この一連の記事は、2015年春に見つかった未破裂脳動脈瘤を、
2016年春に『開頭クリッピング手術』を受けて治療した闘病記録です。
前回の記事は、手術終了後にICUへ移され、麻酔の影響でウトウトしつつも、嫁さんと再開した時の事をまとめました。
未破裂脳動脈瘤と闘う ~入院2日目。ICUで嫁さんに再会する!~ - lands_end’s blog
今回は、手術日のICUでの一夜についてまとめてみます。
手術日の夜の記憶は断片的です
今回、手術日の夜の事をまとめようとしてますが、正直言いますと、実ははっきりと記憶が残ってるわけではありません。
メモ書きなど残せる状態ではありませんし、痛み止めの影響で意識も途切れがちになっていたからです。
そのため今回の記事は、ボンヤリとした記憶と、後で看護師に聞いて記憶を整理した内容が元になっています。
痛みは殆ど感じませんでした
手術前、自分が一番気にしていたのが『手術日の夜の痛み』でした。
前にも書いたように、小学生の時に盲腸で入院したことがあります。
麻酔から覚めた時の激痛と術日の夜に発熱と痛みで何度もナースコールをした記憶が、30年近くたっても恐怖として身体が覚えていたからです。
今回の開頭クリッピング手術は頭蓋骨を開ける訳ですから、当時の開腹手術以上に痛みがあり苦しむに違いないと考えていました。
結論から言いますと・・・
『記憶がありません』
痛みを感じなかったのだと思います。
痛かったり、熱が出たりしたら、僅かでも記憶に残っていたと思います。
ただし、肉体的には痛みや苦しみはあったはずです。
感覚として残っていないのは、医療の進歩なのだと思います。
絶妙の配分で痛み止めを点滴注入し、感覚を麻痺させ「うつらうつら」と過ごさせていたと思います。
もう一度手術を受けなくてはいけません!
もしもそう言われたと場合、
少なくとも「手術に対する痛みや苦しみに対する恐怖感」で「ノー」は言いません。
喜んで「イエス」とも言いませんが。
※注※
手術日以降も痛みや苦しみがない訳ではありません。
術後の痛みや苦しみについては、後日、まとめていきます。
手術前に感じていた3つの不安は問題なし
手術を受ける前、私はとにかく手術直後と術後数日の過ごし方を極度に心配していました。
人によっては、「何でそんな事をきにしていたの?」と言われるかも知れません。
ですが、私にとっては以下の3つの点に関してかなり不安を感じていました。
トイレに行きたくなったらどうしよう?
汚い話ですが、私はよくお腹を壊します。
- 飲み会に行ってお酒を飲みすぎると・・・
- プレゼンの直前・・・
- 遊びに行く日の朝・・・
- デート(最初の数回)を開始した直後に・・・
ほぼ間違いなくトイレに駆け込みます。
なので、手術のストレスは間違いなくお腹を下す原因になると思っていました。
そのため、手術直後のICUで生理現象が起きたらどうするのだろう?
そう思っていたのですが・・・
結論は・・・
「記憶にない」です。
尿意や便意を感じた記憶はありません。
尿に関しては尿管を刺されていたのですが、詳しい話は別の回にまとめます。
背中や身体が痒くなったらどうしよう?
子供の頃から皮膚が弱く、特に季節の変わり目には皮膚に異変が起きます。
- 脱皮みたいに皮がむけたり
- 小さな水ぶくれが指や手首にできたり
- 風呂上りに赤いブツブツができたり
- ベッドに入ると背中や手足が痒くなったり
そんな身体なので、とても心配していました。
背中が痒くなったらどうしよう・・・耐えられるだろうか?
結論は・・・
「痛みも感じないのだから痒みも感じません!」
仮に、痛みを感じるのであれば痒みも感じます。ですが、痛みの方が勝り痒みどころではありません。これは後に経験しました。
また、看護師さんにこの私の心配を話したら大笑いされました。
「痒い!助けて!!って患者さんに呼ばれることはありますよ。そういう時は、掻いてあげたり、アイスノンで冷やしてあげたり、ちゃんとケアするから心配しなくて良かったのに!」って。
でもね、痒い時って本当に苦しいじゃないですか・・・。
だから、これは今でも心配です。
ナースコールしても直ぐに来てくれない時もありますから。
苦しくなった時に声がでないかも?
手術前は、術後の身体の状態が判りませんでした。
なので、あくまでも妄想でしかありませんでしたが、手術日の夜に具合が悪くなったらどうすれば良いのか悩んでいました。
そのままベッドで死んでいたなんて嫌だ・・・と。
結論は・・・
「心電図なる機械が身体をしっかりと見張ってくれているので安心」です。
ICUに居る限りは、異変が起きたらすぐに看護師達に判るようになっているそうです。
「機械なので絶対はありませんが、少なくとも一般病棟で寝ている時に急変しても気付かないことはあっても、ICUで気付かれないことはありません!」
そう胸をそらして断言する看護師さんが多かったです。
「一般病棟で気付かれない人はどうなるのか・・・」と聞くと、
「本当の意味での「ポックリ」以外は、そんな事は起きないので心配するな!」
そう言われました。
要するに、私は異常なまでの心配性だったようです。
でもね、開頭手術なんて受けたことないし、身近な人から体験も聞けないし、怖い妄想ばっかり膨らんでしまうのは仕方なかったと思います。
これから手術を受ける方の不安が、こんな私の話で少しでも解消されたら幸いです。
寝ては覚めて、寝ては覚めて・・・
ICUに移され、嫁さんや家族と会話したあと、記憶は本当に途切れ途切れです。
人の気配で目が覚めて、何か話し掛けられてる最終にまた寝てました。
- 痛みで目が覚めたり
- 苦しくて目が覚めたり
- 喉が渇いて目が覚めたり
そういう事はありませんでした。
うつらうつらと寝ては覚めての繰り返しでした。
失われる時間感覚 朝?昼?それとも夜?
私は視力が弱いので、壁掛けの時計が見えずに時間が判らないと思っていました。
ですが後日聞いたところ、「ICUでは患者さんから見える位置に時計は無い!」と言われました。なまじ時間が判ってしまうと、遅々として進まない時間に苛立ったりストレスを感じる人が多いからだそうです。
淡い蛍光灯のようなライトが常時着いている部屋で、当然窓もありません。
そのため、時間の感覚が無くなっていきました。
- 朝になったのか?
- もうすぐ昼になるのか?
- それともまだ手術日の夜なのか?
まったく判らないまま、寝ては覚めてを繰り返していました。
足に装着された圧迫マッサージ機が立てる規則的な機械音(ウィーンと小さな音)と空気が抜ける音(プシューと空気が抜ける音)以外は、見回りの看護師がスライドドアを開けた時に聞こえるざわめきだけでした。
それでも、時間の感覚が判らないことへの苛立ちはありませんでした。
ストレスも感じませんでした。
ただ、うつらうつらとしながら時間が過ぎて行きました。
次回は『未破裂脳動脈瘤と闘う~入院3日目。手術翌日にICUを出される!~』です。
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