未破裂脳動脈瘤の手術が決まり、具体的に手術費用や休職について考えるようになって始めて、手術費用や休職中の生活費について考えるようになりました。
ここまで2回に渡って、『お金の問題』シリーズとして、当時、実際に調べた制度や利用した制度についてまとめました。
この『お金の問題』シリーズ最終回は、休職中に一定の収入を得ることが出来る夢のような制度『傷病手当金』についてまとめてみます。
短期か長期か不明だったが、休職中の収入について悩んでいた
高額な入院・手術費用は『高額療養費制度』を利用することでかなり抑えることが出来るため、10万円程度済むことが判りました。
入院・手術でおよそ1ヶ月仕事を休むのですが、有給の有効期間が2年間あることが判り、休みが1ヶ月だけなら有給でカバー出来ることが判りました。
しかしながら、開頭クリッピング手術を受けた場合、休職期間が1ヶ月で済まない人の方が多いと医師から聞いていました。
『仕事に復職は可能だけど、大事をとって術後2ヶ月程度は休んでいる人が多いですよ』と言われていました。
会社側も、自分が納得するまで休んでよい!
と言ってくれましたので、きちんと休んで体調を整えることを検討していました。
ですが、2ヶ月休む場合、1ヶ月は無給になります。
まあ、1ヶ月だけなら、食べるのに困るわけではないですが、やはり無給は辛いです。
更に、あまり考えたくはないですが、術後の回復が遅れたり、または手術による後遺症が出た場合には、半年、1年と仕事が出来ないこともあります。
そう考えると、直近で発生する入院・手術費用の目処は付きましたが、先々の収入に関して不安を感じずにいられませんでした。
そんな気持ちを察してか、私の会社の総務担当は予めこの『傷病手当金制度』について調べてくれており、私が有給の相談に行った時に教えてくれました。
今思うと、とても有難かったです。
休職中は傷病手当金制度を利用する
会社に有給の相談をした際に、この『傷病手当金制度』を教えてもらいました。
恥ずかしながら、私はこの制度の事を全く知りませんでした。
有給を使い切ってからの休職期間は無給になってしまうと思い込み、万一、長期療養が必要になった場合の生活に対して、不安を感じていました。
ですが、この『傷病手当金制度』を利用すれば、生活を維持するには十分な収入を得ることが出来ると言うのです。
傷病手当金について超簡単にまとめます
大変有難い制度なのですが、こういう制度にはありがちな、ちょっと複雑な仕組みになっています。
その複雑な制度を、素人がさらに解説しても余計判りにくくなるように思います。
そこで、当時、ある意味切羽詰った状態の私が知りたかった点だけにフォーカスして、完結にまとめてみます。
本当にザックリとしたことだけ書きます!
支給されるための条件
病気や怪我で会社を休んだら支給されます。
(ざっくりした条件)
- 3日以上連続して休むと『傷病手当金制度』のスイッチがオンに!
- 4日目以降も連続して休んだ場合→支給対象になります!
- 4日目は出社し、5日目以降休んだ場合→支給対象になります!
判りやすい図は以下を参照してください。
( 全国健康保険協会より抜粋)
支給される額
上記、支給される条件をクリアし、かつ会社から給与が支払われていない場合、傷病手当金が支払われます。
(ざっくりした支払額)
- 毎月貰っている給与の3分の2が支給されます。
- 期間は、支給開始から1年6ヶ月!
厳密な計算には、色々と複雑な式がサイトには紹介されています。
ですが、私的には、その計算に頭を悩ませる時間がもったいないと思います。
とにかく、毎月の給与の3分の2を貰えると判るだけで安心出来ませんか?
私はそれが判った時点で、お金の悩みはほぼ解消しました。
交通費も含まれます!
支払いの対象となる給与の額は交通費も含みます。
残業代や交通費も含む給与と考えてよいそうです。
尚、ボーナスは基本的に除外されるとのこと。
支給申請の時期と方法
入院・手術前には、ざっくりとした条件と額だけ判れば十分だろう・・・。
と言う理由がこの時期です。
申請時期は、実際に申請する期間が判明してから!
要するに、休職期間を終え、社会復帰してから出ないと申請は出来ません。
つまり、入院・手術前に慌てることは無いと言うこと!
申請方法は2通りあります。
- 会社が申請書類を送付してくれる。
- 自分で、所属している保険者(健保とか協会)に書類を送る。
いずれにせよ、退院後に余るほど時間はあります。
入院前には、会社や保険者に次の点だけ伝えればよいはずです。
- 入院・治療のため休職すること
- 『傷病手当金制度』を利用すること
- 復帰後に相談すること
より詳しく知りたい方へ
少し時間に余裕のある方や、どうしても先に詳しく知らないと落ち着かない方は、以下のサイトを参照してください。
じっくり落ち着いて読めば、ほぼ理解出来るはずです。
病気やケガで会社を休んだとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
傷病手当金の申請を徹底解説!よくわかる申請方法と注意点 | 看護師がやさしく教える医療とお金の話
傷病手当金の申請の流れを確認しよう | はじめての傷病手当金
私の場合の『傷病手当金制度』受領までの流れ
私は、この『傷病手当金制度』を申請して利用しました。
2016年時点での話にはなりますが、簡単に流れを追ってみます。
予め会社に相談し、保険者(健保)などに相談しておく
私の場合は、会社の人に制度を教えてもらいましたので、手間が省け助かりました。
普通は、病気や怪我で長期休職が見込まれている場合、早めに会社に報告し、保険者(健保)などにも電話しておくと良いと思います。
病院・医師に証明書の発行を依頼しておく
この『傷病手当金精度』に該当する休職期間ですが、
当たり前ですが『医師の判断』の元に休んだ期間の事です。
自己都合・自己判断の元に休んだ期間を申請しても、支給はされません。
そのため、医師と病後療養の件を話し合い、
『●月●日~●月●日までの自宅療養を認める』
といった書類を発行して貰う必要があります。
注意点としては、この書類は休職期間前や中には発行されません。
仮に発行されてもそれは使えません。
休職期間終了後、つまり申請期間が確定後に、医師に書類を書いてもらう必要があります。
申請時期の考え方 ~私の場合~
私の場合、4月初旬に入院・手術を行い、入院2週間、自宅療養2週間が予定されており、4月は丸々休職となっていました。
ただし、4月は有給で全てカバー出来ました。
その後、実際に5月1日~6月26日まで自宅で療養して、翌27日から仕事に復帰しました。
復帰した時点で、制度の申請時期は5/1~6/26までと確定したことになり、その期間を記載した書類を、6/27以降の日付で、医師に作成して貰いました。
復職したら早目に会社に報告する
復職したら、早目に報告しましょう。
病院からの書類は直ぐに揃いませんが、色々と会社にも書類を準備してもらうので、手間を掛けることになる部署や人に仁義を通しておいた方がスムーズかと思います。
会社がどんな書類を用意するのかは、会社側が把握しているはず。
万一、会社側が把握していない時は、躊躇せず保険者(健保など)に電話して相談しましょう!
必要書類に記入して提出
記入内容ですが、心配ご無用です!
健康保険傷病手当金支給申請書には記入例があります。
慌てずに、必要書類を揃えましょう!
提出は、自分で郵送するか、もしくは会社が申請するか?です。
私の場合は、会社が提出してくれました。
申請後、約2ヶ月で振り込まれました
会社に復帰したのが6月末でした。
必要な書類を病院から取り寄せ、会社に申請書類を提出したのは6月中旬でした。
会社の担当者からは、6月中に提出したと聞いていました。
実際に、私の口座に振り込まれたのは、9月半ばでした。
自分の所属している健康保険組合に聞いた時は、
1~2ヶ月で支給と言われましたので、ほぼ予定通りに支給されたと思います。
傷病手当金制度のまとめ
もう一度、ざっくりとまとめておきます。
- 病気や怪我で長期療養が必要な場合、ほぼ間違いなく支給される。
- 支給額は、毎月の給与の約3分の2。
- 支給期間は、1年6ヶ月。
- 申請は、申請期間確定してから!
- 2年前まで遡れます。
この制度は、本当に助かりました。
入院・手術前は、様々な心配や悩みでイライラしたり、ストレスを抱えていましたが、
お金の件だけはスッキリとさせることが出来て、本当に楽になったのを覚えています。
次回は『未破裂脳動脈瘤と闘う ~執刀医との最終面談は妻と両親の4人で行った~』です。
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