lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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こうばしい日々を読んだ!



『こうばしい日々』(著:江國香織/新潮文庫)を読んだ!

江國香織は、自分の最も好きな著者の一人だ。
このヒトが文章で醸し出す、なんともいえない世界(匂いかも)が、ボクには結構合う。
浪人生のとき、付き合っていた女の子が、「この本、○○くん、多分好きだよ」といって貸してくれたのがきらきらひかるだった。見事に嵌った。
それで、自分で他の本は無いのかと本屋で探して見つけたのが、この本だ。

何回目かなぁ、この本読むの。。。3回目か4回目だろうなぁ。
もっとも、5年以上は読んでいないが・・・。先日、1週間休みが取れて、旅行に出るときにバックに入れて持って行った。

 

簡単なあらすじ

この本は2つの中編小説から成り立っている。
前半の『こうばしい日々』は、10歳くらいの思春期を迎え始めた男の子が主人公だ。
仕事に没頭している(多分エリート)無口な父親。家族を大切にし、周囲との付き合いも上手にこなす、いわゆる理想型のママ。弟と少し年が離れた、ちょっと難しい時期の女子大生の姉。どこにでもあるような、ごく普通の家庭だ。
舞台は、アメリカの地方都市。
夏の終わりから冬の初めまでの生活を、男の子の日々を中心にして書いている。学校の様子、友達との喧嘩、淡い初恋、姉との喧嘩、父親への感情、年の離れた(本人は微妙に感じてるようだが)人々との友情、などなど。
思春期を迎え、これから男になっていく、その狭間の時期を描い小説だ。

後半の『綿菓子』は小学6年ら中学1年なる時期の、女の子を描いた小説だ。
こちらも無口だけど、母親を愛し、家族を大切にする父親として描かれている。そしてやっぱり理想型のママ。そして年のちょっと離れた姉。こちらもどこにでもある家庭だ。
「女の子」から「女」になる時期を描いている。年の離れた姉の結婚、姉の結婚に至る経緯への不満。以前の姉の恋人に対する想い。父親と母親の恋愛感情についての想い。中学で出来た友達との関係、恋愛話、家庭話、、、。

2つの小説は、完全に独立した物ではあるが、でも繋がってる。
どちらも思春期を迎え、子供から大人になろうとする日々を描いている。
誰にでも覚えがあり、思い出すと、色んな感情が湧き上がってくる日々・・・。

 

本の感想

宮部みゆきのブレイブストーリーを読んだ時にも、「よく男の子の気持ちが判るなぁ。」と書いたが、この本を改めて読んで、同じ感想を抱いた。10歳前後の男の『子』の、心の中で考えている事が巧みに表現されている。ただ、舞台がアメリカだからなのか、この著者の特性なのか、ちょっと大人びた雰囲気や気障な言動はある。
思うに足りないのは、、、多分、男の『子』とのやり取りだ。同年代の男の子と喧嘩をするシーンや、野球場でダブルデートの約束をするシーンはあるが、総じて少ない。
この年代の男の子にとって、女よりも、友達との濃密で、今思えばくだらない遊びに没頭する日々が、世界で一番ではないだろうか。
それと、マジカヨ?
と思ったのは、男の子がガールフレンドと喧嘩をして、仲直りをする時に、言葉ではなく行動『キス』をするところなんか、、、「ありえねぇ~」。と思った。アメリカだからかなぁ。。。

後半の『綿菓子』の感想は、、、
難しい。だって、この年代の女の子の事なんか判らんもん。
ただ、読み比べて思うのは、明らかに同年代の男女では、やっぱり女の方が早熟なんだな。という事がよく判った。
例えば、、、女の子にチューしてしまう、留年した大学生。。。
冷静に考えれば、中学一年なんて、ガキだ。色気の「い」の字もなかろうに、、、思わず「女」として扱ってしまうあたりが、、、ねぇ。女は怖いのぉ。

ま、ただの「ロリコン」って言えば、それまでだが。。。

なんとなく、モヤッとしている気分な時とか、テンションが高くも無く低くも無い時とか、旅にフラッと出る時など、そんな時にサラッと読むとイイと思います。
決して、色々悩んでいる時や、幸せ一杯の時には、止めた方がイイと思う。
だった、そういう気分の時には、この著者の綴る、不思議な文体を存分に味わえないだろうからね。

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