2020年J1リーグもいよいよラストが見えてきた。
今シーズンは開幕して直ぐに、コロナによる影響で約5ヶ月間に渡る中断を強いられました。
ルヴァンカップは、予選リーグを半減して実施となりました。
天皇杯に至っては、J1チームは上位2チームが準決勝から参戦になりました。
まさに、異例尽くしのシーズンとなりました。
そして、鹿島にとっても「ある意味」異例のシーズンとなった。
2018年には悲願のアジアタイトルを獲った大岩監督と決別し、もう一度、常勝軍団としてタイトル争いに絡み、そして、タイトルを獲り続けるチームとなるために、チームに必要とされる戦術を浸透させられる監督をブラジルから招聘したのだが・・・。
それは、選手にもサポーターにも、想定以上の生みの苦しみを伴うものでした。
2020年J1リーグ28試合消化時点での鹿島の選手データ
出場数、ゴール数、アシスト数、カードの枚数
を1つに表にまとめました。
表にまとめると、今年の鹿島の弱点がハッキリします。
・得点源のエヴェラウドが鍵
対戦するチームからすれば、今年の鹿島はかなり対策が立てやすいチームだったのではないでしょうか?
エヴェラウドを抑え、三竿やアラーノに自由にプレーをさせないことが出来れば、鹿島の攻撃はほぼ停滞してしまうことが、数字上でも判ります。
今シーズン、序盤は特に苦しんだ訳です。
2020年シーズンの鹿島の苦しみとは・・・
シーズンはまだ終わっていませんが、これだけはハッキリ言えると思います。
「早々にタイトル争いから脱落した苦しいシーズンだった」
鹿島を応援する身にとってこれは大きい。
残り7試合を残した時点で、数字上でも優勝の可能性に見放されたが、実際には遥かに前から優勝の可能性は限りなく0に近かった。
そして何よりも、鹿島がこの数年もっとも苦戦を強いられ、新たなる改革に着手する切っ掛けにもなった川崎フロンターレに、有り得ないほどの独走を許してしまったことは本当に悔しくてならない。
常にタイトルを追い求めてきたチームにとって、これほど屈辱的なことはなかったはずである。
サポーターとしても勝てないことへの怒りや失望を通りこして、ある種、諦めに近い感覚を抱かずに居られなかったことが、何よりも一番悔しかった。
2020年シーズンのチームの問題点とは・・・
2020年は多くの課題を抱えていました。
その理由としては
新しいことにチャレンジしているから・・・
若返りの過渡期だから・・・
など、変革の年だからと言う一言で済まされがちですが、敢えて明言化すならば以下の3つだと思います。
・血の入れ替えが多すぎた
・得点力のある選手が不足
・DF陣の力不足
血の入れ替えが多すぎた
鹿島のサポーターならば誰もが感じていることなので、いまさら明言化もへったくれもありませんが、やはり選手の入れ替えが急すぎです。
●2016年12月のチャンピオンシップ第2戦VS浦和
この時のスターティングメンバーで、今も鹿島に在籍しているのは4人です。
曽ヶ端
山本
遠藤
土居
4人の中で今もコンスタントに出ているのは土居で、遠藤はベンチやベンチ外も多い。
ちなみに、サブメンバーに至っては在籍ゼロです。
4年前だから・・・と言われるかもしれませんので・・・。
●2018年11月のACLファイナル
この時のスターティングメンバーで、今も鹿島に在籍しているのは3人です。
スンテ
土居
三竿
3人の中で今もコンスタントに出ているのは土居と三竿で、スンテはベンチが多くなっています。
ちなみに、サブメンバーには犬飼、永木、遠藤がいました。
犬飼と永木は今はコンスタントに出場していますが、遠藤はベンチやベンチ外が多い。
土居は、4年前から主力として在籍していますが、存在するだけで「鹿島のサッカー」を教えられる域には達していないのが歯痒いです。
三竿は、「存在感」は大きくなりましたが、鹿島では実質3年の稼動ですので、小笠原の域に達するには少なくともあと数年は必要だと思います。
これは、他のチームがどうこう以前の問題で、主力として戦った選手がこれほど流出していては、チームとしてのエキスを繋いでいくのが難しいというレベルではなく、不可能なレベルではないかと危惧してなりません。
2020年の主力メンバーは、過去の数年と比べて劣っているわけではありません。
優れた選手は数多く在籍しています。
それにも関わらず、「勝利への執念」が時々希薄になるのは、「鹿島の伝統」がしっかりと伝えられていないからだと思います。
2020年の残り6試合を勝ちきってACL出場の権利を手にする!
これを達成するか、それとも届かないで終わるのか、その結果は来季の戦いに大きく関わってくると思うので、注目したいです。
得点力のある選手が不足
色んな戦い方があると思います。
引いて守って、カウンター一発で勝利を重ねるのだって立派な戦術です。
べったりは引かず、相手の攻めを受け、その力を利用するようにして攻め返して点を獲るのだって立派な戦術です。
今年の鹿島の戦術は・・・まだ「これだ」と言い切ることは出来ないですが、少なくとも「守備偏重」でないことは確かです。
決定機を多く作り、相手よりも多く点を上げ、力でねじ伏せることを目的としていると言っても過言では無いと思います。
でも、それにしては、得点力のある選手が少ないです。
リーグ28試合終了時点で、2桁得点がエヴェラウドだけ。
あとは6点の土居、5点の上田・・・。
これでは、やろうとしている事が達成できているとは思えません。
点取り屋、または、昨年までいたセルジーニョのような得点力のある攻撃の選手の獲得が必要ではないでしょうか。
ファンアラーノも悪い選手ではないし、今後、もっとチームにフィットして良いプレーを見せてくれるとは思います。
ただ、決定力と言うのは、チームに「フィットしている」「フィットしていない」に関わらず出せると私は思っています。
その点で考えると、アラーノは決定力が高いタイプの選手ではないと考えます。
資金を十分に確保できない時期に、良い選手を見つけ、鹿島に連れて来れるかどうか?
ジーコの腕の見せ所では無いかと思います。
DF陣の力不足
基本的にこのブログでは選手の非難はしないと決めています。
ただ、事実を書くことは間違ったことではないので、その点に関しては明確にしておきたいと思います。
一人目の誤算は奈良。
昌子を獲得すれば良かったとかそういうレベルではありません。
今シーズン、カップ戦を含めて5試合の出場しかありません。スタメンは3試合だけです。
鹿島の3番を託したからには、フロントは相当の期待を感じていたはずです。
それにも関わらずこの結果です。
怪我をしていると発表があったのならともかく、練習にはでているようなので、故障ではないのでしたら、やはり「誤算」としか言えません。
二人目の誤算は町田。
190センチの長身で左利き。
素晴らしいポテンシャルを秘めた選手です。
でも、彼もまた「誤算」です。
何が誤算なのか?
それは能力ではなく、成長の遅さです。
- 2020年20試合出場で19試合スタメン(シーズン中)
- 2019年37試合出場で35試合
- 2018年13試合出場で12試合スタメン
(3年共にリーグ、カップ戦を含めた数字)
若さゆえとか、経験を積んでいる途中だから・・・と言えるのは昨年までです。
今年は、過去数年の経験を活かしたプレーを見せて欲しいのですが、残念ながらシーズン序盤では「変わった」と思わせてくれませんでした。
その結果、関川にポジションを奪われますが、シーズン終盤になって再びポジションを取り返しました。
正直、何故にまた町田を?
という疑問に対して、町田は今度はプレーで証明してくれました。
シーズン終盤になって、確かに「何かが変わった」と思います。
簡単に一言では表現できないのがもどかしいのですが、「プレー1つ1つの軽さ」が消えたような気がします。
もう少し早く気付いてくれよ・・・と思いつつ、彼のこれからの成長に期待します。
いや、彼が成長しなければ、新しい選手を獲得しなければなりませんので!
まとめ
まずは次節の川崎F戦に全てを掛けて欲しい。
選手、スタッフ、OB、サポーター、全ての力を結集し、カシマスタジアムで「ザ・鹿島」という試合をして勝利して欲しい。
なにしろ、今度の試合でも負けたら、この先数年間の対戦にも影響する気がしてなりません。
鹿島は勝つ!
気持ちで勝つ!!
戦え、アントラーズ!!!
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