぼす物理的負担や影響の大きさのことです
社会人としては重要なポイントだと思います。
それと、入院期間が短いということは、費用もそれだけ抑えられます。
脳動脈瘤コイル塞栓手術デメリット
先に書いたように、病院巡りをしていると、
多くの医師は『開頭クリッピング手術』を勧めてきます。
その時に理由として挙げるのが、脳動脈瘤コイル塞栓手術のデメリットでした。
以下、列挙してます。
- 手術としての歴史が浅く、経験値の蓄積は十分ではない。
→まだ、10数年でしかない。 - 治療を施しても、再手術が必要となることもある
→3~5%の範囲で可能性があると言われた。
→クリッピングは、しっかりと掛かったら再発はないと言われた。 - 術中にコイルで動脈瘤を破ってしまう可能性あり
→破裂後に急ぎ開頭となる。遅れることもある。
→開頭術でも術中破裂はあるが、開けているため対応がスムーズに出来る。 - 術中、カテーテル操作のため、頭部へ放射線を照射し続けます。
→直ちに身体に影響が出る訳ではないと言われました。
→ただし、一時的な脱毛や皮膚病が起きる可能性は十分にある。
上記の中で最も悩んだのは、再発・再手術の可能性がある点が気になりました。
可能性としては僅か数パーセントですが、
そもそも、数パーセントの破裂の可能性を打ち消すために手術に踏み切る訳で、
その術後に再発・再手術の可能性があるのは如何なものかと悩んでいました。
脳動脈瘤コイル塞栓手術の痛み
痛みに関しては、素人が考えても比較にならないほど楽だろうと思いました。
身体を切らないので、その点、痛さは確かに無いと思うのです。
ですが、身体の中にカテーテルを入れるという事がピンときません。
胃カメラ的なモノなのか?
自分で調べる限りでは、今ひとつ感触を掴むことは出来ませんでした。
医師の見解 ~脳動脈瘤コイル塞栓手術の痛み~
医師に聞くと、ほぼ全ての医師の回答は同じでした。
- 『身体にメスを入れないので、楽ですよ!』
- 『痛みは気にしなくて大丈夫』
- 『数日はカテーテルを挿入した部分に痛みが残りますが、打ち身程度ですよ』
でも、身体に穴あけて管を入れるんですよ?
痛くないわけないじゃない!
と思って、医師だけでなく、看護師達に聞いても回答はほぼ同じでした。
もしかすると、医療従事者と患者では、痛みに対する感情が違うのかな?
と思います。
単に、私が恐がりなだけかも知れませんが。
体験談 ~脳血管撮影時のカテーテル挿入~
私は、脳動脈瘤コイル塞栓手術を受けていないので、体験談として正確に記載することは出来ません。
ただ、『開頭クリッピング手術』を受ける前に、脳血管撮影を行いました。
脳血管撮影では、カテーテルを動脈内に入れ、造影剤を脳血管に流して撮影します。
その時の事を思い出しますと・・・、
『めちゃくちゃ痛い!』
です。
この脳血管撮影については後日詳しく記載しますが。
- カテーテルを入れるだけ
- 麻酔を打ってるから大丈夫
と行う前に医師に言われたのに、私の個人的な感想ではありますが、
とても、とても、痛かったです。
ただ、後日実際に受けた『開頭クリッピング手術』の痛みとは比較になりません。
そう考えてみると、やはり、脳動脈瘤コイル塞栓手術の方が楽なのかも知れません。
脳動脈瘤コイル塞栓手術の手術時間
実際に手術を受けていないので、聞き取りした結果です。
『2~3時間程度で終了します。』
- 朝一番で手術して、お昼頃には終了します。
- その後、6時間程安静にし、傷口から出血が止まったら、動いて構いません。
- 夕飯から、普通に飲食可能です。
そう説明されました。
脳動脈瘤コイル塞栓手術の入院期間
どの医師に聞いても、どのサイトを見ても、回答はほぼ同じです。
術後、1週間以内に退院可能です。
脳動脈瘤コイル塞栓手術の社会復帰までの期間
どの医師に聞いても、どのサイトを見ても、回答はほぼ同じです。
退院した翌日から、社会復帰可能です。
入院期間の短さと早期社会復帰が可能な点が、
脳動脈瘤コイル塞栓手術のメリットと言われています。
脳動脈瘤コイル塞栓手術の費用は?
費用については、『開頭クリッピング手術』の記事でも書いたように、
医師に聞いても答えは返ってきません。
病院の受付そばに通常設置されている、
『医療相談室』とか『医療連携室』とかで確認しましょう。
気になる費用ですが、せっせとメモした記録を見返しました。
見返したら気になったので、もう一度、ネットとかで検索しました。
なので、たぶん・・・間違いはないと思います。
費用は、『開頭クリッピング手術』も『脳動脈瘤コイル塞栓手術』も同じです。
手術だけで2,000,000~3,000,000万円になり、
その3割負担で考えると、600,000~900,000円になります。
さらに、食事代(1食500円前後)と必要なら差額ベット代が入院日数分掛かる。
幅が大きいのは、入院日数等による違いです。
※ただし、コイル塞栓術は、使用したコイルの数によって金額が異なるそうです。
それでも、開頭クリッピング手術に比べると入院日数が短い分、多少安くなると思いますと言われました。
医療保険は使えるのか?
一般的な医療保険で適用になるとのことです。
高額医療制度は使うべし!
『開頭クリッピング手術』の記事でも触れましたが、
3割負担でも費用は高いので、積極的に高額医療制度を使いましょう!
調べ方は簡単です。
自分の持っている健康保険証を見て、健康保険組合の名前を確認。
グーグルなどの検索サイトを開き・・・
●●●健康保険組合 高額医療制度
と入力して検索すれば、自分が利用できる高額医療制度が見つかります。
ざっと読んでから、電話して専門家に相談しましょう!
脳動脈瘤コイル塞栓手術の後遺症の可能性は?
頭蓋骨を開ける訳ではないので、神経に直接触れるわけではありません。
そのため、開頭クリッピング手術で後遺症の恐れがあるとされる嗅覚障害等、
神経に関わる障害の心配はほとんど無いと言われました。
しかし、『脳動脈瘤コイル塞栓手術』にはその術式ならではの危険性が伴います。
- 手術中の脳動脈瘤破裂
血管内にコイルを挿入するわけで、破裂することもあります。
突き破ることも無い訳ではなりません。
出血した場合、その処置は基本的に開頭手術になります。 - 手術後の脳動脈瘤破裂
術後、コイルが上手く収まらず、血管や動脈瘤を傷つけることもあるそうです。 - 手術中、または後の脳梗塞
血管内にカテーテルを挿入するため、血管内に血栓が出来やすくなり、それが脳梗塞を引き起こすこともあります。
医師から説明されたのは、上記3点でした。
上記を見て判るように、脳動脈瘤コイル塞栓手術は開頭クリッピング手術と比べ、
必ずしも安全な手術とは言えないと思います。
近畿大学医学部脳神経外科のページのページは役立ちましたので紹介しておきます。
サイトのページ中程、「脳血管内手術治療で起こりうる合併症について」に合併症や後遺症の可能性について触れています。
まとめ
今回の記事では、2つある未破裂脳動脈瘤の手術のうち、
『脳動脈瘤コイル塞栓手術』についてまとめました。
前回の記事『開頭クリッピング手術』で記載した内容と比較すること2ヶ月、
最終的な手術法を決めました。
最後の最後まで悩みました。
- 痛いのはいやだ
- でもやるなら確実に治したい
2回にわたって長々と記事を書いておきながらなんですが、
私が最後まで悩んだ判断基準はこの2点だったのかも知れません。
次回は『未破裂脳動脈瘤と闘う ~開頭クリッピング手術に決めた!~』です。
前回の記事はこちら
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