この記事は、2015年春に見つかった未破裂脳動脈瘤を、
2016年春に『開頭クリッピング手術』を受けて治療した闘病記録です。
今回の記事は、『開頭クリッピング手術』を受けるまで1ヶ月となったころ、仕事やプライベートなど様々な物事に一旦区切りを付けていきました。
その中から、『仕事』について取り上げてみます。
一番悩んだのは、病気の事をどう同僚に伝えるか?
前提条件として、未破裂脳動脈瘤が見つかって数ヶ月後に、会社の同僚には以下のように伝えていました。
- 『体調が優れない部分があり、しばらく頻繁に病院へ通う回数が増えます』
- 『急遽、午前中休んだり、午後休みを取ったりすることもあると思います』
- 『ご迷惑をお掛けしますが、詳細がはっきりしたら必要であればお知らせしますので、よろしくお願いします』
上記のように伝えていたので、『いったい何が問題なのか?』と途中で質問を受けることはありませんでした。
手術まで1ヶ月となり、そろそろ仕事の引継ぎもしなくてはならず、そのためには、同僚に手術や入院について話をする必要が出てきました。
最初は、暫く休みますと言えば良いと思っていたのですが、考えてみると事はそんなに単純ではありませんでした。
例えば、インフルエンザに罹患して自宅待機する場合や、事故で暫く入院する場合などは、概ね休む期間はハッキリしていますし、復帰すれば基本的には以前と同じように働けると思います。
ですが、今回の未破裂脳動脈瘤での休職は、開頭手術なので最低1ヶ月近く休む訳であり、そして最悪の場合には休職期間が未定になってしまう訳です。
そして、復帰後の働き方にしても、休職前と同じように働くには一定期間のリハビリが必要になる訳であり、万一の場合、以前と同じようには働けなくなる可能性もあります。
そう考えると、
- 『頭の手術をするので、1~2ヶ月休みます。』
- 『ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いします。』
で済ますのは不適切かな?と考えるようになりました。
ではどこまで話すべきか?
自分の身に起きたことを理解してもらうには、全て話す必要があります。
しかし、病気というプライベートなことを全部曝け出すことに躊躇しましたし、
言われる方も嫌な思いをするのではないかと考えていました。
それでも、
- 既に1年近く、急な休みなどの際に仕事をフォローしてもらったこと
- そして、この先もきっと同僚の助けを必要とするであろうこと
その点を考え、『全部』話すことにしました。
未破裂脳動脈瘤が見つかった時から手術1ヶ月前に至るまでの道程を、なるべき簡単な箇条書きにして話しました。
(実は、あの時に箇条書きが作ったことが、このブログの作成にも役立っています)
同僚の反応は・・・絶句!ですね。
まあ、私が逆の立場でもそうなりますね。
結論を言うと、きちんと話したことは仕事を終えるにあたり好循環を産み出しました。
積極的に同僚が引継ぎを進めてくれ、
体調を整えることに協力してくれ、
私が仕事の手仕舞いに集中出来る環境にしてくれました。
本当に、彼らには感謝しかありません。
上司にきちんと理解してもらう努力が必要!
未破裂脳動脈瘤が見つかった直後、あちこちの病院へ行くために度々仕事を欠勤しました。有給申請なので、基本的には申請したら休めるはずですが・・・
しかし、日本の会社はなかなか有給も取り難いのが実情です。
案の定、上司からは『頻繁に休むと査定に関わる・・・』みたいな話をされました。
余裕の無い時期だったので、私は翌日上司を会議室に呼び出し、
辞表を手元に持ったまま、全部、まるっと話しました。
その結果、上司は自分の非を認めてくださり、その日以降は大変協力をしてくれるようになりました。
私自身、中途半端なことしか知らせずに、自分の状況を判ってもらえると思っていたのは、大変失礼だし、無礼だったと今は思います。
ですが、正直、あの時は冷静さを失っていたので仕方ないと思うのですが。
まともに話せないなら飛び越して上に話そう
実は、最初に上司から叱責を受けた際に、直属の上司を飛び越えて更に上の役職者へ話をしていました。
その方は、冷静に私の話を聞いた上で、
- 『今一度、直属の上司と話をしなさい』
- 『仮に、●●があなたの話を理解しないなら、私が言いますから安心しなさい』
そう言われました。
今、改めて当時の事を思い返すと、
40過ぎた社会人がかなり恥かしい言動を繰り返してしまったと思います。
追い詰められ、冷静さを失っていたとは言え、後悔しています。
せめて、自分が逆の立場になった時、
どんなに相手が興奮していても、冷静に最後まで話を聞ける人間になろうと思います。
話が脱線しましたが、
仮に直属の上司と話が合わなければ、その上位者に早い段階で話すことは絶対に必要だと思います。
なぜなら、『これは仕事上の愚痴ではない』からです。
脳動脈瘤を抱えた身にとっては、時間はとても貴重です。
速やかに話すべきことは話し、お願いすることはお願いし、
病気の治療に時間を100%使えるようにすることが重要だと思います。
会社・人事担当への報告
上司への話が済んだら、必ず人事(総務)担当者へ話をした方が良いと思います。
上司がしてくれる事もあると思いますが、ここは自分が話した方がいいです。
なぜなら、人任せにすると、かならず間違いや誤解が生じるからです。
私も、上司が話しておくよと言ってくれたことに甘えた結果、なんと休みの申請日が間違っているという事態になりました。
また、有給休暇消化の確認、欠勤の確認など、やはり自分で確認すべき点も多いからです。
H4 休職の仕方、給与の扱いなど
以前、休職の申請について、傷病手当の申請について、それぞれ記事をまとめました。
下記を参考にして下さい。
手術が終わって落ち着いてから話せはいい等と、絶対に考えてはいけません。
休職に入る前に、
出来ること、話せることは全て終わらせておくことをおススメします。
取引先への報告
仕事の取引先の人に、病気の事をどこまで話すかは、仕事上の付き合いの深さによると思います。
当初は、数人を除いて伝える予定は無かったのですが、最終的に、ほぼ全ての担当者に伝えました。
なぜなら、取引先に中途半端にしか伝えていない場合、間違いなく取引先の人は同僚に『どうしたの?』と聞くと思います。
その時同僚が『つかなくても良い嘘をつく』のは申し訳ないな・・・。
と思ったからです。
取引先にはどこまで話すべきか?
もちろん、あんまり詳しくは話しませんでしたが、
- 『ちょっと頭の手術をすることになり、2ヶ月ほど休職します』
- 『また、お願いします~』
で十分でした。
担当しているお客様への報告
同僚、取引先、最後は担当していたお客様への報告です。
私の仕事はサービス業です。
営業部員は個々にお客様を担当しているので、担当が変わることをきちんと報告する必要がありました。
どこまで話すべきか?
上司とも相談の上、出張と部署の変更と『嘘』を付きました。
取引先と違って、『嘘』を付いたのは、お客様は楽しみを買いに私達の会社を利用してくれているのに、『人の暗い話は聞きたくないだろう』という考えからです。
結果的に、このスタンスで対応したことは間違いではなかったと思います。
後日、家族と話しているときに、
『確かに担当者から連絡があって、これから頭をパックリ開けて手術するので・・・、と言われたら、気分は良くないわ。』
と言われましたので。
まとめ
手術まで1ヶ月を切り、自分の手掛けてきた仕事を一旦手仕舞いさせるために行ったことをまとめました。
ポイントは、
- 同僚への話す内容と話すタイミング
- 上司への話す内容と話すタイミング
- 休職の仕方、必要な手続きは自分でしっかり確認
- 取引先へは、出来る限りリアルに話しておく
- お客様には敢えて伏せることも必要である
以上です。
1ヶ月で仕事を手仕舞い出来るのか?と最初は心配していましたが、
1週間でほぼ全てのケリがつきました。
仕事、していなかった訳ではないのですが・・・。