lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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未破裂脳動脈瘤と闘う ~入院8日目。術後1週間時点での、痛みや辛さなど身体の回復具合について~



このブログは、2015年春に見つかった未破裂脳動脈瘤を、2016年春に『開頭クリッピング手術』を受けて治療した私自身の闘病記録です。

前回の記事は、手術後に初めて1人で浴びたシャワーで大苦戦した話でした。

未破裂脳動脈瘤と闘う ~入院8日目(術後7日目)。苦戦した、独りで浴びるシャワー!!~ - lands_end’s blog

今回の記事は、手術から1週間たち、頭や身体の痛みや、体力、または後遺症と思われる症状についてまとめてみます。

手術から何日で痛みが取れたのか?
とか
手術から何日で食事が出来ましたか?
などの質問を良く頂きますので、少しでも参考になれば幸いです。

 

手術後の様々な痛みについて

まずは痛みについてまとめます。
手術前の自分も一番気になりましたし、頂く質問の中で、痛みに関する問い合わせは最も多い質問の1つです。

 

手術傷口の痛みについて

何度かこのブログでも書いていますが、傷口自体には殆ど痛みを感じませんでした。

手術直後に集中治療室に居た時も、
2日目に一般病棟に戻ってからも、
術後1週間経った頃でも、

傷口自体が痛んだ事はありません。

ただ、皮膚を切開した部分に違和感を感じていました。
引っ張られるような、
むず痒いような、
チクチクするような、

この違和感は「約1年半経った今でも」感じています。

 

かさぶたが痒い

術後1週間頃から2週間近く、耐え難い思いをしたのは「頭の痒み」です。
厳密に言うと、切開した皮膚の部分にびっしりと貼り付いた「かさぶた」が原因です。

傷口が塞がり固まった血の塊が、髪の毛が伸びに併せて少しずつ浮いてくるのです。
新しい皮膚とかさぶたの間に隙間が出来、その隙間に汗や水が入ると・・・。
猛烈な痒みを感じました。

剥がしたい・・・
でも頭の傷は見えない!

爪を掛け少しずつ剥がすが・・・
髪の毛が邪魔をして剥がれない!

頭部のかさぶたが完全に消え去るのは術後1ヶ月頃までかかりました。
人間とは「痛み」以上に「痒み」に弱いのだと言うことを実感しました。

 

頭痛について

手術日~3日目頃(ICU~一般病棟)
ズキズキしていましたが、痛み止めが効いていたのでそれほど痛みには悩まされませんでした。

3日目頃~5日目頃(歩行を始める頃)
ズキンズキンと痛みを感じていました。
特に身体を水平にして寝ている時や、寝起き時には、かなり激痛を感じていました。
医師が言うには、頭部を切開した際に血管やリンパ管などを切断しているので、身体を仰向けにして大量に血液や体液が流れ込むと、遮断された部分が痛みを感じるそうです。

6日目頃~7日目頃(抜鈎する頃)
日中、身体を起こしている時の痛みは和らぎます。
ただ、午後~夕方に掛けて痛みが増してきます。
先程、身体を横にすると痛みがあると書きましたが、長時間起きていても痛みを感じます。
もちろん横になっても痛みを感じます。
適宜、身体を起こしたり寝かせたりすることで痛みをコントロールしました。

★頭痛は3ヶ月も経てば痛みは殆ど無くなります。
ただしそれ以降でも、体調が悪い時や疲れている時、そして悪天候時(台風や低気圧が接近した時)には、痛みを感じることがあります。
術後1年半経った今でも、頻度は減りましたが変わりません。
●耐え難いほどの痛みではないので、寝れば治ります。

 

こめかみ(側頭部)の痛みについて

私にとってはこめかみ(側頭部)の痛みが一番辛かったです。

手術日~3日目頃(ICU~一般病棟)
痛み止めが効いていたのでそれほど痛みには悩まされませんでした。
ただし、初めて口を開いた時に猛烈な痛みを感じました。

3日目頃~5日目頃(歩行を始める頃)
常にズキンズキンと脈打っていました。
痛みは夕方から夜に掛けて増しました。
そして最も辛かったのが寝る時の姿勢です。
私は左側頭部を切開したので、左側を下にして寝ることが出来ません。
仰向けか若干右向きでしか寝れませんでした。
これが地味に辛かったです。

6日目頃~7日目頃(抜鈎する頃)
頭痛と違い、あまり改善は見られませんでした。
医師からは、「話す、食べる、飲む、と言った行為を行うたびに、切断した側頭部の筋肉が動かされて炎症が引かないからです。」と言われました。

★側頭部の痛みは頭痛とは違い和らぐまで半年近く時間が掛かりました。
ただし頭痛と同じくそれ以降も、体調が悪い時や疲れている時、そして悪天候時(台風や低気圧が接近した時)には、かなりの痛みを感じることがあります。
術後1年半経った今でも、頻度は減りましたが変わりません。
●時にかなりの痛みを伴います。
その場合には痛み止め(バファリン)等を使用します。

 

口の開く大きさと痛みについて

多分、多くの方が疑問に感じている部分だと思います。

手術日~3日目頃(ICU~一般病棟)
殆ど開ける事は出来ません。かなりの痛みを伴います。

3日目頃~5日目頃(歩行を始める頃)
少しずつ開くようになりますが縦に3センチ程度しか開きません。
食事をするのも一苦労です。
ご飯のように柔らかい食品でも10数回噛むと筋肉が疲れて食べれなくなります。

6日目頃~7日目頃(抜鈎する頃)
まだまだ痛みが強く口を大きく開くことは困難です。
喋ることはそれほど困難ではなくなります。
ちなみに・・・

11日目(退院時)でも口は殆ど開きませんでした。
退院祝いに家族が買ってくれたショートケーキのイチゴを一口で食べることは出来ませんでした。

術後1ヶ月経っても、思うように口が開かず飲食が大変だった記憶があります。
私は納豆が好きなのですが、納豆ご飯を箸で食べるのが大変困難でした。
口が開かずポロポロと毀れてしまいました。

3ヶ月位で、不便さは無くなりました。ただし、無意識に大あくびをして激痛を感じて泣きそうになることは良くありました。

 

眼底痛について

私の場合はこの眼底痛も酷かったです。
偏頭痛に近い痛みでした。
視神経が疲れてくる夕方頃からズンズンと痛みが出ました。

術後1ヶ月くらいまではほぼ毎日痛みを感じていました。
★眼底痛は1ヶ月程度で一旦は和らぎました。

しかし、仕事に復帰した3ヶ月目から再び起きるようになりました。
とにかく、身体(特に目)が疲れてしまうと痛みを感じるようになります。悪天候はあまり関係ないと思います。

術後1年頃までは、眼底痛を起こさないように仕事をするのに苦労しました。
術後1年半経った今ではだいぶ頻度は減りましたが、疲れてしまうとやっぱり起きます。

●一度痛みを感じるとバファリンを飲まないと治りません。

 

痛み止め薬と睡眠薬など薬の使用について

各種の薬は術後3日目頃から頼るようになります。
正確には腕の点滴が外れてからですね。
それまでは経口薬ではなくて、点滴で注入されていました。

4日目~1週間頃までは痛み止めは1日2回、睡眠薬は寝る前に1回。
処方してもらっていました。

それ以降退院までは、寝る前に痛み止めを1錠貰っていました。
退院する際に、痛み止めを14錠貰いました。

退院して1週間は寝る前に飲んでましたが、それ以降は自然と飲まなくても我慢できるようになりました。

 

各種身体の症状・状態について

痛みについては先にまとめたとおりです。
次は、手術後に身体に生じた痛み以外の症状についてまとめます。

 

吐き気について

麻酔から覚めた直後から吐き気には悩まされました。
吐き気が全く無い人も居るそうですが、私はかなり辛かったです。
術後、覚醒したときとICUから一般病棟へ移されたときが一番酷く、3日目頃までは断続的に悩まされました。

ただ、5日目頃にはすっかり回復していました。

 

めまいについて

術後3日目に尿道カテーテルが外れ、トイレに行くなど出来るようになります。
歩き出すとめまいを感じるようになりました。
めまいはなぜか午前中の方が酷かったです。
午後や夕方以降はあまり感じませんでした。

1週間程度でほぼ感じなくなりました。

 

身体の重さについて

とにかく何をするにも身体が重くて上手く動かせなかったです。
手術から3日寝込んでいるだけで、こんなにも体力が落ちるとは思いませんでした。
以前の記事でまとめた内容はこちらです。

www.road-to-landsend.net

 

食事量の変遷について

未破裂脳動脈瘤の開頭クリッピング手術の場合、内臓系の手術ではないので術後の食事制限は一切ありません。
食事内容も通常の食事が提供されます。
しかし、問題があります。
開頭するために、即頭部の筋肉を切断するため、口が開きません。
開ければ激痛が走ります。
咀嚼も時間が掛かり、体力を奪われて疲れます。

とにかく食事に関してはかなり大変でした。

3日目頃まで・・・吐き気もあり殆ど食べれませんでした。
主食はゼリーでした。

5日目頃まで・・・柔らかいご飯などは食べれます。ただし口は開かないので食べれる量は少なかったです。
依然として主食はゼリーでした。

10日目前後・・・空腹が痛みを優り始め食事量が増え始めます。
依然として大きな口は開きませんが、咀嚼スピードは上がり、量が増えました。
痛みは酷いままでした。

3週間前後・・・痛みはありますが、普通に食事できます。
ただし、口を大きく開ける食事は苦戦しました。

1ヶ月前後・・・食事をするのに問題ない大きさには口を開けるようになります。
ただし、無意識に欠伸などをすると激痛を感じました。

 

読書可能な時間について

私は時間を持て余すと思って小説をいっぱい持ち込んだのですが・・・。

5日目頃までは活字を読むのは殆ど出来ませんでした。

1週間前後には1回30時間程度は読めるようになりました。
ただし1日3時間程度が限度でした。

10日目前後には1回1時間は読めるようになりました。
これ以降、1ヶ月頃までは1回の読書時間は1時間が限度でした。
それを超えると目に痛みを感じました。

 

映像視聴が可能な時間について

1週間前後には普通に視聴可能になりました。
私の場合、映像視聴はあまり苦になりませんでした。
同室の方は、手術後はテレビですら30分も観れなくなったと言っていました。

 

音楽鑑賞が可能な時間について

これは特に問題ありませんでした。
むしろ音楽を聴くことで寝たきりの苦しみを忘れてリラックス出来ました。

自分の好きな曲を携帯でもIPADでも何でも良いのでストックしておいて、一般病棟に戻ってからは耳に装着してもらうと良いと思います。

 

開頭クリッピング手術の後遺症について

手術前の人はあまり後遺症などの事は読みたくないと思う人もいるかと思います。
そういう方は飛ばしてください。
読まないほうが良いと思います。

 

嗅覚脱失について

私が今も苦しんでいるのがこの嗅覚脱失です。
一言で言うと「全く匂いがしません」。

開頭手術や交通事故で頭に怪我を負うと、嗅覚障害が起きやすいそうです。
未破裂脳動脈瘤が前交通動脈にある場合、かなりの確率で起きるとも言われました。
そして、実際に自分の頭でも起きました。

退院1ヵ月後の検診時に嗅覚外来へ行くように言われ今も通院してます。

この嗅覚障害については、後日、詳しくまとめます。

 

失語症について

術後1週間程度ですが、一時的に言葉が思うように出ないことがありました。
これも頭部の手術や外傷時に起きる症状だそうです。
話そうとしても言葉が上手く出ない・・・
そんな感じでしたが、直ぐに治りました。

治ってからは全く問題ありません。

 

右手足の痺れについて

左即頭部から前交通動脈の動脈瘤手術をしたので、僅かにですが右の手足に痺れが生じました。
ただ、術後1週間までは手足を酷使する場面がなく気付きませんでした。

1週間~退院までの間に、退院後の通常生活を取り戻すべく急ピッチでリハビリを行いました。その最中で違和感を感じました。
具体的には・・・
歯ブラシをしている時に歯ブラシを落す。
着替えを手に取ったつもりなのに落す。
疲れてくると微妙に右足を引き摺る。
などの症状でした。

更に、退院して通常の生活を始めるとけっこう問題がありました。

  • 物を掴めずに落して壊す、割る。
    →かなり集中して物事を行わないとかなりの確率で落しました。
  • 急いだり疲れると右足を引き摺りつまづく。
    →実際に何度か転倒しました。

医師からは脳の状態には問題ないので様子を見ると言われました。
3ヶ月くらい上記の症状が続きましたが、徐々に解消されました。

半年後には殆ど気になることはありませんでした。


退院までは当に様々な身体の問題が起きました。

ただ、入院中はそれほど悩んだり気にしたり、心配したりしませんでした。
なぜなら、退院までの日々は毎日が幸せだったからです。

「日々よくなっている」
と言うことを実感出来ましたので。
そして・・・
「破裂の恐怖はもうない」
その幸せが全ての苦しみや辛さを忘れさせてくれました。

 

次回『未破裂脳動脈瘤と闘う~入院9日目(術後8日目)。退院日が決まる~』です。

 

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未破裂脳動脈瘤と戦うのに役立つと思う本の紹介です

突然死を防ぐ 脳・心臓のいい病院 (週刊朝日ムック)

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