lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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『生存者ゼロ』を読んだ!



生存者ゼロ(著:安生正)を読んだ!

最近、同じ作者の本ばかり読んでいたので新しい作者の本にチャレンジしてみることにした。
今回の本は、『第11回このミステリーがすごい!』の大賞、に輝いている。
ミステリーとの事なので、敢えて、裏表紙の解説を見ないで読みました。
読後の感想をまとめてみます。

 

生存者ゼロのあらすじ

ミステリーなので、ガッツリあらすじを書かないことにします。
苦手なショートあらすじにチャレンジです。多分、長くなる・・・だろう。

(あらすじ)
中央アフリカのジャングルで、研究に取り組んでいる富樫が、この本の主人公の一人である。
彼は、同じく研究者である妻と、一人息子と共に平和に暮らしていた。
そんな彼らに、不幸が襲いかかります。
妻が原因不明の感染症にかかり、手の施しようも無く、ただ看取るだけであった。
その後、失意の富樫を更なる悲劇が襲う。
必ず守ると妻に約束した息子も体調不良となり、ジャングルからの脱出途上で亡くしてしまうのであった。

 

富樫の悲劇から時と場所は移り、根室沖に浮かぶ採掘ターミナルが舞台となる。
突如、ターミナルと連絡が途絶えたため、テロの可能性を考えた政府は、近くを航行していた自衛艦から特殊部隊を派遣するのであった。
この時の部隊のリーダー廻田がもう一人の主人公である。

廻田率いるチームがターミナルに着いて見た光景は、この世のものとは思えない光景であった。
全身に無数の赤斑があり、苦しげに全身を掻きむしり、血まみれになって死んでいる所員たちの遺体であった。
新型のウイルス感染を恐れた政府は廻田達のチームを隔離し、対策会議を開き、日本に帰国していた細菌学者の富樫をその会議に召集するのであった。

隔離した廻田達の体からは未知の細菌が見つかったものの、その細菌を動物に使用する実験では何も問題は起こらず、現場に防護服無しで赴いた廻田達の身体にも異変が起きなかったため、政府首脳の間では緊迫感が薄れていった。
そして、富樫の反対を押し切り廻田の隔離措置は解かれ、異を唱えた富樫は研究施設を追われることになった。
そして、事件が発生したのは隔離された洋上であったため、政府は事件を世間に公表せず、隠蔽することにした。

最初の事件から9ヶ月、このまま忘れ去られるかに見えた頃、第2の事件が発生するのであった。
道東の小さな街が、壊滅したのである。

現場からの報告によると、住民たちの遺体には、採掘ターミナルで死んだ所員達と同じ症状が現れていた。

再度、凄惨な現場に投入されることになった廻田は、第一の事件の後に自殺した部下に報いるために、必死に感染症の原因を探るのであったが、なかなか手掛かりを見つけることが出来ずにいた。
やがて、衛星写真で壊滅した街の様子を眺めていた彼は、壊滅した街の地面に、まるでナスカの地上絵のような紋様が表れていることに気付く。

謎の紋様の正体を確かめに行くと、デコボニに盛り上がった地面とアリのような虫の遺骸が転がっていた。
何かに気付き始めた彼は、謎の感染症をさらに追求すべく、廻田は細菌学者の富樫を連れて最初の事件が起きたターミナルへ乗り込んで行くのであった。

  • そこで彼らが見つけたものは?
  • 北海道に上陸した感染症はどうなるのか?
  • ここまで致死率100%の●●に彼らは如何にして立ち向かうのか?

是非、本書を読んで確認してください。

 

ウイルス感染系のミステリーか?

『生存者ゼロ』とあるからには、まあ、何らかのパニック系の事件が起きるのだろうとは思っていました。
ですが、予備知識ゼロで読み始めたため、『何が起きるのかな?』とドキドキしながら読めました。

序章なのに、いきなりハードな感染症が表現されています。
その表現たるや、最近も世界を騒がしたエボラ出血熱のようで…
『なるほど、ウイルス感染系の話なんだな…』と思いました。

 

頭をよぎるジェノサイドの感想

序章を読んでいるとき感じたのは、富樫も亡くなる妻も科学者とあり、しかもアフリカの熱帯雨林で事件は起きるわけで…
苦手な科学系の話が盛り沢山で、心から物語を楽しめなかった『ジェノサイド』を思いだし、このまま読み進めて大丈夫かな?とビビってました。

『ジェノサイド』を読んだ! - lands_end’s blog

 

あれ?ウイルス感染ではない?

第1章を読み始めると、まず、序章とのギャップに戸惑います。

アフリカのジャングルから根室沖の採掘ターミナル・・・
出てくるのも学者ではなく、自衛官・・・

『おや?序章のフリは一体?』と思っていました。
ターミナルで起きていた惨劇も、感染症による症状を思わせはしました。
ですが、富樫の妻の身に起きた症状とは微妙に違いました。

ちょっと『バイオハザード』を思わせるような…
ゾンビとか未知の生物が出て来そうな…不気味な雰囲気が行間に漂わせていました。

ちなみに、第1章に入ると、ジェノサイドのトラウマは一掃出来ました。

 

ウイルスではなくて●●が原因でしたか❗

ミステリーなので、●●を特定してしまってはこれから読む人に申し訳ないので、
敢えて伏字とさせて頂きます。

ただ、この先を読んでいけば何となく予想が付いてしまうかも知れないので、
知りたくない人はこの先は読まない方が良いと思います。

 

●●が原因と判ってからは、本当にもう、怖かったです。
私、ホラー映画系は特に苦手で、、、
●●が人々を死に至らしめる様を読んで、グッタリしてしまいました。

 

作者の表現力に脱帽

序章の富樫の妻が亡くなるシーンから、かなりリアルな表現がされていました。
感染症にかかった人が、どのように亡くなるのか。
まるで、エボラ出血熱に感染して死にゆく人を克明に記録したような、光景が目に浮かぶリアルな表現だったと思います。
特に秀逸だと感じたのは、死に行く人が発する『死臭』にも触れている点です。
生きているうちに、人が死臭は放つことは知っているので、『うわぁ』となりました。

後半のB級映画のようなパニックも、文章表現力が未熟な人だと、きっと面白みの無い後半になったと思います。
ですが、この本は『このミステリーがすごい!』の大賞になった本です!
人類と●●の戦いの細部の描写が見事で、
読んでいて思わず、身体がむず痒くなりましたし、
読んでいる時には、歩いているときにふと足元を見てしまったりして・・・。

そうそう、読んだのがこの冬の時期で良かったです。
●●に類似した奴らが活動する時期に読んでいたら・・・、
たぶん、ストレスで白髪が増えたかも知れません。

 

『生存者ゼロ』のオススメ度はいくつ?

おススメ度は80点です!

  • この先どうなるのだろう?
  • 富樫はどうなるのだろう?
  • 廻田はどうなるのだろう?
  • 北海道は?
  • 日本は?

と、読んでる時は、先を先を知りたくなり、あっという間に読み終わりました。

 

『生存者ゼロ』を読まない方が良い人

  • グロテスクな描写が苦手な人。
  • 暴力的な描写が苦手な人。
  • あと、ゴキブリなど虫が苦手な人。(ゴキブリが●●ではないが)

そういえば、エロはないですね、エロは・・・。

 

『生存者ゼロ』のまとめ

おススメ度も80点とかなり高く、私個人としては、この人の別の本も読みたくなりました。
描写がリアルで、『うぇ~っ』てなる時もありましたが、私的には耐えられました。

ただ、いくつか気になる点もありました。 

生存者ゼロ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

生存者ゼロ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

 

 

必要だったのかと思う3つのシーン

良い本でしたが、私的にいくつか理解できない流れや構成などに、
読んでいて『???』となる箇所もあったのでその点を書き出してみます。

 

その1 序章の必要性が強く感じられませんでした

実は富樫が●●の正体を知っていたことにするための設定なのかも知れませんが、
ちょっと、話が上手く繋がってないように感じました。
読んでいるときに、序章で妻が死んだ感染症は一体???となりました。

 

その2 北海道から非難する民間船を沈没させたのは?

中国の潜水艦に撃沈させるシーンが描かれています。
このシーンは何のために入れてあるのか、未だに???です。

私はてっきり、沈めた船に乗っていた人が流れ着いたり、無くなった人を食べた魚介類が水揚げされ、日本の他の地域や朝鮮半島・中国に、この惨劇が広がっていくのかな?
と思っていたのですが、そのような描写はありませんでした・・・。

 

その3 最後のエピローグは???

最後に廻田がある場所を訪れるのですが、
このシーンを登場させた作者の意図も、今ひとつ理解できませんでした。

  • 何のために行ったの?
  • 何を読者に匂わせようとしたの?

本当に謎なんです。
誰かに教えてほしいです。

 

もしかすると、グロイ表現にビビッて思わず読み飛ばしてしまったのか?
もしくは、後半ではパニックに陥った北海道の人々と同じように、私も若干パニック気味になって駆け足で読み過ぎたのかも知れません。


なので、そのうち、もう一回読んでみるとします。

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