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未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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未破裂脳動脈瘤と闘う ~揺れ動く心との向き合い方~



前回までのブログでは、未破裂脳動脈瘤が見つかる確率や破裂の確率を、私が悶々とした日々を過ごしていた当時、医師から聞いた話や、ネットや本で調べた情報を元にまとめてみました。

未破裂脳動脈瘤と闘う ~MRIを受けるとどれ位の確率で動脈瘤が見つかるのか?~ - lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤と闘う ~MRIを受けるとどれ位の確率で動脈瘤が見つかるのか?~ - lands_end’s blog

今回は、何をどうしたら良いのか。全く判らなくなって、鬱々と壊れていく心とどうやって向き合ったのか、思い出しながら書いてみたいと思います。

今、同じような状況で悩み苦しんでいる人に、ほんの少しでも、「あぁ。俺も(私も)そうだよ。」と、一瞬でも暗い悩みを忘れてもらえれば幸いです。

 偉そうな書き出しになってしまっているが、私自身、実は手術前の検査(手術1ヶ月前)を終えるまで、腹は据わらなかったと思う。

ただ、未破裂脳動脈瘤が見つかってから2ヶ月程度で、体育座りして部屋で悶々とだけする日々から脱し、目と足を前へ向け始めることが出来たと思ってる。

その2ヶ月間の事をまとめてみます。

 

未破裂脳動脈瘤が頭の中にある。ということは・・・

  • どんなに好きな本を読んでいても
  • どんなに面白いテレビを観ていても
  • どんなに仕事で切羽詰っていても
  • どんなに大切な人と大切な時間を過ごしていても

そのことに心から集中できず、

頭のどこかで「今、破裂したらどうなるんだろう?」と考えてしまう。

私はそうでした。この瞬間(次の瞬間に終わること)の恐怖から逃れられなかった。

この感情は、多分、同じ状況になった人でないと分かり合えないと思う。どんなに身近な人であっても、どんなに偉い先生でも、本当のところは理解できないと思う。

中には、メンタルが本当に強くて、「すべきこと」が直ぐに明確になって前へ進む人もいるのかもしれない。(例えばサッカーの本田選手ならあるいは・・・)。

でも、普通の人は悩んで当然。

だって、普通は「明けない夜はない」と思って生活しているのだから。

 

例えるなら頭の中に時限爆弾がある

何とか言葉で説明するのなら、そう表現するしかない。

だって、いつその時限爆弾が破裂するのか、誰にも判らない。

  • 予測数値は「生涯において交通事故で死ぬ確率と同じ程度」としか算出されず、心構えなんて到底出来ない。
  • トイレで気張った瞬間に「あ!」と破裂の恐怖に襲われる。その後、トイレで踏ん張れなくなり、度々便秘になってしまう。
  • 終電だ!まずいと会社を飛び出し、駅の階段を駆け下りた瞬間。「あ!」となって、身動きが取れなくなったこともありました。
  • 明るい家族計画なんて無理!興奮がマックスに近づくと、「う!」となって欲求と恐怖の板ばさみで苦しむ。そんな「夜の生活人生」なんてお先真っ暗だ。

ちなみに、トイレで気張ることの恐怖を医師に相談してみたところ・・・

「大丈夫!むしろその瞬間の頭の血圧は下がってるので、未破裂脳動脈瘤が破裂なんかしない!

と言ってくれました。本当かどうかは確認してません。鬱々とした私の顔をみて、単に気休めを言ってくれたのかもしれないから。 

 

そして鬱々と下を向く毎日

そんなこんなで、最初の2ヶ月は、日々、精神状態が悪くなっていった。

リアル「負のスパイラル」を体験することになる。

 

  • 心から笑えない。笑っていてもどこか醒めている自分がいる。
  • ちょっとした事で、すぐに悲観的になる。
  • なぜ自分だけ・・・と悩んでも仕方のないことで悩み続ける。
  • 誰かが急死したニュースなどで周囲が盛り上がっていると、必要以上にその話題に絡み、自分は関係ないと周囲に(と言うより自分に?)アピールする。
  • だんたん、会社でも仕事が手に付かなくなり、「どうした、具合でも悪いか?」から「あいつ、なんで仕事出来ないんだ?」と周囲の目が変わる。
  • 親しい友人と酒を飲みに行っても、全てを吐き出せない苦しさに、ちっとも楽しめないし酔えない。
  • 独りで飲みに行けば、、、良くない妄想ばかり沸いてきて、手が震える。

散々な日々でした。 

 

立ち直りのきっかけは2つ

私にとっての救いの一つは、嫁さんでした。

とにかく、明るかったし、未破裂脳動脈瘤がある事を伝える前と後で、ちっとも私への振る舞いや言動は変わらなかった。

むしろ、「この女、俺の病の深刻さを理解出来ていないのではなかろうか?」と疑うくらいに、いつも通りだった。

術後になって、「あの時は少し無理してた」と白状していたが、基本、「なるようになる」性格の人が嫁さんでいてくれて、本当に良かったと思う。

しかし・・・、会話の最中に「なんでよ!」と言いながら人の頭をど突き、「あ!破裂しちゃう。大変!」と言いながら人の頭を胸に抱いて笑っていたのは・・・(笑)。

一歩間違えば、大喧嘩だし、仮に逆の立場で俺が嫁さんにそんな真似をしたら、間違いなく殺される・・・、いや、離婚を宣言されるかもしれない。

 

もう一つのきっかけは、通勤時に出会った些細な日常のワンシーンでした。

私の家から最寄の駅まで、丘を2つ越えねばなりません。(金太郎ではありません。)その日の朝も「ふーふー」言いながら坂を上っていた時にそれは起きました。

「キャハハ、キャハハ」と甲高く叫びながら、右手の坂を駆け下りてくる子供。

その後を「まて~!まちなさい、●●!!道路に飛び出すな!!!」と、鬼の形相で駆け下りてくる父親。自分と同じくらいの年で、精一杯の全力疾走。頭はガクガクと激しく前後に揺れ、今にも転びそうになりながら、我が子のために「一心不乱」に走る。

その姿を見た時に、「俺が同じ立場になった時、そんな時でも頭の時限爆弾が気になるのだろうか?」そう思ったが、心の転換点でした。

「おい、待てよ!余命宣告された訳じゃないぞ。」

「自分で明日を見る努力が出来るはずじゃないか?」

 

なりたい自分の未来像を妄想する

来年の自分はどんな自分・家族でいたいのか?

それを妄想し続けることで、怖い、破裂する、死ぬ・・・と悩み、しょげる毎日から脱却出来たと思うのです。

 

  • 今は子供はいません。欲しいとは思うけど、今のところコウノトリさんは我が家には訪れていません。でも、子供が欲しい、出来たら心から遊びたい、喜びたい、怒りたい。そのためには、元気な自分でいなければ駄目だ。
  • 仕事だって、やりたい事がある。病気のせいで「あいつには無理させるな」的な味噌っかす扱いはいやだ。
  • 酒を飲むのが好きだ。吐くほど飲むのが好きだ。友と昼からチビチビ夜中まで飲むのは人生の楽しみの一つなんだ。
  • 大好きな小説・漫画の最後を見ずに死んだら、死んでも死にきれん!
  • 親孝行なんかした事がないからこそ、先に死ぬような親不孝だけはせめてしないようにしなければ駄目だ。
  • 何より、大好きな嫁さんと「もっと一緒に生きたい」!

 

結局、とことん自分のしたい事やなりたい自分を妄想し、とことん己の夢を(例え些細な事でも)叶えたいと願うことで、前を向き、明日を探せるようになりました。

それでも、恐怖感が消える訳ではないですよ。

でもね、少なくても明日を探している間だけは、「一心不乱」になる事が出来るようになったんです。

それだけで、自分にとっては十分でした。

 

ここまで書いてみて、正直、誰かの役に立つようなブログには到底思えないです。

思えないけど、自分が辿ってきた道をなるべく正確に残したいので、このまま掲載することにします。

 

次回「未破裂脳動脈瘤と闘う ~病気の告白の仕方。家族・友人・会社へ~

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