lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

スポンサードリンク


『深夜特急』を読んだ!



深夜特急(著:沢木耕太郎/新潮文庫)を読んだ!

すいませんね。毎度毎度、今更何を読んでんだ???ってな記事が続いておりまして。。。

この本の存在は、当然子供の頃から知っていた、中高生の頃、何度か読む機会があったのだが、いずれも「何か思う所があって」、パスしていたのだ。
今回、イイ年にもなってきたし、読んでみようと思いたち、いつものマイ有料図書館で100円で大人買い(100円で大人もへったくれもないが。。。)した。

(粗筋)
簡単に、、、ホント簡単に言うとですな、、、。
20代半ばの青年が、海外旅行を思い立ち、友人達とその話しで盛り上がり、インドのデリーからロンドンまで「乗り合いバス」だけで旅をする事が出来るのか?で賭けをした。
そして、主人公はナケナシの数十万を手にして、旅立つ。
香港~バンコク~シンガポール~カルカッタ~カトマンズ~カトマンズ~デリー~パキスタン~アフガニスタン~イラン~トルコ~ギリシャ~イタリア~モナコ~フランス~スペイン~ポルトガル~スペイン~フランス~イギリス。
多くの場所を訪れ、泊まり、食べ、移動し、話し、出会い、感じ、見て、、、最後に主人公が得るものは。。。

(感想)
良かった。
10代の頃に読まなくて、ホント良かった。強がりとか、痩せ我慢ではなくて、本当に自分の本能に感謝です。
自分の性格は今となれば、だいぶ判っている。
熱しやすく覚め難い。夢中に成り易く止め難い。意志薄弱で流され易い。
きっと10代の頃にこの本を読んでいたら、ただただ熱病に冒されたように海外へ飛び出し、、、そして、死んでいたと思う。本の中に描かれていた、カトマンズで薬漬けになって血を吐いて死んだ若者のように。。。

僕はこの本を否定する気ははない。作者が「一人でも多くの若者に海外に出て欲しい」と願ってこのエッセイを書いている事には、心から賛同する。
ただし、作者のように多少なりとも社会を知ってから出る若者と、何も知らずに出る若者では、大きな違いがある。
それは「己を知っているか?」と「挫折の経験はあるか?」です。
この2つを知らないで、このエッセイと同じ様に旅をしたら、遠からず、酷い目にあう。それも体験の1つだと言う人もいるが、僕はそうは思わない。
「気軽に人を信じ、レイプされた若い女性や男性(世界では男も対象になる)」
「気軽に人を信じ、死の一歩手前まで、まさに身ぐるみ剥がされた若い男女」
「気軽に人の勧めに応じ、薬物中毒に悩む若い男女」
バンコクでもインドでも、ヨーロッパでも、この目で多数見てきた。
自分は、本当に運が良かった。大学入試に失敗し、2年近くフラフラし、水商売まがいも経験した事が、最初の中国への旅で、極限までいかずに済んだのだと思う。そして知り合った仲間が様々な危険を教えてくれ、事故にも出くわしたが怪我もせず、上記のような廃人寸前の人たちも目にしたことで、小心者の性格に歯止めを掛けることが出来たからだ。

何が言いたいのかと言うと、
普通に日本の高校生をやってきて、いきなり海外へバックパッカーに送り出すのは、あまりにも無謀であると言うことだ。出て行く方も問題だが、出す方も問題だよ。
そんな事は百も承知だ。何、うるさいこと言っているんだ。皆、普通に楽しんで、得がたい経験をして、帰って来てるじゃないか!とよく言われるのだが、、、それでも、僕はずっと言い続けたいと思う。
インドのホテルでみた、数日間監禁されレイプされ続けた日本人女性の虚ろな目を、僕は一生忘れることが出来ないから。。。
何も無いのは、運が良かっただけなんだよ。。。

この本を読み、世界に興味を持って欲しい。持って旅に出て欲しい。
本当にこの本は凄い。30代後半になっても、血をウズウズさせるもの。
でも、絶対に無理はダメだ。少しずつ体験していけばイイじゃないの。ね!

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

スポンサードリンク