lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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『ようこそ、わが家へ』を読んだ!



ようこそ、我が家へを読んだ!(著:池井戸 潤)

読書感想文の再開第三弾は、池井戸潤です。

半沢シリーズを読んで感じていたが、この人の文章はリズミカルで好きです。

この本は、ドラマ化もされているようなのですが全く見ていないため、

本の結末は判らないので、最後までどうなるのか?

サスペンスを楽しめるはず・・・。

私は、サスペンスは結末を知っていては、楽しめなくなると思うので、

まだ、この本を読んでいない人、テレビを観ていない人は、

この先を読まないほうがいいかも知れません。

あまりネタバレは書かないつもりなのです。。。けどね。

 

 2つのサスペンスが織り成す人間模様!?

(粗筋)

銀行から中小電子会社へ出向している、ちょっと気の弱い52歳の総務部長の倉田さんが主人公である。妻と大学生の息子、そして高校生の娘と横浜の郊外の一戸建てに住む、ごく普通の家族の話です。

父親が帰宅途中の駅で、乗車列を無視して割り込んできた「男」に対し、いつもなら絶対にしない、妙な「正義感」を振りかざしたことで、倉田家は「一夏の恐怖」に巻き込まれることになる。
家財の損壊や嫌がらせに始まり、最後はなんと刃傷沙汰にまで発展することに・・・。

一方、倉田が出向させられている会社でも、毎月の在庫管理を行った際に、2000万で購入した商品が見つからず、その確認のために営業部長や社長とぶつかった事により、出向者としてなるべく事を荒立てず、出来る限り静かに平和に過ごしてきた倉田の会社人生は、波乱の終焉へと進むことになります。

倉田家を襲う「一夏の恐怖」の結末は?
会社が傾きかねない不正とは一体?

 

なぜに2つのサスペンスを盛り込んだのか?

これは、私の自分勝手な感想です。
でも、とても、残念なんです。

倉田家を襲う「一夏の恐怖」を描いたサスペンスも
会社が傾きかねない不正を暴いていくサスペンスも
本当にそれぞれ面白く、とても引き込まれました。 

ただ、一つとても疑問なことがあります。
なぜ、この2つのサスペンスを一冊にまとめたのでしょうか?

だって、「ようこそ、我が家へ」というタイトルと、会社の不正を巡るサスペンスには、いったいどんな繋がりがあるのでしょうか?
私にはどうしてもしっくりとこなったのです。
タイトルを考えると、倉田家を巡るサスペンスのみで一冊書けば良かったのではないでしょうか?


最初、倉田家のエピソードは、倉田さんと言う人物に幅と深みを持たせるために描かれているのかと思いましたが、でも、どう考えても、上手くリンクしていない。
なんとなく、リンクさせるような記述もありますが、ちょっとこじ付け感が強くて、「なるほど~」とはなりませんでした。
それぞれのサスペンスはとても魅力的で、引き込まれ良さがあるんです。
でも、其々が独立して成立するほど良い内容なだけに、
余計に、話しがブチッと切られる感じがして、本にのめり込めませんでした。

読み終えて、数日経つのですが、未だに謎のままです。

 

作者がこの本で書きたかった事は何なのでしょうか?

本の裏表紙のコメントによれば、『身近にある恐怖』を描いているのだそうです。

半分は成功していると思いますが、『勤務先の不正』は『身近にある恐怖』か?

 

最終第6章のタイトルは『名も無きひとりの人間として』・・・。
最後のほうで、通勤列車で乗り合わせる人間が、誰一人見知らぬ人であることに慄き、同時に、相手にとっても自分は見知らぬ人であることに気付いて慄くくだりがありますが、このくだり、私的にはあんまりしっくりとこなかったです。

う~ん、やっぱり、今の時点ではこの本で書きたかった事は判らないですね。

 

ようこそ、我が家へのオススメ度はいくつ?

点数としては50点です。

2つのエピソードはとても魅力を秘めている題材だっただけに、本当に残念。

 

数年後、自分の立場が変わり、環境が変わった頃にまた読んでみます。
もしかしたら、今の自分では気付かなかった「何か」が見えるかも知れないので!

 

ようこそ、わが家へ (小学館文庫)

ようこそ、わが家へ (小学館文庫)

 

 

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