『がらくた』(著:江國香織/新潮文庫)を読んだ!
ちょっと、夏の冒険・・・(新しい著者と本という事)を続けてきたので、慣れ親しんだ人と文章に戻ろうと思っていたら、江國香織のまだ読んでない本を、本屋で見つけた。
しかし、、、
慣れ親しんだ場所へ戻るつもりだったのだが、、、。
簡単なあらすじ
資産家の老婦人・桐子とその娘・柊子が、バカンス先でミミ(美海)と建築家の父親と出会ったことから物語りは始まる。
彼らの関係は、ミミが大人達の間を行き来することで、次第に膨らみ、絡み合っていく。
ミミのボーイフレンドを桐子に会わせたり、柊子の旦那でマスコミ関係に勤める原と知り合ったり、、、。ミミのママと新しい彼氏に出会ったり、、、。時々、父親に会いに行ったり。
関係が広がり、絡み合い、深い関りになって行くけど、決して泥沼化せず、ジメジメもベタベタもなく、淡々と時が過ぎていく。
本の感想
読み始めて、最初の頃は、「あ~慣れ親しんだ江國文章だなぁ」と思っていた。ミミのパパと柊子が関係を深めるところなんか、、、よくある江國作品の描かれ方で。。。
モロに書かず、グロくもなく、、、でもエロイ。中学生だったら絶対に興奮しない。色んな経験を重ねた年齢になってるからこそ、かえって色々創造しちゃうんだよなぁ。。。
それと、章ごとに物語の一人称が入れ替わる手法も面白い。途中で気付いた(わたしゃ、鈍いもんで。。。)ですが、すげぇなぁ~と思った。だった、自然に流れてるんだもん。文章がさ。
しかしだ!
最初にちょいと書いたように、、、しかし、、、。なんだよ。
なんかね、、、今回の作品は今一つのめり込めなかったんだ。
ここまで、新しい本に挑戦した悪影響なのか、、、何なのか?単に、今の自分の精神状況が仕事のストレスで穏やかで無いからか?それとも、究極・独り身のオイラには夫婦感が判らないのか。。。
なぜだ!なぜなのだ!!
今まで大好きだった、江國文章、、、。確かに、気に入った。今ひとつだった。という感じはあったが、ここまで違和感を感じることは無かった。。。
う~ん。。。
今年の4月に読んだ『こうばしい日々』の文章を読み返すと、、、。
大好きなままの感想になってるのに。。。
う~ん。。。
ま、いいかっ!
あ、、、タイトルの『がらくた』ってなんだ。。。
ここに描かれている事は、登場人物たちの人生の中の、ほんの『がらくた』という意味なんだろうか???
それにしちゃ、高校生とおっさんのラブホテルは『がらくた』ではすまないんでは???
時々、警察にとっ捕まっているおっさん達が、逮捕されたときに
「何をしているんだ?」
「いや、がらくた遊び~」
って言ったら、余計立場が悪くなるような。。。
ま、いっか!
いつか、再読する時には、きっと場所も気分も環境も異なってるだろうから、その時にでもまた色々と考えるとしよう。