lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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『ICO-霧の城-』を読んだ!



ICO-霧の城-(著:宮部みゆき)を読んだ!

毎日暑い日が続くので、あんまり骨太でなくサラッと読める小説が良いと思って手にしたのがこの1冊でした。
裏表紙を読むとファンタジー小説のようでした。
宮部さんの「ブレイブ・ストーリー」は面白かった記憶があるので、これも面白いだろうと期待しながら読み始めました。

上下巻を読み終えたので感想をまとめます。

 

2分で読める『ICO-霧の城-』のあらすじ

トクサ村に数十年ぶりに角の生えた子供「イコ」が誕生します。
角の生えた子は「ニエ(生贄)」として、成長したら「霧の城」に送られることが慣例となっており、「イコ」も村のために「ニエ」の役割を全うするように言い含められながら成長していきます。

「その日」を迎えたイコは、都から来た神官と共に禁断の地を越えて霧の城へ向かいます。そして、神官によってイコは呪文が施された石棺に入れられます。

しかし、イコが村を旅立つ時に村長が着せてくれた服には特別な呪文が施されており、イコは「ニエ」として霧の城の主人に支配されることはありませんでした。

そして、霧の城で出会った囚われの少女を助け、村へ帰ることを決意します。

  • イコはなぜ霧の城の主人の支配から逃れることが出来たのか?
  • 霧の城で出会った少女は何者なのか?
  • 2人の運命や如何に?

本書を読んでお楽しみください。

 

5分で読める『ICO-霧の城-』のあらすじ(というか要点)

※ファンタジー小説のあらすじを細部まで書くと、読む人はつまらないと思うので、各シーンの要点をまとめる程度にしておきます。

第1章 すべては神官殿の申されるまま

トクサ村に数十年ぶりに角の生えた子「ニエ(生贄)」が生まれる。
村長夫婦はその子供を「イコ」と名づけます。
そして「イコ」が村のために「ニエ」の役目を果たすべく「霧の城」へ行く日まで大切に育てます。

霧の城へ行く日が近づいたある日、イコの友人トトが霧の城の手前にある禁断の地から「光る本」を持ち帰ります。
その本を見た村長は、イコの服にその本に書かれていた言葉を織り込ませるのでした。

第2章 霧の城

都から来た神官と共にイコは霧の城へ向います。

城へ到着後、神官と共に城内を移動し、石棺が並ぶ部屋へ辿りつき石棺の中へイコを閉じ込めます。
しかし、服に特別な御印を織り込まれたイコが入った石棺は倒れイコは石棺から転がり出ることに成功します。

自分が囚われていた場所の探索を始めるイコは、やがて鳥篭の様な檻に閉じ込められていた少女を見つけて助け出します。

そして、2人で霧の城からの脱出を図ることになります。

助けた少女とは言葉が異なるために話すことは出来ませんでしたが、手を繋ぐと不思議な幻影を見ることに気付きます。
やがて、その幻影は少女の過去を映し出していることに気付き始めます。

襲ってくる敵を倒し、迷路のような城内をクリアし、ようやく正門に辿り着いた2人の前に「霧の城」の主人・女王が現れます。
女王はイコが特殊な御印を身に付けているのを知ると、殺そうとはせず、自分の娘・ヨルダを置いて出て行くように告げるのでした。

第3章 ヨルダ-時の娘

ヨルダの視点で描かれています。
かつて、この霧の城で母である女王と暮らした日々が描かれます。

城から一歩も外へ出ることが出来なかったヨルダは、御付の者の協力で城を出ようとします。しかし、母である女王は全てお見通しでした。

彼女が企図した悪戯の代償は小さくない物でした。
ヨルダに協力した御付の者は、女王の魔力によって石にされていたのです。

母である女王から語られる女王の出自と霧の城の目的・・・。
それは幼きヨルダの心を震え上がらせるには十分な凄惨な物語でした。

女王は世界征服の一環として武闘大会を開催していました。
その目的は、勇者の力を他国に取られないようにするためでした。そのため、武闘大会を勝ち抜いた勇者を召抱えると、その勇者の技術を自国の兵士に還元させていました。そして、技術の還元が終わると女王は勇者を石に変えて殺してしまうのでした。
それを知ったヨルダは武闘大会を観ることを嫌がるようになります。

ある武闘大会が開かれていた時、ヨルダは武闘大会を観戦せずに城内を散歩していました。城内の外れにある風の塔まで来たときに1人の剣士と出会います。
彼の名はオズマ頭に角を生やした異国の剣士でした。

そのオズマは武闘大会に参加していました。
彼に惹かれたヨルダはオズマが石にされるのを防ぎたいと思い、母である女王の秘密を話すのでした。

それを聞いたオズマは、自分の秘密もヨルダに話すのでした。
「闇が復活する兆しがある」ことを恐れる人々によって、女王を倒すために送り込まれた尖兵であると・・・。

ヨルダは亡き父の夢を見ます。
父は母によって殺され、風の塔に魂を幽閉されていました。
父だけでなく、父の忠臣たちも黒き煙の化け物に変えられていました。

父への想いが人一倍強かったヨルダは、父の魂を解放するために風の塔へオズマと向います。
螺旋階段を登った先には鳥篭の檻があり、そこには朽ち果てた父の遺骸が転がっていました。
父の亡骸を下ろすと、父の頭蓋骨は「光の書」をくわえていました。
そこへ現れる女王・・・。
ヨルダとオズマ女王の圧力から逃れ、決死の思いで塔から脱出していくのでした。

第4章 対決の刻

ヨルダの視点はおわり、再びイコがメインになります。

  • ヨルダが見せる幻影によって、かつての霧の城に何が起きたのか?
  • そして、霧の城から逃れたはずのヨルダとオズマのその後がどうなったのか?

が次第に明らかになっていきます。

イコはヨルダが女王の娘であることや、城内で出くわす煙の化け物がヨルダを仇としていることなどから、彼女と共に居ることに疑問を感じつつも、彼女を突き放すことは出来ないのでした。

霧の城から脱出するため
女王を真に倒すため
御印を縫いこまれた服だけでは対抗できないため、イコは城内に隠された剣を手に入れることにします。
そして剣を手にしたイコは女王との決戦に臨みます。

女王との対決に先立ち、様々な疑問が明かされていきます。

  • なぜ、絶大な勢力を誇った女王が霧の化け物になっているのか?
  • 霧の城のそこかしこに置かれている石像が何なのか?
  • 城を脱出したはずのヨルダがなぜ鳥篭に囚われているのか?

などが女王の口から語られます。

そして誰が「ニエ」の習慣を生み出したのか?についても語られます。

終章 そして二人は・・・・・

戦い終えて・・・の結末が語られます。

詳細は書きません。
本書を読んでお確かめください。

 

『ICO-霧の城-』のおススメ度はいくつ?

おススメ度は・・・・。
難しいです、どうしよう・・・。

第1章時点・・・おススメ度は30点です。
物語の世界にさっぱり入れません。

第2章時点・・・おススメ度は50点です。
少し物語の行く末に興味が出てきます。

第3章時点・・・おススメ度は60点です。
物語の大筋が判るけど・・・それだけです。

第4章時点・・・おススメ度は60点です。
小説として、何かが足りないような気がしていました。


そして・・・
読み終えて1週間経ち・・・おススメ度は70点です。
じわりじわりと物語の良さが判るようになりました。

 

 おろらく、この本の評価は極端に分かれる様な気がします。
絶賛する人と、途中でほぼ投げ出す人と・・・。

理由は以下のおススメする・しないでまとめます。

 

『ICO-霧の城-』をおススメする人

  • ゲームICOをやった事がある人
  • ファンタジー小説に耐性のある人

この本の良さはゲームをやった人でないと判らないのではないでしょうか?

なぜなら、読みながらゲームの映像が脳内に浮かんでくる前提で文章が書かれているように思うからです。
映像が浮かばない人は、自力で映像を創造するしかありません。

過去に数多のファンタジー系の映像やゲームをした人なら自力で補えるかと思いますが、それ以外の方はかなり読み進めるのは難しいかと思います。

 

『ICO-霧の城-』をおススメしない人

  • ゲームのICOをやったことがない人
  • ファンタジー系は苦手な人
  • 宮部さんの作品「ブレイブストーリー」と同じ雰囲気を求めている人

とにかく、ゲームをやった事が無い人にはおススメしません。

 

『ICO-霧の城-』読了後の感想

既にかなりシビアな事を書いていますが、この本は読み進めるのに苦労しました。

宮部さんの作品「ブレイブストーリー」が面白かったので、軽い気持ちで手を出したのが失敗でした。
ゲームを気に入った宮部さんが書いた小説だと判っていれば、もう少し楽に読み進めることが出来たし、小説を楽しめたように思います。

 

ゲームが先の小説は賛否が分かれると思う

小説が原作となってゲームが作られる場合
ゲームが原作となって小説が作られる場合

圧倒的に後者の方がやっかいです。

なぜなら、後者の場合には読者の中に差が生まれているからです。

ゲームをプレイしたことがある人は、小説を読みながら「あ!あの場面だな!」とか「あ!あの場所だな!」等と情景を思い浮かべながら読めます。
なぜなら、作者も情景を思い浮かべながら本を書くからです。
しかし、その際に大きな問題が生じていると思うのです。
それは、作者の頭にも情景が思い浮かんでしまう分、どうしても文章が簡素化されてしまうのです。

その結果、ゲームをやった事が無い人は、必死になって情景を描き出して補完しなくてはなりません。
これは、なかなか骨の折れる作業です。

まあ、私の勝手な考えではなりますが、そのように思っています。

 

結局、ゲームがやりたくなったので作者の勝ちかな・・・

読み進めるのに苦労して、必死に色んなシーンを思い浮かべた結果、ゲームICOをやりたくなってしまいました。

  • この場面、ゲームではどうなってるんだろう?
  • このシーンはかなり難しいアクションになっているのかな?
  • セーブやロードに制限があると厳しいプレイになりそうだ・・・。

等と創造してしまい、ゲームをやりたくなりました。

そこで、ゲームの公式HPにある映像を見たらとても面白そうでした。

www.jp.playstation.com

しかしながら、PS2とPS3しか販売されていないようです。
PS4で出来るようになったらプレイしたいなぁ・・・。

ICO

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