前回の記事では、予防目的で脳ドック(MRI)を受ける必要が本当にあるのか?という点でブログを書きました。
今回は、なぜ気楽にMRIの受診を勧めないのか、その点について自分の気持ちを書きたいと思います。
脳ドック(MRI)で未破裂脳動脈瘤が見つかる確率は?
私がMRIの撮影を行い、未破裂脳動脈瘤が見つかって様々な病院を訪ね歩いているとき、たぶん私がこの世の終わりみたいな顔をしていたからだと思うけど、ほぼ全ての医師が同じような事を言って慰めてくれましたよ。
『○○さん、そんなに深刻な病気じゃないよ。40代以上の人が100人いたら、5人程度は同じ症状の人がいるよ』
確かに、聞いたときには「そっか、そうなんだ。」と思ったけどね、でも、すぐに「100人に5人見つかろうが、俺の悩みの解決にはならないよ!」と余計に落ち込んだことも覚えていますが・・・。
この100人5人ですが、先生が私を安心させるためについた嘘かと思って調べたら、ちゃんと根拠のある話でした。まあ、嘘は言わないか・・・。
確かにMRIを受診して、未破裂脳動脈瘤が見つかった人の統計を残しておけばある程度正確な数字にはなるのだと思う。
下記リンク先の「① 未破裂脳動脈瘤とは」の中段に以下のような記述があります。
成人の2~6%(100人に数人)にこのような瘤が発見され、たまたま脳のMRIやCT検査をうけたり、脳ドックをうけたりして見つかる場合がほとんどです。
今、少し冷静に考えられるようになったからこそ、この統計が結構怖いと思うのです。
そして、ネット上に溢れている「脳ドック」の勧めサイトが憎くです。
だって、今は脳ドックやMRIの受診はそれほど主流にはなってない(流行ではあるけどまだ割合は低い)けど、これが義務や主流になったら、勧めている人たちはどうやって責任取るつもりなんだろう?って思うから。
下記リンク先の「2.脳ドックについて」の「1)脳ドックとは」に以下の記載があります。
クモ膜下出血について - 地方独立行政法人 総合病院 国保旭中央病院
- 脳ドックの現状:実施施設は全国で600以上。脳ドック年間10万~数十万人(人間ドック受診者は年間300万人以上)
もしもこの割合の通りだとして、10万人の5%は、、、5000人か。仮に年間ドックの人全てが受けるようになったら、、、15万人!?
まあ、年代が幅広くなるから、40代以上は単純に半分としても7~8万人も毎年見つかることになる?
そうか、そんなに同志がいるのか・・・。
じゃなくて、そんなに見つかったら、マジで世の中パンクするよ。明日への恐怖で悩み苦しむ人たちで・・・。
だって、ネット上に広まってる「脳ドック・MRI推奨」のサイトは、まず殆どが受診の薦めであって、見つかったときの「心の対処」まで書いていないもの。なんでそこに踏み込んで書いてくれないの!見つかったと言われた人が「どれだけ悩み・苦しんでいるか」に触れていないの?その点を先に触れて心の準備をしない限り、私のような「廃人寸前状態」になる人は減らない。
その点に対してプロの医師達が提言してくれない限り、私は気軽に脳ドックやMRIを勧める医師や病院を信頼できません。
だから、私は安易な脳ドック・MRIはお勧めできない
今の医学の進歩は本当にすごいと思う。頭をパックリ開いて手術しても、2週間もしないで退院出来るし、普通の生活に戻れるんだから、本当にすごい!
脳ドックを受けることで、本当に大変な病が見つかり、人生の続きを見れることになるかもしれない。
それゆえ、脳ドックやMRIの受診を勧めることが広く普及していると言うことは理解できる。でもね、脳腫瘍や血管の異常など、確実に治療が必要な病と、未破裂脳動脈瘤は根本が違うじゃない。未破裂脳動脈瘤も中には治療が必要なケースもあるだろうけど、その多くは「直ちに生態的活動に影響を及ぼさない」ってどこのサイトにも書いてあるじゃない。でも、万一破裂したときには・・・って脅しながら。
そのままでも生きていけるのに、でもリスクを負って手術をしなくてはいけない、した方が良いと悩むことになる。そんな人生がどれだけ苦しいか、それをはっきりさせたうえで、以下の方針で受診の勧めをしてもらったら良いと思う。
- 普段の生活に何らかの異変を感じている
- 念のための受診
- 予防的な受診
1は積極的に受診を勧めてよいと思う。でも、2・3は「万一の時の悩み」をしっかりと伝えるべきだと思う。
もちろん『伝えたとしても悩み・苦しむことには違いない』。
でも、知ってて悩み、苦しむのは、知らないで悩み・苦しむのと比較にならない。
少なくとも、前に進むための行動に違いが出る。
なんだか、愚痴になってしまった。
あの時、自分が感じていたことを、なるべくそのままに書いてみたら、愚痴になってしまったよ。でもこれが本音だから、しょうがない。