フェイク(著:楡周平)を読んだ!
一つ前の読書は「人類資金」でした。
『人類資金 1~7巻』を読んだ! - lands_end’s blog
「人類資金」はいまいち自分には合わず、少々食傷気味になってしまったので、サラッと読めそうな本はないかと物色していた所、ブックオフの格安コーナーで本書を見つけたので購入して読んでみることにしました。
- 予想したとおり、
- 小難しい話はなく
- 激しい思想もなく
- 教訓めいた言葉もなく
シンプルな内容の小説でした。
読み終えたので、感想をまとめます。
2分で読める『フェイク』のあらすじ
田舎から進学のために上京した岩崎陽一が主人公である。
卒業後、銀座の高級クラブ「クイーン」でボーイとして働き始めますが、昼過ぎから翌朝までの長時間労働に対する収入は月給僅かに15万円の苦しい日々でした。
そんな彼に人生に転機が訪れます。
店のオーナーが他店からスカウトしてきた新人ママ(摩耶)から、個人的に送迎をしてくれないかと誘われます。日給1万の仕事に飛びついた陽一に、やがてママは更なる仕事を持ち掛けてくるのでした。
それは、『ママの顧客である貿易商が仕入れる安ワインを、職場(店)の高級ワインとすり替える』仕事でした。
違法であることを認識しつつ、金の魔力に負けた陽一はママの誘いに乗り、やがて学生時代の悪友と組んで大々的にすり替えを始めるのでした。
羽振りの良くなった陽一を見て、大学時代の女友達・さくら(陽一は彼女と認識)は、自分もクラブで働きたいので摩耶ママに紹介して欲しいと相談してきます。
陽一からさくらを紹介された摩耶ママは、さくらを気に入り、自分の妹分として彼女を可愛がります。そして、銀座の夜の世界で生きていけるように様々な便宜を図ってやるのですが・・・。
さくらが『ある事件』を起し、陽一と摩耶ママの人生は大きく狂い始めます。
- さくらが起こす事件とは何か?
- 事件に巻き込まれた陽一や摩耶ママはどうなるのか?
本書を読んでお楽しみください。
10分はかかる『フェイク』のあらすじ
田舎から進学のために上京した岩崎陽一が主人公のコン・ゲーム小説である。
大学と言っても底辺の学校のため、卒業しても容易に就職先は見つからず、ようやく潜り込んだのは水商売でした。
銀座の高級クラブ「クイーン」にボーイとして雇われたのですが、昼過ぎから翌朝までの長時間労働!それに対する収入は月給僅かに15万円。
彼女を作る暇も金もなく、ストレスの発散で遊んだ風俗で病気を移され、しかもその治療のために訪れた性病科では自費診療となってしまい、なけなしの生活費を費やしその日の暮らしにも困る有様となってしまいます。
仕方なく大学時代の悪友・謙介に金を貸して欲しいと頼み込むと、ギャンブルでそれなりに金の融通が利くために融通してもらえ、何とか次の給料日まで生活を繋ぐ有様でした。
そんな日々を必死に過ごしていた陽一の人生に転機が訪れます。
店のオーナーが、銀座の別の高級クラブのママ(摩耶)をスカウトします。
年収1億と囁かれるママに嫉妬を感じていた陽一ですが、ママから個人送迎を担当してくれと誘われると、日給に魅力を感じて内職を始めます。
やがて、摩耶ママから「別なる儲け話」を持ちかけられます。
それは、『ママの顧客である貿易商が仕入れる安ワインを、職場(店)の高級ワインとすり替える』仕事でした。
違法であることを認識しつつも、金の魔力に負けた陽一はママの誘いに乗ります。そして学生時代の悪友・謙介も巻き込んで、大々的にすり替えを始めるのでした。
羽振りの良くなった陽一を見て、大学時代の女友達・さくら(陽一は彼女と認識)は、自分もクラブで働きたいので摩耶ママに紹介して欲しいと相談してきます。
好きな女を夜の世界で働かせたくない陽一は渋るのですが、さくらから「それなら風俗へ・・・」と脅されると仕方なく摩耶ママに紹介するのでした。
ママはさくらを気に入り、自分の妹分として彼女を可愛がるようになります。彼女が銀座の夜の世界で生きていけるように様々な便宜を図り、自分の顧客にも引き合わせてあげるのでした。
そんなさくらが『ママの顧客を奪う事件』を起します。
さらに、ワインのすり替えの親玉であった貿易商が病で倒れ、
ママは顧客を失い=収入を失う危機となり、
その余波は陽一の収入を奪う事態にも発展していきます。
さらに謙介が、すり替えで得られる収入を見込んでギャンブルにのめり込んでいたことが更に事態を悪化させてしまいます。
やむなく金貸しに追われる謙介を匿った陽一も、あろうことか連帯保証人として追われる身になってしまいます。
ママと陽一と謙介は、この事態を打開するために「ある作戦」を立てるのでした。
- 裏切ったさくらに一泡吹かせる
- 相当の金額をさくらが奪った顧客から回収する
以上を目標として、ママの顧客も利用しつつバクチに打って出ます。
苦境に陥った彼らがとった作戦とは如何に?
最後は、作品を読んでお確かめください!
『フェイク』のおススメ度はいくつ?
おススメ度は75点です!
面白かったです。
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こういう詐欺絡みの小説はコン・ゲームと言うそうですね。
私、初めて知りましたですよ!
結構、嵌りそうなジャンルです!!
『フェイク』をおススメする人
読みやすい1冊です。
特に以下のような人におススメします。
- 謎解き、詐欺、一発逆転な話が好きな人
- 金儲けの話をするのが好きな人
- 水商売の世界について知りたい人
『フェイク』をおススメしない人
正直、この本が合わない人って居るのか謎ですが・・・
強いてあげるのなら
- もう一歩掘り下げてくれれば・・・と感じる小説を心底嫌う人
陽一達が仕掛ける詐欺は、確かに面白く興味深いものです。
ただし、ちょっと・・・ホンのちょっと捻りが物足りないのも事実です。
『フェイク』の感想について
先程書いたように、この本がコン・ゲームというジャンルの本だと認識せずに読み始めました。
そのため、始めのうちはこの小説のゴールは何処にあるのかさっぱり謎でした。
恋愛小説なのか?
陽一の下克上の話なのか?
判らないままに読み進めていたので、途中まではちょっと退屈でした。
さくらがママを裏切った辺りから、急展開していく話にのめり込みました。
そして、陽一達が仕掛ける詐欺は、本当に面白いと思いました。
若干「それは無理では?」と思う場面もありましたが、まあ許容範囲でした。
それから、最後の最後に陽一が仕掛ける詐欺も・・・。
思わず「ニヤリ」としてしまう最後でした。
陽一が借金の連帯保証人になる場面
たぶん、この本を読んだ全ての人が陽一に対して心の中で叫んだと思います。
「ダメだって!サインしたらマズイって!!」
そう思うと、電車の中で笑ってしまい、周囲の人から「この人アブナイ」という目で見られてしまいました。
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