『宿敵』(著:遠藤周作/角川文庫)を読んだ!
『決戦』『反逆』と読んで、、、一気にこれを読むことにした。
これも2回目だ!初読は5年以上前のはずだ。。。多分。。。
(粗筋)
小西行長と加藤清正が、秀吉の元でまだ小西彌九郎と加藤虎之助と呼ばれていた頃から物語りは始まる。本能寺の変が起きた後、如何にして明智と戦うか?どのようにして、敵を減らし味方を増やすか、、、。清正のイメージにはあまり無い、外交手腕の競い合いから2人のライバル関係は始まる。
「山崎の戦い」「賤ヶ岳の戦い」「築城技術」「九州制圧中のキリシタン禁令」「肥後と宇土・背中合わせの領地」「朝鮮出兵」「関が原」、、、。出自も違う、性格も違う、体格も違う、好みも違う、そんな2人が、秀吉の元で競い合う中で、互いの心の中に芽生えてくる「嫉妬・敵対・猜疑の心」。
そして、「朝鮮出兵」の最中、行長の盟友でもある三成が手を加わることで、二人の関係にもはや修復が不可能なほどの亀裂が入ってしまう。
物語の最後は、秀吉死後の「関が原」。行長は関が原へ向かい、清正は九州にあって領地の肥後から行長の領地である宇土攻めへ向かう。。。
2人の結末は如何に。。。
(感想)
この本を読むまでの行長の印象は良くない。
「キリシタン大名」「坊ちゃん」「日和見」「清正の足引っ張り」「関が原の及び腰」。。。
うん、ごめん、行長、我ながら「酷い印象」だよね。
でも、仕方ないのさ。だって、表の歴史には君は敗残者だから良く書かれるはず無いものねぇ。許してくれいっ!
さて、では読後の印象が変わったかであるが、、、。
ごめん行長、、、。私的には「イライラする部下」って感じかな。最後の最後まで、腹括りきれない君の姿勢がなぁ。
この本のテーマでは「面従腹背」となっているから、モヤモヤした感じが出てしまうのはショウガナイかも知れないが。でもね。。。
ごめん行長、、、。私、ミーハーだから、清正が好きなんよ。だから何度も熊本城は行っているし、彼の終始一貫した豊臣への態度がね。。。にもかかわらず、君の奥さんが清正を毒殺???みたいな下りもあるしさぁ!!
行長がもし、朝鮮出兵時に清正と友好関係にあって事を進めていれば、もっと違った結末になったような気がするし、例え敗退していてもだ、徳川の天下は無かったじゃない!本の中ではさ、三成への友誼で西軍に参加して散るのが美談みたいだけどさぁ。。。でもさぁ、残された宇土の人達はどうなるのさ???
それにね、関が原でも言いたい事がある!
行長!君の軍は4000だよ!!
大谷吉継は2500で獅子奮迅の戦いぶりを見せてるぜ!!!
関が原ではないが、上田城の真田は2000強で3万以上の敵軍を翻弄したぜ!!!!
なあ、行長!!!!!
なんで、そこまでモヤッと君なのさ。
以上、行長君弾劾の感想でした。
ごめんね、、、。
熊本城の宇土櫓に行った時には、ちゃんと君の事を思い出してたからさ。ま、本物かどうかは怪しいらしいと知って、「行長らしいなぁ」とほくそ笑んだけどね!