lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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『フォルトゥナの瞳』を読んだ!



フォルトゥナの瞳(著:百田尚樹)を読んだ!

前回の読書感想文は「三四郎」をまとめました。三四郎は、かなり、色んな意味で読み応えのある純文学でした。理解しきれていないと思う。

三四郎に苦戦したので、今度は気楽に読めそうな一冊と思い、この本を手にしました。
カバーには「生死を賭けた男の選択に、感涙必死」と書かれています、時々、百田さんの本のカバーの紹介文は大袈裟なときがあるのでその点は心配でした。

フォルトゥナの瞳を読み終えたので感想をまとめます。

 

2分で読める『フォルトゥナの瞳』のあらすじ

幼き頃に火事で両親と僅か2歳だった妹を失い天涯孤独となった木山慎一郎は、自動車塗装工の仕事を真面目に働く日々を送っていました。

ある日、仕事帰りの電車の中で不思議な光景を目にします。
自分の座席の正面に立っているサラリーマンの手元を見た慎一郎は、彼の手首が透けて天井が見えていることに気付きます。
しかし、自分が疲れているだけだと思い、特に気に留めることはしませんでした。
ところが、その後何度か同じような光景を見るにつれ、それは目の疲れではなく何かを暗示しているのだと気付き、やがて、「命が尽きる寸前の人が透明に見える」ことに気付くのでした。

この特殊能力を使えば、死が迫る人を助ける事が出来るのですが、人の運命を変える行為を行うと自分の身体に大きな負担を負うことを悟り、やがて、見て見ぬ振りをするようになります。
しかし、慎一郎の人生に転機が訪れます。
愛する人が出来たことで、人の死を無視する自分自身の生き方に苦悩し始めます。

  • 愛する人と共に生き続ける為に見て見ぬ振りを続けるか・・・
  • 愛する人と共に歩めなくなっても自分の想いに基づいて行動するか・・・

彼が選んだ人生はとは・・・

詳細は本書を読んでお楽しみください

 

10分は掛かる『フォルトゥナの瞳』のあらすじ

自動車塗装工として黙々と働く日々を過ごしていた木山慎一郎が主人公である。
ある日、帰宅途中の電車で奇妙な出来事に遭遇する。
自分の座席の正面に立っているサラリーマンの手首が透けて、天井が見えていたのであった。すぐに彼が列車から降りてしまったので、目も疲れていたし、錯覚だと思った慎一郎でした。
その後、しばらくは何も起きなかったのですが、再び身体の一部が透けている女性に出くわします。気になった慎一郎は後を付けるのでしたが、途中で見失ってしまうのでした。

一度ならず二度も遭遇した不思議な光景が忘れられず、仕事に集中できず社長の遠藤からも叱責を受ける始末でした。
そして三度、身体の一部が透けた人間に出くわします。
今度こそ見失わないように後を付ける慎一郎でしたが、その追跡は思わぬ結末を迎えて終了となります。
道を渡ろうとした透明人間は、バイクに跳ねられ亡くなってしまうのでした。
跳ねられた直後は透明人間のままでしたが、やがて、真っ赤な血溜まり中に中年の男がはっきりと見えるようになります。彼の頭部は損傷し、ほぼ即死状態でした。
慎一郎は、自分の能力にある意味を感じ始めます。

  • 「死を間近にした人が透明に見えるのではないか?」
  • 「死が訪れたから、あのバイクに跳ねられた男は見えるようになったのではないか?」

自分の能力に悩んでいた慎一郎をさらに悩ます事件が起きます。
仕事終わりに、工場で事務を一手に引き受けている美津子と一杯飲みにビアガーデンへ出掛けます。するとそこに中年のカップルがいました。
普段なら特に気にすることもないそのカップルの女性にだけ慎一郎の目は釘付けになってしまいます。なぜなら、空中に彼女の着ている服だけが浮かんでいて、彼女の顔も手も足もまったく見えなかったからです。
彼らの話は明らかに別れ話と思え、やがて彼女は泣き出して席を立ち去ります。
何かを感じた慎一郎が後をつけると、その女性はまさにフェンスを乗り越えようとする瞬間でした。
必死に声を掛けて止めようと駆け寄りますが、間に合わず、彼女は転落してしまうのでした。
慎一郎は、「たとえ人の死が判っても、その運命を止められないのであれば意味がない」と苦悩を深めていくのでした。

自殺した女性を見て以来、しばらく透明人間に出会いませんでした。
ある日曜日、コンビニで買ったビールを公園で飲んでいると会いたくないと願っていた透明人間を見つけることになります。
ジャングルジムの上に子供服だけが浮かんでいたのです。
慌てて駆け寄り、「動くな」と子供に声を掛けると・・・
顔や手足をはっきりと見えるようになり、助け出すことに成功するのでした。
後に残ったのは、変質者扱いされる自分と、胸を締めるつける痛みだけでした。
この一連の経験から、慎一郎は自分の行動で死にゆく人の運命を変えられると考え始めるのでした。

会社でも人助けのチャンスが巡ってきます。
素行の悪い同僚・金田がお客様から預かった車を無断で乗り回し、それを指摘した社長の遠藤と衝突しクビになってしまいます。
その直後、遠藤の身体が透け始めたのを見て、慎一郎は遠藤の身に良くないことが起きると確信します。そこで、仕事帰りに遠藤を食事に誘い、工場を出たところで金田に襲撃されるのでした。
幸い、慎一郎が身を挺して守ったため、遠藤が死ぬ事はなく、透けていた身体がハッキリと見えるようになるのでした。
安心した慎一郎はその直後、激しい頭痛を感じて病院へ担ぎ込まれるのでした。

自分の力が人助けになると実感した慎一郎は、身体の透けた人を見掛けたら助けようと考え始めます。

列車の中で手首から先が透けている若い男を見かけ、何とか助けようと声を掛けるようですが、なかなか思うように出来ません。
その時、後から声を掛けられます。
「おい」「余計なことは考えるな」
声を掛けてきた男・黒川と話していくうちに、彼も慎一郎と同じ死にゆく人を見ることが出来る人間だと判ります。
しかし、彼は、慎一郎のように人助けをするつもりはないと言い放ちます。
「神の領域に踏み込むな」と。
そして、恐ろしいことも慎一郎に告げるのでした。
「人助けをして運命を変えると、自分の命が縮まる」と。
その上、黒川は慎一郎にトドメを刺します。
「たとえお前が必死に救ったとしても、救われた人間にはその事実は伝わらない」

黒川との出会いで再び自分の能力の使い道について再び悩み始めた慎一郎ですが、人生最高の出来事が訪れます。
携帯が壊れてしまい、修理に訪れたショップで対応してくれた店員・桐生葵の指先が透けていたため、勇気を振り絞って彼女を仕事の後にお茶へ誘います。
その誘いを受けてくれた彼女の指は、はっきりと見えるようになるのでした。


葵と出会い、慎一郎には未来への夢が生まれます。
すると、葵と共に生きる未来を選択したくなります。
黒川に言われたように、縁もゆかりも無い他人の命を救って死にたくない・・・と。

しかし、そんな慎一郎を試すかのように神は慎一郎に試練を与えます。

電車の中でも、街中でも、かつて無いほどの身体の透けた人間を見かけるようになるのでした。
葵との生活を守りたい慎一郎は自分には関係ないと無視しようとします。
しかし、身体の透けている人々の中には幼稚園児も含まれていました。
子供たちの存在は、慎一郎の心の傷を呼び起こすのでした。
かつて、家族を火事で失う前に身体が透けていた妹の事を・・・。

慎一郎は、
葵との未来を取るのか?
人助けをして人知れず死ぬのか?
慎一郎の決断はいかに?

本書を読んでお確かめください。

 

『フォルトゥナの瞳』のオススメ度はいくつ?

オススメ度は70点です。

500ページ近い小説ですが、テンポ良く、最後まで飽きることなく読めました。
慎一郎がどうなるのか?
先が気になる物語の構成でした。

ただ、最後がちょっと意外性が無くて残念でした。
そのため70点にしています。

フォルトゥナの瞳 (新潮文庫)

フォルトゥナの瞳 (新潮文庫)

 

 

『フォルトゥナの瞳』をオススメする人は?

  • 百田作品が大好きな人
  • 運命について考えたことのある人

 

『フォルトゥナの瞳』をオススメしない人は?

  • ハッピーエンド以外の本は読みたくない人
  • 最後に「あ!やっぱり」的な展開に怒りを覚える人

 

『フォルトゥナの瞳』読後の感想

読み終えて数日間、モヤモヤが心に残っていました。
このモヤモヤは何だろう?
面白い小説だったのに「面白い!」って無条件でオススメ出来ないのは何だろう?
その答えが何となく気付いたのでまとめておきます。

 

本の帯で紹介している文章が下手すぎる・・・

帯には次のような文章が書かれています。

  1. 「生死を賭けた男の選択に、感涙必死」
  2. 「もし他人の死の運命が視えてしまったら あなたはどうしますか-」
  3. 「この本を手に取った瞬間 あなたの『運命』が変わるかもしれません」

1と3のキャッチコピーは刺激的な言葉過ぎます。
読む側に先入観を与えてしまいます。
せっかく、『フォルトゥナの瞳』を楽しく読んでいても、帯の言葉が頭から離れなくて、最後に何かある・・・最後に何かある・・・と気になってしまい、驚きの展開を純粋に楽しむことが出来ませんでした。

誰がキャッチコピーを作っているのか知りませんが、もう少し、オブラートに包んで表現して欲しいです。
今回は2のキェッチコピーだけで十分だったと思います。
もしも1のキャッチを使いたいなら「感涙必死!」だけにしてくれれば良かったのに・・・。

ちょっと残念でした。

 

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