lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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ちょっとピンボケを読んだ!



ちょっとピンボケ(著:ロバート・キャパ/川添浩史・井上清一訳/文春文庫)を読んだ!

この本を、初めて読んだのは確か小学生の時だったと思う。父親の書斎で色々な本を物色するのが好きになった頃だから、多分、小学校高学年の頃だったはずだ。
きっかけは何だったかは覚えていない。でも、このちょっと変わったタイトルに惹かれ、パラパラとめくった時に見えた衝撃的な戦争の写真は、少年の心にど真ん中ストレートで、そのまま部屋に持ち込んで、何度も何度も眺めた気がする。正直、文章は読んでいないと思う。読んだかも知れないが、小学生では理解できないものだった。

中学時代にも何度か見た気はするが、やっぱり内容は覚えていない。

あれから20年以上も経ったわけだ。

行きつけ(居酒屋じゃないんだが。。。)のブックオフの本棚に懐かしいタイトルを見つけ、即、買ってしまった。懐かしい写真が最初に数点綴じられていて、「あ~、そうだそうだ、こんな写真だ~」と思いながら、本を読み始めた。

???
ぜんぜん、知らんぞ?この内容!!
って感じだった。
でも、期待外れじゃない。面白いんだ。文章が。もちろん翻訳されているから、訳者の感性に笑わされているのかもしれないが。。。

やばい、粗筋書かなきゃ、、、。

始まりはニューヨークから始まる。
キャパの生まれ故郷であるハンガリーがドイツ側(正確には占領)に立ち、キャパはアメリカにとって敵性国の人間となり、稼ぎも無く、右にも左にも行けなくなっていた所からだ。
彼の持ち前の行動力をフルに回転させ、従軍記者として、アメリカを脱出し、イギリスへ渡る。
その後、北アフリカシシリーローマそしてノルマンディからバストーニュ、、、欧州の主要戦線の殆どに顔を出していくキャパの数年間が、日記のようにして書かれています。

今回読みながら、殆どの戦場の映像が浮かんできた。
イギリスへ渡る際の、潜水艦との戦いは『U-ボート』を思い出したし、北アフリカは『パットン』、シシリーやイタリアは様々な戦争映画で描かれているし、ノルマンディはやっぱり『プライベートライアン』か、バストーニュも『バンド・オブ・ブラザーズ』で観た。
映像で観た記憶は、本を読むときにも影響するもんだなぁと知った。

それにしても、キャパの行動力は確かに凄いのだけれど、だけど、これほどまでに彼を戦場に駆り立てたものは何だったのだろうか?イタリアでは銃こそ手にしてないけれど、一つの砦攻略に同行した為に殆ど死に掛けているし、ノルマンディ上陸は、あの『プライベートライアン』の最初に描かれていた暴風雨の様な殺戮場にいた訳だし、何故なんだろう?

本の後半で、彼の友人が亡くなる。
欧州戦線から遠く離れた太平洋の小島で亡くなる。
伊江島で、日本軍との戦闘で亡くなる。
ここの記述だけは何故か鮮明に覚えている。世界が繋がっていると言う実感を、まだガキだった僕に強烈に印象付けてくれたからかもしれない。西で人が生まれれば、東では人が死んでいる。北で人が泣いていれば、南では人が喜んでいるかも知れない。歴史は一つでは無くて、全てが繋がっているんだと実感させられた。日本史・世界史と学校教育では愚かにも区別しているけど、そんな事は意味が無く、ただ『歴史』なんだ。と。

多分、僕が歴史を好きになった、一つの切っ掛けだったのかも知れない。

いつか、原文で読む機会が欲しい。
そう思った。

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