2016年12月22日、鹿島アントラーズは2018年クラブワールドカップ3位決定戦、リーベル・プレート戦に挑みました。
準決勝のレアル・マドリード戦で完膚なきまでに叩きのめされ、精神的に這い上がるにはリーベル戦まで時間が少なく心配していました。
しかし・・・
鹿島の選手はそんなに柔ではありませんでした。
レアル戦の反省か、序盤から戦う姿勢は前面に出していました。
ところが・・・
前半6分に起きたスンテの負傷が、唯でさえ選手交代の上手くない監督の首を絞める結果となってしまったのは痛かった。
2018CWC3位決定戦、鹿島VSリーベル・プレート戦を振り返ります。
2018CWC3位決定戦、鹿島VSリーベル・プレート戦の試合結果とスターティング&交代メンバー
鹿島 0-4 リーベル・プレート(アルゼンチン)
前半24分:ブルーノ スクリーニ
後半28分:ゴンサロ マルティネス
後半44分:ラファエル サントス ボレ
後半48分:ゴンサロ マルティネス
スターティングメンバーと交代
GK 1 クォン スンテ →前半23分 21曽ヶ端 準
DF 2 内田 篤人 →後半31分 40小笠原 満男
32 安西 幸輝
35 チョン スンヒョン
39 犬飼 智也
MF 4 レオ シルバ
6 永木 亮太
8 土居 聖真
18 セルジーニョ
25 遠藤 康 →後半20分 22西 大伍
FW30 安部 裕葵
負傷後直ぐにスタッフはX(バツ)サインを出したものの、執念で一度はピッチに戻ったスンテでしたが、前半23分、ついに力尽きました。
きっと、貴重な交代枠を使いたくないという執念で踏ん張ったのでしょう。彼の姿勢には本当に頭が下がります。
問題は、スンテが自分で無理だと表明した後に、ベンチからボールをピッチの外に出せと指示を出したのでしょうか?
最終的に、CK直前にGKが交代するという事態になり、失点してしまいました。
スンテの踏ん張りが無になってしまう交代劇で、本当に勿体無かったです。
鹿島VSリーベル・プレート戦の試合内容と感じたこと
試合内容の展開のほかに、試合を見ながら、または暫くしてから感じたことをまとめておきます。
・前半序盤 相手の出足についていけず
リーベルは準決勝から中3日のため、若手を抜擢して試合に臨みました、
一方の鹿島は、中2日でさらに厳しい日程にも関わらずメンバー固定で挑みました。
その結果、相手を捕まえきれずに危険なシーンが序盤から続出しました。
複数タイトル奪取のために選手層を厚くしたと言っても、肝心な試合では選手がいつも固定されていた気がします。
ACL決勝戦前後に、ターンオーバーで結果が出ただけに、一過性のトライで終わったこと本当に悔やまれます。
・スンテの怪我で試合のリズムは変わったけど・・・
開始直後の相手の怒涛のラッシュが、スンテの怪我で勢いが削がれた。
まさに怪我の功名ではあった。
その後、明らかに流れが鹿島に傾いたのですが、鹿島はレアル戦に続いて先制するチャンスを決め切れませんでした。
当たり前だけど、決めるべき時に決めないと、格上には勝てません。
・スンテの怪我が本当に痛かった
一番いたいのはスンテさんなのは判っています。
ですが、チームとしても本当に痛かった。
なにしろ貴重な交代枠を使わないといけないから。
ただ、スンテもその辺は判っていて、最後までプレー出来ないかトライしていましたので責める事は出来ません。
問題は、交代のさせ方です。
ベンチ主導で、安全な状態で交代させられなかったのかが悔やまれます。
あれではソガさんが気の毒です。
・後半開始、勝負を掛ける交代は出来なかったのか?
早目に遠藤を交代して勝負を掛けても良かったと思います。
ですが、いつも通り、後半開始時点での投入はなかった。
来年、大岩監督続投ならば、勝負師の心得を開眼してもらわないことには困る!
・解説の岡田さんの台詞が刺さる
「流れを変えられる采配が出来なければ監督やっている意味がない・・・」
リーベルの監督が鹿島に傾きつつあった流れを感じてゴンサロ マルティネスを投入したのかどうかは、実際には何も語っていないので判りませんが、ゴンサロ マルティネスが投入されて流れが変わり、かつ、追加点を取られたのは事実である。
大岩監督には、来季までの短いオフの間、サッカー漬けで過ごして欲しい。
・悉くクロスバーに当たる鹿島のシュート
前半の安西のシュート、後半の土居と永木のシュート・・・悉く決まらない。
前半のCKのこぼれも決め切れなかった・・・。
惜しい試合だったか?
惜しくないか?
と二択で問われたら惜しいと言うが、ここは現実を見なくてはいけない。
鹿島のシュートは一本もゴールに入らず、0-4で完敗したという点から目を背けてはいけない。
この事実から目を背けなければ、きっと、鹿島は強くなるはずです。
・相手の4点目のシュートに戦慄した
2点取っても手を緩める事無く攻撃し、鹿島のチャンスには身体を投げ出して守る姿勢に、「間違いなくこいつら強い」と実感していました。
さらに、終了間際にPKを決められ0-3となり、選手も落ち込み出足が鈍っていたことを差し引いたとしても、相手の4点目・ゴンサロ マルティネスのゴールが決まった時、背筋が寒くなりました。
視野の広さ、プレーの正確さ、アイデアの豊富さと共有力・・・
日本サッカーと、南米や欧州サッカーとの間に横たわる大きな開きに愕然としました。
この差は、とてもとても、数年で埋まるようには思えません。
もしかしたら、FOOTBALLを続けている限り、永久に埋まらないかも知れない・・。
野球がスモールベースボールという日本独自のスタイルを突き詰めていき、対MLB、対国レベルで互角に戦えるようになったように、日本サッカーも根本から考え方、取り組み方を変えるべきなのか知れない・・・。
そんな風に感じると、途方も無い「差」に背筋が寒くなりました。
・2試合連続の完敗が鹿島にもたらすもの
この2試合の完敗は、鹿島ファミリーに大きな影響を与えたと思います。
フロント、コーチ・監督、選手たちそれぞれが、今回の敗戦について様々な視点からコメントしています。
ですが、敗戦の影響はサポーターにも及んでいると思います。
私、個人的には、改めてサッカーの見方を教わりました。
鹿島が真の常勝軍団になるためには、サポーター自身の目も肥やし、チームを押し上げるための叱咤激励(叱咤が重要)が出来るようにならないといけない。
そんな風に、勝手に思いました。
鹿島と世界の間にある「大きな差」って何だろう?
パッと思いつくのは、技術。
とにかく、トップスピードでのボールの納め方、そしてパスの精度が半端無い。
特に、本物の奴らのシュートの正確性。
この点は、レアルやリーベルのチーム内でも差があったように感じます。
ベイルと他の選手、マルティネスト他の選手、小さくない差がありました。
単純に練習を積み重ねたらどうにかなるレベルとは思えませんでした。
それからアイデア力も差がありました。
これは個人のアイデアだけではなく、チームとしてのアイデア力でも大きな差があったと思います。
他にも色々あるなぁ・・・と考えていたら、ある人の言葉が蘇りました。
『考える力、乗り越える力、自立する心、仲間を慈しみ愛する心。
サッカーには全ての教育的要素が凝縮されている。
そしてサッカーは人生のすべてを教えてくれる。
「サッカーは人生の縮図だ」』
元日本代表監督のオシムさんの言葉です。
この考え、この発想、それを意識せずに普通に行えるか否か?
それが、鹿島と言うよりも日本とサッカー先進国の違いなのではないでしょうか?
今回の敗戦を受けて、色々と考えている時にオシムさんの言葉を思い出し、考えれば考えるほど、今回の敗戦の理由は「これだ」って思うようになりました。
鹿島の今後の日程について
長かったシーズンも終わりました。
2018年の公式戦は60試合にも及びました!
そんな激闘のシーズンでしたが・・・
2018年度、鹿島アントラーズ公式日程は全て終了!
過密日程時には選手が壊れると叫んでいたのに・・・
今は鹿島の試合が無いことに飢えてて心が満たされません。
サポーターと言うのはつくづく勝手なものです。
これから、選手達は束の間の休息です。
しっかりと身体をメンテナンスして欲しいです。
でも、頭は常にサッカーのことでフル回転させていて欲しいです。
そうでないと、クラブワールドカップの経験は活きないです。
これから来年1月末のキャンプスタートまでは、出会いと別れの季節です。
ファミリーに残る人、新たな場所へ挑戦する人、新たにファミリーに加わる人・・・。2019年の鹿島アントラーズは、どんなチーム構成になるのか、ワクワク・ドキドキしながら過ごすことになります。
まとめ
2018年の鹿島の激闘については、改めて別の記事でまとめておくつもりです。
まとめておけば、いつの日か鹿島が世界と対等に戦えるようになった時に、2018年の悔しさがあったから今の鹿島がある!と思い返せると思っているので・・・
最も、十数年後にブログと言う文化が残っているか定かではありませんが(笑)
最後に・・・
心からのお礼を申し上げます!
選手の皆さん
コーチ・監督の皆さん
スタッフの皆さん
鹿島スタジアムで働く皆さん
各地で出会った鹿島サポの皆さん
一年間、本当にありがとうございました。
特に選手の皆さん、お疲れ様でした。
アジア王者になる姿を見せてくれて感謝しています。
他のチームは既にオフに突入した年末間際まで、皆さんのプレーする姿が観れて本当に幸せでした。
先日、昌子がインスタに載せた文章が心に響きました。
僕らサポーターも、もっともっと、世界一のサポーターになるべく努力しなくては!
そう思えました。
悔しさばかりが募る1年だったけど、最後に昌子の言葉で癒されました。
これからも鹿島ファミリーのために発信して欲しい。
たとえ、外からでも!
残る人も、行く人も、来る人も・・・
ONE FAMILY
来季も共に・・・
SPIRIT OF ZICO
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