lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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『OUT』を読んだ。



OUT(著:桐野夏生/講談社文庫)を読んだ。
今年の夏に挑戦している、初物読み、、、第3弾かな。。。
ま、これも今更ながらとは思いつつ、、、チャレンジしました。

 

(粗筋)
年齢も生活環境もそれぞれ異なる4人の主婦(一人は性格には主婦ではないが)が、夜勤のパート先で知り合い、きつい仕事を少しでも楽にこなすために、仕事を一緒にやるようになる。
40代後半の雅子。
夫とは家庭内別居で、一人息子も不登校という、典型的な崩壊家庭。4人組の中ではリーダー的存在である。
50代前半のヨシエ。
夫とは死別。夫の姑の世話を献身的にこなしているが、積もり積もった不満と疲れがいつ噴火するのかしれない。年齢的には一番上の為、4人の中では「お師匠」と呼ばれている。子供は娘が2人。長女は早々に男を作って家を飛び出している(後にガキを母親に押し付けに帰ってくる)。次女は、寝たきりの祖母や、長屋のような狭く汚い字体に嫌気がさし、母親とも上手くいかなくなってきている。
30代前半の邦子。
仲間内では20代後半で通しており、見栄を張る癖が強い。また、キャッシングを繰り返しており破産寸前。雅子には既に実態を気付かれつつある。
30代前半の弥生。
一見、ごくごく普通の幸せな家庭の奥様のようだが、実は夫のDVに悩んでいる。また、夫が家に給料を入れず、飲み歩き・女遊びに使っている事に対し、不満が募りつつある。
この4人の主婦に加え、二人の男が話を盛り上げていく。
佐竹。
新宿でチャイナパブと賭けバカラを経営。この店に弥生の旦那が関ってくる。彼は以前、ヤクザの舎弟状態だったとき、裏切り行為を働いた女を嬲り殺した事がある。
十文字。
しょうもない街のチンピラ。街金をやっている。邦子に関ってくる。以前、銀行の債権回収の仕事をやっていた時、雅子の事をある意味(群れない・つるまない)尊敬していた。

事件は、本当に些細な事が切っ掛けとなる。数日前に夫から受けた暴力への恨みを募っていた弥生は、飲み歩き・金を使い果たして帰宅した夫の背中を見てふいに、殺意を抱き、後ろから絞殺する。
我に返り、彼女が電話した相手は、パート仲間のリーダー役でもある「雅子」であった。

「雅子」の下した決断は、バラバラに解体して、痕跡を消し去ること。
計画は予定通り進むかに見えたが、雅子自身が信用できないと考えていた「邦子」を、已む無く仲間に入れた事が、全ての歯車を狂わせて行くことになるのである。

彼女たちを猟奇的行動に走らせたのは何故なのか?
完全犯罪の綻びは、いつ、どこで、誰が、どのようにして起すのか?
引き返すことの出来ない闇の階段を下り始めた彼らが辿り着く場所は?

(感想)
ちょっと、いやかなりかな、グロイ。。。
昼飯にミートソースを食いながら読んでいた時は、流石に吐きそうになったよ。。。
マジで。。。

さて、、、読み始めて思ったのは、「面白い」「これは楽しめそうだ」である。
この前まで読んでいた高村薫の「マークスの山」や「照柿」の時には、余り感じられなかった感情である。
ま、はっきり言って「個人的見解」だし「嗜好の違い」だから、、、
別にどっちが良くて、どっちが悪い訳ではないのだか、私にとってはこの作品の方が楽しめただけです。
要するにだ、このブログでも何度か触れてきましたが、「読みながら感情移入」「読んでる世界の住人になる妄想」が出来るかどうか、し易いかどうか、がどうやら私の本の楽しみ方らしい。

ま、そんな所が判っただけでもヨシとしよう!!

アレ、、、感想がないな[E:coldsweats01]

描写も見事(というかリアル過ぎ!)だし、今となればあまり珍しくない猟奇殺人も、これが書かれた当時(1998年)でこのようなネタで書いたことに驚きを感じます。
また、これもやはり今では珍しくもない、貧富の格差・中間層の減少も、先取りしている凄さに驚きです。
それから、夜の都会で、逞しく賢く強かに生き抜いて、稼いでいく中国人女性達と、日本人の血を引いていながらも生活弱者に立たされている日系ブラジル人の双方を描く事で、もしかすると著者は、日本が抱えている多様性の欠如・希薄な同朋意識なども描きたかったのかなぁ。。。と思ったりして。

なんて、ちょっとは感想みたいな事を書いてみたりして。。。
ま、無難に楽しめました。ちょっと、飯時は止めた方がイイですが。。。

それから、ネットで本の感想文カンニングしていたら、ドラマ化映画化されていたのを知りました。映画はともかく、どこまでドラマでこのグロさが描けるんだろう。。。
ただ、、、
ドラマの方の佐竹役・柄本明も今ひとつしっくりこないけど、、、
映画の方の佐竹役・間寛平は如何なもんだろう。寛平さん、嫌いじゃないし、アースマラソンも応援しているんだけど、
でも、、、でも、、、読んでいた時にイメージしてた佐竹じゃない~

 

 

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