羊を巡る冒険(著:村上春樹/講談社)を読んだ。
羊ばなしの三部作終焉だ。
正直なところ、私にはこの三部作だけを読んでいたら、きっと、村上春樹の本には没頭しなかったと思う。今回、改めて読み直してみて、やっぱり、自分の考え方や価値観にはしっくりとくるものが少なかった。
まあ、それはともかく、あらすじ、あらすじ!
この本は、先の2作品(「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」))がそれぞれ300ページ程度の短かい小説だったのに対し、一気に枚数は増えて、800ページ以上にもなる長編小説となっている。小説かもRPGゲームみたいにレベルアップするんだなぁ、、、と、どーでもいい事をかんがえてしまったりする。。。
登場人物は、前作から引き続いて、「僕」そして「鼠」。周りを固めるキャストとしては、バーのマスター・ジェイ、僕の別れた妻(前作で事務所の女の子として出ていた)、共同経営者の友人、耳が綺麗な女の子、、、そして、羊男だ。
あ、忘れてた。右翼だかの、いわゆるフィクサーの小間使い的(のわりには結構重要な役か)な男が一人いた。
物語は、ある日、鼠が僕に送ってきた一枚の絵葉書から始まる。
絵葉書は、何てことない牧場の風景だ。牧場があり、羊がいて、山があり、空がある。普通の風景だ。ただ一つ、羊に☆マークがついていることを除けば!
その絵葉書を、共同経営している会社で作成しているPR誌に載せたことによって、「平凡に気楽に過ごしていた僕の人生」は。大きく動き出す!
妻と別れ、共同経営していた事務所をやめ、プーになって、地元の町のジェイに会いに行き、鼠の話しをし、いつもの如く新しい女をすぐ見つけ(ホントムカつく!)、フィクサーの小間使いに脅され、どーでもよくなって、北海道に飛んで行く。
ま、こんな感じだよ前半は、マジでね。
後半は、もう少しミステリアスな感じになる。
耳の綺麗な女の子に導かれるようにして、僕は北海道へ行き。いるかホテルに滞在し、羊を探し続ける、やがて、鼠の居場所を突き止め、その場所へ向かう矢先、女の子は消えてしまう。消えたのに気にせず、鼠探しに向かう。(フツー大騒ぎするだろう?いや、この辺の淡白さが、意外と女の子を惹きつけるのか???)
鼠が居たと思われる山小屋で、時を過ごしていると、羊男とついにご対面!
一気に話しが進むかと思いきや、そこからが、結構難しい。というか、「僕」と「羊男」の会話の内容が、今一つ記憶に残っていない。しっくりこなかったんだな、私には。。。
ま、ここから最後までは、読んでのお楽しみにしましょうね!
私的にこの本で面白かったのは、、、
僕が電車の中で、北海道開拓史を延々と読んでいるところかな。その風景とか情景とかが浮かんできて、結構面白かった。
それから、いるかホテル。これがまた、冴えない外国のちっぽけなホテルを思い出させてくれる感じで、面白かった。
最後に、拾った猫をイワシと名づける、フィクサーお抱えの運転手さん、、、かな。