三四郎(著:夏目漱石)を読んだ!
なぜ三四郎を選んだの?
と言われるかも知れませんが、さしたる理由はありません。
ただ、何となく、エッセイとかミステリーとか歴史物でなく、「純文学」と呼ばれている作品を読んでみたくなった時に、たまたま実家の父親の本棚に埃を被って置かれている「三四郎」を見つけたから・・・。
それが「三四郎」を読んだ理由です。
「三四郎」の感想をまとめます。
「三四郎」のあらすじ
さて、あらすじをまとめようと思って悩み始めてしまった。
書けない・・・。
難しいです。内容をきちんと理解出来ていないのかも知れません。
とりあえず、自分なりに考える4つの章に分けて書くことにします。
三四郎、上京する
熊本の高等学校を卒業した小川三四郎は、合格した東京帝国大学に入学するため、一路、汽車で東京へ向います。
道中、向かいの席に座った女から、乗り継ぎで1泊する名古屋において「一人で不安なので同じ宿に連れて行ってくれ」と頼まれます。
「同じ宿」のはずがなぜか「同じ部屋」、そして「同じ布団」となってしまうのですが、三四郎は何もせずに朝を迎えるのでした。
翌朝、プラットホームで別れ際に女から同宿させてくれたお礼を告げられ、同時にこう言われるのでした。
「あなたはよっぽど度胸のない方ですね」
名古屋からの汽車では1人の男性と知り合います。
彼と日本の未来について話し合ううちに、三四郎は自分が「熊本を出た」こと、そして「広い世界に泳ぎだした」ことを実感するのでした。
池の畔で謎の女に会う
上京した三四郎は、母の薦めもあって同郷の人であり、既に理科大学で働き研究者としての道を進み始めている野々宮氏を訪ね、知己を得るのでした。
ある時、大学構内を1人散歩していると2人の女性に出くわします。
1人は看護師、もう1人は着物を着た若い女。
彼女と目が合った三四郎は、上京時に「勇気が無い・・・」と詰られた女を思い出して落ち着きをなくしてしまいます。
友人・佐々木与次郎を通して交友関係を広げる
佐々木与次郎と付き合いだした三四郎は、大学の講義になかなか身が入りません。
彼と様々な場所へ顔を出しますが、自分が何をすべきか見えなくなりつつありました。
野々宮氏の妹・よし子さんが入院したと聞き、三四郎はお世話になっている方の妹さんなのでお見舞いに行きます。見舞いを済ませて帰宅しようと廊下を歩いている、向かいから歩いてきたのはあの「池の畔で見かけた着物の女」でした。
彼女もよし子さんのお見舞いに行くところであり、三四郎によし子の病室を訪ねるのでした。
三四郎は丁寧に部屋を説明するのですが、一緒に病室まで行きましょう!と言い出す勇気は持てませんでした。
友人の与次郎は、高校時代の英語の恩師・広田を尊敬しており、三四郎も紹介されます。なんと彼は、上京時に記者で一緒になった男でした。
与次郎は広田が大学の教授になれるように様々な活動を行っているのですが、その活動は中々実を結ばず、逆に足を引っ張る事態になることもありました。
広田が引越しをすると聞き、三四郎はその手伝いをしに新居へ伺います。するとそこでみたび「池の女」と出くわします。
彼女は、三四郎の事を覚えていて名刺を渡してきます。
名刺には「里見美禰子」と書いてありました。
広田は美禰子の亡くなった兄の友人だったので、その縁もありときどき美禰子に英語を教えていまたのでした。
また、野々宮氏の友人が、実は美禰子の兄であることも三四郎は知るのでした。
こうして少しずつ交友関係を広げていく三四郎は、ある時、野々宮や美禰子などのグループと菊人形見学に出かけます。その途中、美禰子が体調を崩し、三四郎と2人きりになります。
2人っきりの機会に心は沸き立つ三四郎ですが、はぐれたままだと野々宮さんが心配すると美禰子に伝えると、彼女は「迷子の英訳を知っていらしって?」「・・・ストレイシープ」などと呟き、三四郎を惑わすのでした。
三四郎、与次郎に金を貸したことで美禰子と急接近
きっかけは与次郎の一言でした。
「野々宮氏から預かった20円を失くしてしまった」
「もうすぐ、原稿料が入るはずなんだが・・・」
それを聞いた三四郎は、郷里から送られてきたばかりの仕送りの中から20円を工面して与次郎に貸すのでした。
しかし・・・
与次郎は金を返す雰囲気がありません。
とうとう、今度は三四郎が下宿代に困る事態になりました。
するとタイミングよく与次郎が現れ、「美禰子さんが金を貸してくれるので里見の家に行け」と言うのでした。
三四郎は、「美禰子さんの所へ行く用事が出来たのは嬉しい様な気がする。然し頭を下げて金を借りるのは難有くない」と悩みに悩むのですが、最終的には美禰子から金を借りることにするのでした。
三四郎、意を決して思いを告げるが成就せず
なかなか借りた金を美禰子に返せない三四郎でしたが、美禰子が原口いう画家の元でモデルをしていることを知るとそこへ「金を返しに」行きます。
美禰子から何をしに来たと訊ねられると、三四郎は「あなたに会いに来た」と告げるのでした。
しかし、美禰子は感銘を受けた様子は見せず、その場に現れた人力車に乗った紳士と共に何処かへ立ち去ってしまうのでした。
後日、三四郎は改めて美禰子が訪れている教会に行き、返しそびれた金を返すのでした。
原口が美禰子をモデルとした絵が完成したと聞き、与次郎とともに展覧会を訪れます。
既にこの時、三四郎は美禰子が先日の人力車に乗っていた紳士と婚約したことを知っていました。
美禰子の絵を見た与次郎が三四郎に感想を聞くと、彼は絵はともかく「題名(森の女)」が悪いと呟きます。
じゃあ、どういう題名ならいいのかと与次郎が訊ねると・・・
三四郎は口の中で呟きを繰り返すのでした。
「ストレイシープ・・・ストレイシープ」
「三四郎」のおススメ度はいくつ?
評価なんて出来ません!
私の読解力では、この本に点数は付けられません。
まして、おススメする人やおススメしない人を偉そうに書くことは出来ません。
頑張って、こんな人には良いかも、悪いかも、という視点で書くなら・・・
夏目漱石を読んでみたい人には良いかもしれません。
あまり難しい文体で書かれていないので。
時間の無い人や夏目作品に興味のない人が無理に読むのは良くないかもしれません。
夏目漱石が嫌いになるかも知れませんので・・・。
「三四郎」の感想
読み終えて1週間近く経つのですが、感想をまとめることが出来ません。
三四郎も、その他の登場人物もつかみどころが無いというか・・・
う~む
とりあえず、読後に気になった点を3つ取り上げます。
「三四郎」で漱石が書きたかったことは何か?
- 夏目漱石が三四郎で読者に伝えたかったことは何だろうか?
- 優柔不断は好機を逃すと言いたいのか?
- むやみに金を貸すなと言いたいのか?
- 人づてに人間関係が深まることを言いたいのか?
判りません。
判りませんが、敢えて無理やり理解するとしたら以下のようになります。
汽車で乗り合わせた女に手を出さない点を始まりとして、美禰子に何度も思いを告げる機会があったのにずるずると先延ばしする等、優柔不断な性格は人生において損をするので気を付けなさい。
そんな風に解釈しました。
日本語が変化していくことを実感
この本を読む上で必要なのは時間と忍耐です。
とにかく、漢字が多い!
いや漢字しか無いといっても過言ではありません。
もちろん、謎の言葉「ストレイシープ」などカタカナはありますが、小難しい漢字と言い回しが随所に散りばめられています。
読みながら思ったのですが、漱石の頃の日本語と今の日本語は異なるのではないでしょうか?
外来語を多く取り入れたからでしょうかね・・・。
作品が誕生して100年経つと古典になる?
この作品は、1908年に朝日新聞に連載されました。
それから100年以上の年月が経ちます。
100年経つと、もはや古典のように感じます。
中学や高校の古文の時間に習った、枕草子や徒然草、平家物語と同じ感覚で読んでいる自分がいました。
たった100年だけど、作品に書かれている当時の習慣や文化が、随分と昔のように感じたのは私だけでしょうか。
最後に・・・女が歩いていた池は実在する
三四郎が初めて美禰子さんと出会った大学構内の池は今も存在することを知りました。
東京大学の構内にある、育徳園心字池(通称:三四郎池)が物語の舞台だそうです。
加賀藩前田家の藩邸の一部だったそうです。
歴史好きの私にとって、三四郎を読んで一番興味を感じたのはこの点でした。
やっぱり、私には歴史小説しか合わないのかなぁ・・・。
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