このブログは、2015年春に偶然見つかった未破裂脳動脈瘤を、2016年春に『開頭クリッピング手術』を受けて治療した、私自身の体験に基づく闘病記録です。
前回の記事は、退院後1週間までの痛みの変遷などについてまとめました。
未破裂脳動脈瘤と闘う ~退院後1週間までの生活と痛みの変遷~ - lands_end’s blog
今回の記事は、未破裂脳動脈瘤が見つかったら車の運転はどうしたらいいのか?についてまとめます。
この闘病日記は、時系列通りにまとめてきましたが、この「車の運転」だけはすっぽりと抜け落ちていました。
そこで、闘病日記が退院まで辿り着いて一段落しましたので、このタイミングでまとめることにしました。
何故にこの車の運転についての記事が抜けてしまったのか謎です。当時、かなり心配して悩んだはずだったのですが・・・。
思い返してまとめます。
未破裂脳動脈瘤が見つかったら車の運転はしても良いのか?
未破裂脳動脈瘤が見つかってからは、誰もが同じような状態になると思いますが、
「いつ破裂するのか?」
「破裂したらどうしよう?」
といった恐怖感や悩みにさいなまされました。
必死にこの病気のことをネットや本で調べ、各地の脳神経外科を訪れては話を聞いていました。
その際、私は病院へ行くのに車を使っていました。
私は運転が好きなので、免許を取って以来ずーっとマニュアル車に乗っています。
その理由は、スピードを出したり、峠を攻めたりするのが好きなのではなくて(臆病なので)、ギアを操作する・・・つまり、両手両足で車を運転するのが好きなのです。
そんな私にとって、車の運転は歩くのと同じ程度の感覚だったからこそ、全く心配しなかったのでしょう。「運転中に破裂したらどうしよう?」とは・・・。
病院を訪ねる際、嫁さんも仕事を休んで同行してくれていました。
あまりに休んでもらうのは申し訳なかったので、ある時こう言いました。
「話を聞きに行くだけだから、大丈夫だよ、一人でも」
そしたら、彼女にこう返されました。
「車だと、何かあった時大変でしょ?」自分はアホだな・・・と思いました。
彼女は私の身体を心配してくれて、いつも「今度は車?電車?」と訪ねていたのです。
もっとも、彼女の免許はオートマ限定だから途中で交代は出来ないし、大抵は直ぐに居眠りしているので何かあっても気付かないだろうけど・・・。
それでも、私の身体に気を使ってくれていたことに気付かず、申し訳ない気持ちで一杯になりました。
その会話をきっかけに、ようやく考えるようになりました。
「未破裂脳動脈瘤がある人は車の運転をしても良いのか?」
色々と調べても答えが見つからないので、医師に聞いてみました。
医師の回答はグレー
嫁さんとの会話以降、病院へ行くたびに必ず訊ねていました。
「私は運転しても大丈夫でしょうか?」と。
医師の回答は以下の3つに集約されました。
- 「問題ありません」
- 「体調に異変があったら止めて下さい」
- 「絶対に大丈夫とは言えません」
医師はCTやMRIで撮影した時の未破裂脳動脈瘤の形状から、破裂の可能性を判断するそうです。しかし、撮影時から時間が経てば形状が変わることもあるため、100%の確実な答えは出せないそうです。
ただ、症例を多く見てきた医師であれば、感覚的に早めに手術を受けた方が良い動脈瘤に気付くそうです。
医師との面談で判ったのは次のような点でした。
未破裂脳動脈瘤が見つかった患者に対して
●運転をしてはいけないという法令はないそうです。
仮に未破裂脳動脈瘤がある事を知っている医師が運転を許可したとして
●患者が事故を起しても医師が責任を問われることはないそうです。
仮に未破裂脳動脈瘤がある事を知っている患者が運転して事故を起しても
●患者が責任を問われる法令はないそうです。
と言うことでした。
※2015年に病院巡りをした時の医師たちの見解です。
法律で運転をすべきでないと定められている6つの疾患
先の述べた法令の件ですが、医師の何人かから以下の話を聞きました。
【自動車運転死傷行為処罰法】
上記法令において、(自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気)とされている疾患とは次の6つです。
- 統合失調症
- てんかん
※てんかん患者の全てがダメな訳ではないそうです。 - 再発性の失神
- 無自覚性の低血糖症
- 躁うつ病
- 睡眠障害
これらの中に、脳血管障害は含まれていません。
なぜ含まれていないのか?と医師に聞いたいのですが、可能性の問題だと言う回答ばかりでした。
運転中にくも膜下出血が起きる可能性はどれくらい?
当時、気になったので実際に運転中にくも膜下出血が起きる可能性がどれ位あるのか調べてみました。
病院で確認した時には、そのような統計はない!と言われました。
警察に聞いてみたら、事故の統計でそれが病気なのか?何の疾病なのかを調べた統計はない!と言われました。
ただし、交通事業者(正確な言葉は忘れました、バスやタクシー会社のこと)は、そのような統計を取っているはずだと教えてもらいました。
そこで、市営バスや都営バスに聞いてみましたら、確かに統計は取っているそうですが、詳しくは教えてもらえませんでした。
それでも、ネット上に発表しているところもありますよ・・・と匂わせてくれたので、色々とネットで探して見つけたのは以下のサイトでした。
たぶん、今なら他にも探せばあると思います。
統計を知ると余計に悩むが・・・
上記で紹介した記事の中に自分が知りたかった数字で紹介されていました。
全運転者数(運転をする一般の人は含まれない)の割合ではありませんが、事故が発生した時の脳疾患の割合は33%(内くも膜下出血が14%)となっています。
この数字が多いのか、少ないのか、正直、全運転者数での統計でないので何とも言えません。ただ、当時思ったのは次のような考えでした。
1年のうちに破裂する可能性が1%程度で、その時に運転している可能性は限りなく低いのではないだろうか・・・。
自分の結論・・・運転は続けることにした
無責任だ!
そう言われるかも知れません。
それでも、私は運転することを選択しました。
なぜなら、手術するにしてもしないにしても、普段と変わらず生活を送ることを前提としたからです。
もちろん不安はありました。
もしも運転している時に破裂して、事故を起したらどうしよう。
もしも子供達の列に突っ込んだらどうしよう。
それでも・・・そこまで気にしてしまったら、何にも出来ません。
「いつ、どのような時に、破裂するのか誰にも判らない」
「5ミリ以下の脳動脈瘤が破裂する可能性は基本的には年間1%以下」
医師がそう言っている以上、信じて生きるしか選択肢はありませんでした。
未破裂脳動脈瘤が見つかってから運転中に気を付けたこと
偽善と言われるかも知れませんが、運転をすると決めてからは以下の3点を守るようにしました。
- 30分以上運転する時には家族に同乗してもらう
- 身体に負荷が掛かるような運転(長時間)などはしない
- どんなに煽られても制限速度以上出さない
上記のように自分なりにルールを決めて運転をすることにしました。
家族も黙って協力してくれました。
ただ、ルール1を守るのはけっこう大変でした。
このルール1を守る大変さも、手術を決断した理由の一つだったように思います。
私が手術を決意した理由は「以前と同じ生活をしたい」でしたので。
今回の記事は、手術前に車の運転をどうしたのか?と言う視点でまとめました。
もっと簡単に書けると思ったのですが、予想以上に時間が掛かってしまいました。
あの時の決断を、仕方ないとは思いながら、どこかで許せない自分が居るのかも知れません。
次回は手術後、退院してから車の運転はいつ再開したのか?その時どうだったか?と言う点についてまとめたいと思います。
次回『未破裂脳動脈瘤と闘う ~開頭クリッピング手術後、いつ車の運転を再開したのか?~』です。
↓応援ありがとうございます。
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