先日、日本代表とサウジアラビア代表の試合を観戦してきました。
UAE戦で足を掬われて始まったロシアワールドカップ予選も、ちょうど折り返しとなりましたので、2016年の日本代表について、そして、2017年の展望と期待をまとめてみたいと思います。
私個人の思いをまとめたものなので、読んで気を悪くされた方がいたら、先に謝罪しておきます。
- 2016年、代わり映えのしない日本代表メンバーで始まった
- 日本サッカーは下降線なのか?
- ハリルホジッチは監督としてどうなのか?
- ロシアワールドカップ予選のここまでの結果を振り返る
- 2017年、サッカー日本代表の予定と期待
- 最後に、日本代表の選手の皆様へ
2016年、代わり映えのしない日本代表メンバーで始まった
2016年の日本代表の戦いは、3月24日に埼玉で行われた『ロシアワールドカップ2次予選のアフガニスタン戦』、そして5日後3月29日に同じく埼玉で行われた『ロシアワールドカップ2次予選のシリア戦』の2連戦で幕が開けました。
この2連戦のメンバーを眺めてみると、
2013年頃から余り変化の感じられない代表メンバーだったことが良く判ります。
アフガニスタン戦 シリア戦
日本 5 -0 アフガニスタン 日本 5 - 0 シリア
得点者) 得点者)
43分 岡崎 慎司 17分 オウンゴール
58分 清武 弘嗣 66分 香川 真司
63分 オウンゴール 86分 本田 圭佑
74分 吉田 麻也 90分 香川 真司
78分 金崎 夢生 90+3分 原口 元気
スタメン)
GK 23 東口 順昭 GK 12 西川 周作
DF 5 長友 佑都 DF 5 長友 佑都
DF 6 森重 真人 DF 6 森重 真人
DF 19 酒井 宏樹 DF 21 酒井 高徳
DF 22 吉田 麻也 DF 22 吉田 麻也
MF 7 柏木 陽介 MF 4 本田 圭佑
MF 13 清武 弘嗣 MF 10 香川 真司
MF 17 長谷部 誠 (Cap.) MF 16 山口 蛍
FW 8 原口 元気 MF 17 長谷部 誠
FW 9 岡崎 慎司 FW 9 岡崎 慎司 (Cap.)
FW 15 金崎 夢生 FW 11 宇佐美 貴史
交代)
7 柏木 陽介▼64分 OUT 16 山口 蛍▼58分 OUT
10 香川 真司▲64分 IN 8 原口 元気▲58分 IN
9 岡崎 慎司▼72分 OUT 9 岡崎 慎司▼78分 OUT
18 ハーフナー・マイク▲72分 IN 15 金崎 夢生▲78分 IN
15 金崎 夢生▼79分 OUT 11 宇佐美 貴史▼85分 OUT
14 小林 悠▲79分IN 13 清武 弘嗣▲85分 IN
アフガニスタンは格下と見ていたのか、ハリルホジッチ監督は準レギュラークラスを先発させてます。ただし、後半、レギュラー陣を投入し、2次予選最終戦となるシリア戦へ調整させているように思います。
そして、シリア戦では、ハリルホジッチ監督が就任して以来、信頼し重用してきたメンバーをスタメンに並べています。
しかし、このシリア戦の代表メンバーですが、
ブラジルワールドカップ時のメンバーと、殆ど変わっていないのです。
【ブラジルW杯初戦のコートジボアール戦メンバー】
GK 1 川島 永嗣
DF 2 内田 篤人
DF 5 長友 佑都
DF 6 森重 真人
DF 22 吉田 麻也
MF 16 山口 蛍
MF 17 長谷部 誠 (Cap.)
FW 4 本田 圭佑
FW 9 岡崎 慎司
FW 10 香川 真司
FW 18 大迫 勇也
上記のメンバーのうち、川島は出場機会を失ってスタメン落ち、内田はケガ、大迫は当初ハリルにはダメだしをくらい呼ばれなくなり・・・
つまり、上記3人以外、2年後も変わらずスタメンに名を連ねていることが判ります。
さらに、控えメンバーには、現時点では両サイドバックの主戦力となっている酒井宏樹と高徳、そして今や香川を越えようとしている清武、身体のキレは絶好調・今がピークの雰囲気がある齋藤学もいました。
そうなると、
ハリルが発掘したメンバーって誰なの?
となります。
宇佐美は?と思いますが、ザッケローニ監督時代に既に能力は知られていました。ただし、ブラジルワールドカップのメンバーには最後の最後で落選しています。
では武藤(ドイツ)はどうか?と言いますと、最近は怪我しているので代表に呼ばれていませんが、既にアギーレ監督の時代のキリンカップでデビューしています。
う~ん・・・
本当に、ハリルさんになってから出てきた新しい選手はいないのかな?
日本サッカーは下降線なのか?
日本サッカーは衰退期に入った、落ち目だ、などと、昨年ごろから色んなメディアで語られています。
私も日本サッカーは確かに下降線に入っていると思います。
ただし、私が思う下降線とは、『このままズルズルとアジアの二流になるよ』というのではなく、輝きを放った世代からの交替期なので『再び輝きを放つまで少し時間がかかる』という意味合いです。
目映すぎた黄金メンバー~本田、長友、香川、岡崎、内田~
2010年の南アフリカワールドカップから、ブラジルワールドカップの前哨戦であった2013年のコンフェデ杯頃までの日本サッカーは、本当にかつてない輝きを放ったと思います。
コンフェデ杯は確かに3連敗で終りましたが、イタリア戦での攻撃姿勢は観る者をワクワクさせましたし、同年11月の親善試合では、アウェーにもかかわらず、オランダに2-2で引き分け、ベルギーには3-2で勝利するなど、サッケローニ監督の下で攻撃スタイルが確立され、日本サッカーが熟成したように思いました。
(もちろん、10月の親善試合ではセルビアとベラルーシに連敗してますが・・・)
もしも、ブラジルワールドカップが2013年に行われていたら、もっと違った結果になっていたと思うのです。
しかし、残念ながら、実際のブラジルワールドカップでは惨敗でした。
つまり、2014年には既に日本サッカーは下降線を描き始めていたと思うのです。
なぜなら、2013年に私たちが目にした日本サッカーの進化の実態は、日本サッカーが熟成したから得たのではなく、当時の中心メンバーの熟成によってもたらされたことが最大の理由だと思います。
日本サッカーが熟成していたのであれば、年々、新しい血が代表にもたらされていたことでしょう。
しかし、現実には違いました。
ザック監督の時代は、中心メンバーの輝きが目映すぎたため、ザッケローニ監督自身、新しい生まれたての星に目が向かなかったのではないでしょうか。
U-16とU-19がもたらした希望
先に書いたように、ブラジルワールドカップから2016年までは、日本サッカーに新しい血の台頭が殆どみられませんでした。
ですが、ようやく、新しい光が射して来たように感じます。
2016年10月、インドで行われた『AFC U-16選手権2016』で、来年インドで開催される『U-17ワールドカップ』への出場権を獲得しました。
そして、そしてバーレーンで行われた『AFC U-19選手権』では、来年韓国で開催される『U-20ワールドカップ』への出場権を獲得しました。
U-16と19世代の彼らが世界大会に出ることで、『同世代の世界のサッカー選手における自分達の立ち位置』を知れることは確かに重要だと思います。
しかし何よりも大事なのは、日本人同士の試合では決して味わえない、『怖さや巧さ、そして狡さ』を経験できることだと私は思います。
かれらの試合を生で観たわけではなく、映像でかいつまんだだけなので、あまり語る資格はないと思うのですが、映像で見ていて感じたことを一つだけ述べたいと思います。
負け試合なのに、悲壮感がない
U-16の準決勝、敗戦したイラク戦を観た時に感じたのですが、
負けているのに悲壮感を漂わせた選手が見当たりませんでした。
悪く言えば、淡々としていると言えますが・・・
私にはこう見えました
『サッカーは時に強いチームが負けることもあるさ』と。
出場権を決めた後だから、どこかで緊張が途切れていたとも言えるのでしょうが、彼らの試合から感じたのはむしろ次のような雰囲気でした。
それは、まるで『欧州や南米の強豪が、親善試合でたまに日本に勝ち星をくれるような雰囲気』
と言ってもいいように感じました。
真剣勝負の場では決して負けない、ですが、時に親善試合では勝ち星を与えることもある。
そんな、彼らのふてぶてしい強さが、経験を積みコントロール出来るようになると、相当に怖いチームになるように思いました。
次世代に夢を馳せることはサッカー観戦の楽しみの一つ!
U-16や19世代の彼らは、次のロシアワールドカップには少々間に合わないかも知れませんが、2020年の東京五輪、または2022年のカタールワールドカップでは主力となっている世代のはずです。
(まてよ・・・U-19世代の何人かは、フル代表に入らないとダメか?)
つまり、数年後には、私達は再び、本田や岡崎、香川が輝いた時のような、日本サッカーの輝きを観れる可能性が出てきたのです。
そしてその輝きが、日本サッカーの本当の熟成であれば、最高ですね。
サッカーを観る楽しさは、目先の勝利を喜ぶことだけではなく、
数年後の代表チームの姿を夢見ることも、楽しみ方の1つでないかと、
私は思うのです。
ハリルホジッチは監督としてどうなのか?
誠に僭越ですが、今のところ、甲もなく乙もなく、ではないでしょうか?
乙な部分は・・・、
新しいメンバーを試せる親善試合で、代わり映えのないメンバーを選んでいたこと。
甲の部分は・・・、
自分の首がかかったサウジ戦において、主力としてきた黄金メンバーを入れ替える決断が出来たこと。
正直、今の段階ではイチ観戦者の私ごときには何とも判断つきません。
ただ、時々、この監督は非常に怖いことを言ってるのではないか?
と最近感じるときがあります。
最終予選のUAE戦を前にした。メンバー発表記者会見でこんな事を言ってました。
~前略~
他の選手はなぜ呼ばないのかという質問も受けたいが、
A代表で準備できる選手がいないのが理由だ。
~後略~
『ハリルホジッチはメンバーを変えない、
いつものメンバーばかり選び、起用している。』
と批判する記事やコメントをよく見るが、
実は、彼はちゃんと答えを出しているのではないか?
という疑問が最近私の中には浮かんできています。
それは、
『今までの監督やサッカー協会が、今、20代前半にさしかかる選手の育成を怠ったので、明らかに力が落ちた黄金メンバーであっても、その状態の彼らにとって変われる選手がいませんよ。それが現状なんですよ、日本の皆さん!』
と言われているのではないかと・・・。
いずれにせよ、サウジ戦での掛けに成功したことで、ハリルホジッチ監督の続投はほぼ決まりでしょう。
ロシアワールドカップ最終予選は、彼の采配と心中ですね。
ちなみに、私はこの人の狡猾さはワールドカップ本線に出れたら花開くように感じて期待しています。
オーストラリア戦での、捨て身で勝ち点1だけを取りにいく姿勢など、普通の人にはなかなか出来ないと思います。
私自身、オーストラリア戦を観ている最中は、
『アホ監督、やる気のない監督、変えろ!』と絶叫していましたけどね。特に後半、DFの丸山を出した時には、手にしていたビールを落としたほどに唖然としましたし、正直、ハリルホジッチ監督に絶望を感じたほどでした。
しかし、今にしても思えば、日本がグループBで単独2位になっているのは、あの勝ち点1が効いている訳ですから、ハリルホジッチ監督の作戦勝ちですよね。
ロシアワールドカップ予選のここまでの結果を振り返る
先日のサウジアラビア戦を終え、3勝1分1敗の単独2位となっている。
グループB
順位 |
チーム名 |
勝点 |
勝 |
引 |
敗 |
得点 |
失点 |
得失点 |
1 |
サウジアラビア |
10 |
3 |
1 |
1 |
9 |
5 |
+4 |
2 |
日本 |
10 |
3 |
1 |
1 |
8 |
5 |
+3 |
3 |
オーストラリア |
9 |
2 |
3 |
0 |
8 |
5 |
+3 |
4 |
アラブ首長国連邦(UAE) |
9 |
3 |
0 |
2 |
7 |
6 |
+1 |
5 |
イラク |
3 |
1 |
0 |
4 |
6 |
8 |
-2 |
6 |
タイ |
1 |
0 |
1 |
4 |
3 |
12 |
-9 |
先ほどちょいと触れましたが、
もしもオーストラリア戦に勝負を掛けて負けていたら、、、、
日本の勝ち点は9となり、
得失点差は最高でも+2(オーストラリアに1-2で負けた場合)となり、
サウジ戦に無事勝利しても順位は3位のままだった訳である。
ちなみにその場合、オーストラリアは勝ち点12で単独1位となっている。
さらに、もしも・・・、
オーストラリアに2点差以上で負けていたら、
サウジ戦後にUAEにも勝ち点で抜かれ4位になっていた可能性もあるし、なによりサウジ戦に掛かる重圧はハンパないレベルだったと思われる。
そう考えると、
本当にオーストラリア戦の引き分けは、ある意味『金星』だったと、
現時点では言えるのではないでしょうか?
まあ、試合にタラレバを言えばキリがないので、妄想はこれ位にしておこうかと思います。
UAE戦でのあのゴールが・・・とか言い出したらキリないですからね。
UAE戦の負けには理由がある!
メディアでは色々と出ていましたよね、
『準備不足、本田達に頼りすぎ、ハリルの能力不足・・・』
どれもこれも正解だと思うのですが、私はこの敗戦の理由は次の2つだと思っています。
- ハリルホジッチの油断
- 黄金メンバーの試合感の欠如が予想以上だった
これが、UAE戦~サウジ戦まで観た上で考える、UAE戦の敗戦理由です。
ハリルホジッチの油断
今更なようですが、
『アジアを舐めていた、もしくは中東の理解不足』だと思います。
まあ、これはハリルさんだけの問題と言うよりも、
日本サッカー協会の手落ちと言う方が正しいかも知れません。
今まで、どれだけ中東のチームに苦しめられてきたか、
それをハリルホジッチ監督にきちんと伝えていたのでしょうか?
ドーハの悲劇はもちろんですが、前回ブラジルワールドカップの予選でもヨルダンにアウェーで負けています。
アギーレ監督解任のきっかけになったのも中東勢です。
2015年のアジアカップで、UAEにPKで負けました。
この過去を考えるならば、ロシアワールドカップ最終予選の初戦で対戦するUAEに対して、日本は慎重に慎重を重ねて戦う必要があったはずではないでしょうか?
極端な事を言えば、絶対に負けない戦い方(言うならば、オーストラリア戦で見せたような)をすべきだったと思います。
しかしながら実際には、ハリルホジッチ監督を筆頭に、日本サッカー協会や主力のベテラン選手にいたるまで、
- 『まあ、勝てるだろう』
- 『まあ、そのうち点とれるだろう』
- 『まあ、負けることはないだろう』
と『なんとかなるだろう』気分が蔓延していたのだと、私は思うのです。
野球の野村監督が以前言ってましたが(それ自体引用らしいのですが)、
『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』
という言葉は、このUAE戦にピッタリ当てはまるな。
と思うのは私だけでしょうか?
黄金メンバーの試合感の欠如が予想以上だった
UAE戦の敗戦理由その2ですが、『黄金メンバーの試合感の欠如』が本当に大きかったと思います。
おそらく、ハリルホジッチ監督も、ファンも、そして選手自身も、
『まさかそれほど欠如しているとは思っていなかった』
のではないでしょうか?
ハリル監督も記者会見などで、
『基本は試合に出ている選手を選び、使う』
と明言していましたが、ここまで日本サッカーを引っ張ってきたメンバーに対しては、所属しているチームのレベルを鑑みれば、その選考基準をそのまま当てはめることはしていませんでした。
- 質の高いチームでの練習は、Jリーグでは絶対に得られない
- 海外のトップチームでライバル争いをすること自体が得がたい経験である
- コンディション面だけならば、練習でも十分に上げられる。
これらのハリル監督の主張は、決して間違っていないと思います。
しかしながら、
『試合感』は『真剣勝負の試合』でしか培われないものです。
どんなに経験が豊富な選手であっても、
試合に出ていなければその『感覚』が衰えていくのだと思います。
事実、UAE戦とイラク戦をスタジアムで観ていましたが、
黄金メンバーの動きには本当に歯痒かったです。
なぜなら
セカンドボールが拾えないから!
です。
競り合ったボールが落ちるであろう場所を察知する感覚が鈍るのか、
それとも、察知しても一歩を踏み出す動きが鈍るのか、
そこまでは私には判りませんが、明らかに、今までの黄金世代メンバーの動きではありませんでした。
セカンドボールを悉く拾われ、攻められる。
攻めていても、こぼれたボールへの詰めが甘く、連続攻撃にならない。
その結果が、UAE戦での敗戦であり、イラク戦でも最後の最後まで苦しめられた原因であると私は思います。
私が、この考えに確信を持ったのは、サウジ戦の前半でした。
原口、大迫、久保、三人の出足の早いこと!
正直、サウジ戦の前半は思うような攻撃リズムではなかったと思います。どちらかと言えば拙攻で、時に良い攻撃も繰り出してましたが、今ひとつ中盤から前でボールを展開出来ていなかったように思います。
それでも、中盤、というかルーズボールの競り合い(ハリルさんの好きなデュエル)に殆ど勝っていたように思います。
そして、出足の早い彼らの動きに他の選手も引っ張られ、チーム全体の押し包む動きが、サウジの選手のミスを誘っていたように思うのです。
(あの試合、サウジの選手のパスミスにどれだけ救われたか・・・。)
このサウジ戦を観ていて感じたのは、ある程度のレベルのリーグで構わないので、試合に出て激しく闘っている選手は、日本代表でも闘う事が出来るので、積極的に選出し、起用すべきなのだと言うことです。
一方、清武は試合に出ている頻度は少ないですが、試合感が失われていないように思います。そういう選手は、起用すべきだと思います。
まあ、なかなかそれを直前合宿だけで見極めるのは難しいのかも知れませんが、監督はそれが仕事なのだから、お願いしますよハリルさん。
ちなみに、サウジ戦で本田が悉くシュートチャンスを逃したことや、香川がゴール前でパスをトラップミス(これは本当にガックリ)したことは、『試合感』とは違うと思います。
単に、『調子が悪い』という事ではないでしょうか?
2017年、サッカー日本代表の予定と期待
あと4ヶ月でロシアワールドカップへの後半戦が始まります。
- 3月23日 UAE戦 アウェー
- 3月28日 タイ戦 ホーム
- 6月13日 イラク戦 アウェー(第3国で開催)
- 8月31日 オーストラリア戦 ホーム
- 9月5日 サウジアラビア戦 アウェー
9月までの長い戦いです。正直、どの試合も気が抜けません。
なぜなら、最下位のタイだって、先日オーストラリアに2-2で引き分けているのですから!
しかし、ホームが2戦しかないのが苦しい。
しかも中東勢とは全てアウェー!
誰でも判る・・・というか考えることは同じでしょうが、
後半戦初戦のUAE戦で全てが決まるような気がします。
この試合を、先のホームでのような軽い気持ちで望むのではなく、
0-0引き分けの泥試合でも構わないので、
『とにかく勝ち点を持ち帰る!』
という決意を持って望めば、サウジ戦のように活路は開けると思います。
正直、先日のサウジ戦で感じたのは、
『心身ともに整った状態であれば、まだ日本サッカーの方が上だ』
という事です。
この20年弱で日本サッカーが得てきた経験値は、決して砂上の楼閣ではないと思うのです。
今後、本田・香川・岡崎・長友・内田はどうなるの?
今回のサウジ戦で、試合に出ていて調子の良い選手を起用する流れは確立できたと思います。
本田も不満はあるでしょうが、あの試合を目の前で観たら、自分に足りない物を見極められたと思います。
そして、頭の良い彼のことですから、
必ず、『自分が活きる道』を見つけ出すと思います。
本田の経験値、そして本田の監督にも遠慮せずに意見を言う姿勢は、絶対に代表チームに必要な資質なので、しっかりと『決めるときには決める本田さん』にカムバックして、恐怖のサブとして日本代表の中に君臨して欲しいと思います。
香川には、とにかく言うことは唯一つ。
彼が輝けるチーム(最初の頃のドルトムントみたいに、脅威の点取りやがトップに座り、その周囲を衛星的に動く時、香川は一番輝くように思う)に移籍して、キレを取り戻して欲しいという事です。
岡崎は、、、ここ最近の彼のプレーを見ていて思うのですが、原口と被ってしまったのかな?と思います。
そう考えると、岡崎自身の復活には時間は掛からないかもしれませんが、代表のスタメンへの返り咲きは簡単ではないかもしれません。
長友は、昨日のサウジ戦の前半は、いまいちリズムに乗れて無いようでしたが、後半は流石と思わせる動きとタフさでした。
正直、サイドバックとしては彼の方がW酒井さんよりは上かなと思います。ただ、2年後まで持つのかなぁ?
そういえば、長友のインタビューでとても良い記事がありました。
「僕らが出始めたころの感覚を思い出せた。あのとき、中沢佑二さんや中村俊輔さんたちがどうサポートしてくれたかなっていうことを自分自身わかりましたし、勉強になりました」
よろしく頼みます、長友さん!
内田、、、好きな選手ですが、このブランクは長い。正直、構想外にしておくべきと思います。
まあ、かれは鹿島時代からクールに先を見据えている選手だったので、最後のサウジ戦とかに照準を合わせているような気もしますが・・・。
黄金世代以外のメンバーはどうするのか?
日本サッカー協会がW杯予選予備登録メンバーとして、AFCに登録したのは実に89人もいるのです。
MFでは遠藤航や柴崎岳、南野や大島もいます。
FWでは宇佐美や武藤、ハーフナーや乾、金崎や小林悠、それに宮市もいます。
調子の良い選手、闘える選手という目線で選考すれば、試合の仕方に幅と深みのあるチームが出来るはずなので、十分、ワールドカップは狙えると思っています。
正直、原口や大迫だって、3月までの間にドイツでスタメン落ちして調子を崩していたら、別の選手に挿げ替えるくらいのことをしても良いし、すべきだと思います。
ただし、一つだけ、不安があります。
日本代表のDFを鍛えなおせ!
正直、今から新しい選手を探し出すのは難しいと思うので、現在のメンバーを中心に鍛えなおすしかないと思います。
先のAFCに登録されているメンバーを見ても、MFやFWのような幅が感じられないのです。
(贔屓目で鹿島の昌子には頑張って欲しいのだけど・・・。)
CBに安心感と信頼感が足りない!
吉田も森重もCBとしては、普通に、無難にプレーしていると思います。悪い選手ではないのですが、でも、もの足りないのです。
『闘志』が感じられない。
淡々とプレーしていて、『怖さ』が感じられない。
時々吉田がやらかす『ボンミス』はCBとして以ての外ですが、、、
- 『こいつが居れば大丈夫』
- 『こいつが抜かれたら仕方ない』
とファンに信頼と安心感をもたらす選手になって欲しいと思うのです。
私は南アフリカ大会の時の1シーンが忘れられません。
2010 FIFAワールドカップのグループリーグ第3節におけるスロベニア戦において、後半67分に、相手FWのミリヴォイェ・ノヴァコヴィッチのシュートをスライディングでブロックした直後、なおもゴールに迫るズラトコ・デディッチのシュートに対し、頭部からダイブしてのブロックを試みる。結
果的に自身のブロックは失敗したものの失点を免れ、この勇敢なプレーは高い評価を受けた。
この1シーンには痺れました。
これこそが、チームの一番大事な場所に君臨する選手だと感じさせられました。
南アフリカワールドカップ時の日本代表には、テリーには及ばないけど、トゥーリオと中澤という2人のDFがいました。
技術面やスピードで言えば、吉田や森重の方がはるかに上だと思います。でも、トゥーリオと中澤は、日本代表の底を、しっかりと支えてくれている『安心感』があったのです。
このCBの鍛えなおしは、この先の予選と本選に出てからの闘いを考えると、絶対にしなくてはいけない点だと思います。
でも、どうやって緊急で鍛えるのか?
正直、素人の私にはさっぱりアイデアが出てきません。
話題をぶち上げておいて、すいません。
サイドバックの人材難はどうするのか?
内田、長友の全盛期には、W酒井が代表に名乗りを上げた頃で、彼らが伸びてくると日本のサイドバックは誰を使うか悩ましい・・・。
なんて言われていましたよね。
ですが、結果はご覧の通りです。
W酒井はそれぞれ攻撃に持ち味はあるのですが、守りの部分で思ったよりも伸び切れなかった感が否めません。
ロシアワールドカップまで、今のサイドバックで行くのか?
新しい戦力を掘り起こすのか?
このサイドバックの人材難は、実は日本サッカーが抱えている爆弾の一つなのかもしれません。
フィテッセに行った太田も29歳なので、今から急激に伸びるかと言うと疑問ですよね・・・。
Jリーグチームへのお願い。キレキレのFWを雇ってください!
先に述べた、2018年のロシアを見据えたCBの緊急の鍛えなおしはアイデアがさっぱり出てこないのですが、2020年の東京五輪、そして2022年のカタールワールドカップを見据えた、若手DF陣を成長させるアイデアはあります。
大型放映権を得た今こそ、Jリーグの存在意義が問われると思うのです。
今年の夏、サッカー界を沸かせたイギリスの映像配信会社との巨額放映権料契約のニュースは、この先10年の日本サッカーの未来にとって、とても重要だと思います。
来年からは、J1優勝賞金が10億になるといわれており(現在は1億)、この収入は、再びJリーグを活性化させるには十分な額だと思います。
確かに、優勝出来る戦力のあるチームとそれ以外のチームでは、分配金に差が出るでしょうが格差が大きくなる可能性もあります。
ですが、それでも、各チームが本物の外国人選手を獲得する絶好のチャンスだと言う事に着目したいと思います。
かつて、Jリーグ創世記のバブルに浮かれていた頃は、各チームに点取りやがゴロゴロしていました。
点取りや以外でも異次元のプレーを見せる選手がゴロゴロしてました。
ジーコ、アルシンド、ディアス、エバートン、リトバルスキー、ストイコビッチ、ドゥンガ、ブッフバルト、レオナルド、ジョルジーニョ、エムボマ、スキラッチ、カレカ、ストイチコフ、ビスマルク・・・
あぁ・・・いい時代だったなぁ。
中には、完全に旬を過ぎていた選手もいましたが、そんな彼らでさえも、時に見せるプレーが当時の日本選手にとってレベルの違いを感じさせるプレーであったことは間違いありません。
それゆえ、本物の選手のプレーときたら、まさに異次元!
エムボマのキック力とか、瞬発力は、日本人からすれば反則です!
そのような、異次元のプレーに常に晒されたのが誰だったかと言えば、
各チームのDF陣だったのです。
つまり、日本でプレーしているのに、各国のリーグでプレーしているような状況だったと言えるのです。
その結果、日本代表には『固さ』と『粘り強さ』と『闘志』だけは負けない、DF陣が次々と生まれました。
井原、都並、柱谷、相馬、秋田、松田、奈良橋、坪井・・・
技術的な面では、きっと最近の選手の方が上でしょう。
それでも、彼らには、日頃Jリーグで一流とやりあってきた経験と自負があったように思います。
だからこそ、国際試合で強豪国のFWと1対1になっても、サラッと簡単に負けることはなかったように思うのですが、私の贔屓目でしょうか?
とにかく、来年から数倍に膨れ上がる収入をJリーグの活性化に使って欲しいと思います。
それも、本当に異次元のプレーを見せられる選手を、各チーム一人でもいいから雇い入れることで、Jリーグの人気も上がるし、日本人の若手選手の底上げに繋がるからです。
セレッソに来てくれたフォルラン選手はとても良い選手でしたが、異次元の違いを見せるには、少々旬を過ぎていた感が否めません。
ずいぶん昔の話ですが、鹿島にいたジョルジーニョは、決して派手なプレーをする訳ではないのですが、プレースキックがとても綺麗で正確だったのを覚えています。
狙った相手の足元にピタッと送られるパスの弾道が綺麗でした・・・。
それと、1対1も強かった。そんなにガチガチの身体ではないのに、本当に強かった。
鹿島で長年活躍している小笠原が言ってましたが、彼がもっとも影響を受けた選手だそうです。
確実に自分より上のレベルの選手とプレーすることで、年を経てからも現状に満足せず、飽くなき欲求を持てるようになるかも知れません。
最後に、日本代表の選手の皆様へ
サウジアラビア戦の試合前練習の最後に、選手全員が集まって円陣を組んでましたよね。あの光景を観た時から、我々も、『今日は決戦だ!』と気合が入りました。
その後、国歌斉唱では、久々にスタジアムが一体化した雰囲気に包まれて鳥肌が立ちました。
試合中の選手のプレーからは、ここ最近ではなかった『鬼気迫る』想いを感じ、仕事を放り出して駆けつけた甲斐があったと満足出来ました!
最後の1点が余計とか言われてますが・・・、そんな事はどうでもいい。
以下の願いをよろしくお願いします!
- このサウジ戦を忘れずに、これからも闘う姿をみせて下さい。
- サッカーを愛するサポーターを楽しませてください。
- 勝ってください!
- ロシアワールドカップへ連れて行ってください!!
私たちから選手の皆さんへの約束は唯一つ!
- 最後まで全力で応援します!