lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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ナイチンゲールの沈黙を読んだ!



ナイチンゲールの沈黙(著:海道尊/宝島社文庫)を読んだ!

前回のチームバチスタで書いたように、わたしゃへそ曲がりな理屈でこの作者の本を眺めていたので、ブームには随分と遅れている。
先日、私がこよなく愛する「自宅外有料書庫(要するに古本屋。。。)」にてセールを開催していて、その時に文庫上下で100円でゲット!・・・したので、読んだ。

(粗筋)
前回のチームバチスタのスキャンダルから9ヵ月後の東城大学付属病院院長室から物語りは始まる。前回同様、一筋縄ではいきそうもない老獪な院長から切り出された「不可解な業務依頼(読者にとっても全く不可解だったが)」を、やんわりと断る田口先生。何かが腑に落ちないけど、、、院長は病院の忘年会に出席するため、あっさりと引き下がる。
病院の忘年会会場で、催し物の打ち合わせをする2人の小児科勤務の看護師「浜田小夜」と「如月翔子」。この2人は今回の物語のキーマン。忘年会は、小夜の常人離れした歌声が発揮され、見事に小夜が最優秀賞を射止める。
忘年会の後、一杯飲みに街へ出た2人は、城崎と名乗る男に「白銀の迦陵頻伽と呼ばれる歌手・水落冴子のライブに誘われる。この2人もキーマンだな。ライブ中、冴子の歌声が小夜の琴線の何かに触れ、小夜は舞台へと誘われる。そして、いざ歌いだそうとした矢先、冴子が大量吐血してしまう。そこで、居合わせた2人の看護師(小夜は役に立たない状態だったが)の指示の元、東城大学付属病院へ搬送し、忘年会の騒ぎを避けて当直をしていた田口が務める、神経内科病棟のVIP病室・通称「ドア・トゥ・ヘブン」に、冴子は入院することになる。

小夜と翔子が勤務する小児科には、「牧村瑞人」と「佐々木アツシ」という2人の子供が、網膜芽種(眼の癌。レティノと呼ぶ)」で入院している。この2人も、今回の重要なキーマンだ。レティノの治療法は、基本的には眼球摘出となるため、当然の事だが、二人のメンタルケアが重要となってくる。そこで、登場するのが田口センセの不定愁訴外来だ!小児科看護師長の猫田と不定愁訴外来の裏番・藤原の、田口に有無を言わさない段取りで、「めでたく」小児科患者限定の不定愁訴外来が開設される。
小児の手術には、これまた当然だが、保護者の同意が必要となる。しかし、瑞人の父親は廃人一歩手前の状況であり、再三の病院からの要請にも顔を見せない。業を煮やした看護師・小夜が出向くが、逆に襲い掛かる始末。。。(みえみえの展開だったが)

そして物語は大きく動き出す。
小児科患者限定の不定愁訴外来を行っている最中、あの白鳥の親友?みたいな刑事が乱入してきて、瑞人の父が無残にも惨殺された事を知らせる。
一方で、時は年末(忘年会がある訳だから)のため、手術の日取りも急がなくてはならないお子様二人の診察も急ピッチで進められる。
手術が本当に必要なのか、どの程度の症状なのか、それをさぐるために子供たちを、、、で診察する。その際、アツトの願いで一緒に小夜が入り、落ち着かせるために忘年会でも披露した歌声を響かせる。。。その歌声には不思議な能力が隠されていた。

そして佳境へ。。。
惨たらしく殺された瑞人の父親の犯人は?
小夜の歌声の秘密とは?
アル中の迦陵頻伽とそのヒモの役目は?
田口センセの今回の立ち位置、、、というか役目は?
白鳥はいったい何を???

(感想)
前回の「バチスタ」同様、面白かった。一気に読んでしまったし、まあ売れる訳だよね。
ただ、こんな事をいうのはおこがましいのだが、なんで、SFチックな要素を取り入れたんだろう?まあ、医学的にありえないことでは無いのかも知れないが、、、それでも小夜のあの○○には正直。。。
バチスタの時に、あれほどの人気を博したのは、医療物に特化した内容だったからだ。といっても過言ではない。その道のプロだからこそ描き出せる世界に、、素直に、そして正直に、感動したのだ。
著者にも考えてみてほしい、なぜ、この「ナイチンゲールの沈黙」はそのままドラマ化されなかったのか?どうして、医療系の話しに特化され、SF系が排除されたのか?(最も小夜のあの能力の映像化が、ムリなのかもしれんが。。。)
要するに、読んでいる者にとって、あまりに突飛過ぎる部分があり、それを今の著者の文章力・構成力では殆ど消化させられてないのだ。細部では流石と思わせる面白さがあったのになぁ。

今回、その道のプロをちょっと外れ、作家として手を広げた著者に、私如きがとやかく言うのもあれだが、、、本を読んだのだから権利はあるだろう。
だから、言う!
もっと、ストーリを考え抜き、伏線もしっかり貼り、そして絶妙なタイミングで拾い上げる。それを磨かないと、世の中に沢山いる「イイ作家」で終わっちゃうよ。
「海堂的文章&構成・海堂的言い回し・海堂的言葉遣い」をしっかりと創り上げられたら、多分、一生読み続けたくなる著者の一人になるだろうなぁ。

なんて、偉そうに言ってみたりして。。。

あと、全然関係ないのだけど、「迦陵頻伽」と聞くと、どうしても思い出すものがある。
高校から大学の頃にかけて読んでいた聖伝という漫画だ。
CLAMPとかいう集団?が書いている漫画だったが、その中に「迦陵頻伽」も登場していたのだ。役目も、この世のものとは思えないほど、透き通った歌声を持っていて、やはり身体を壊して死んでしまう。
もっとも、その女性は天使のような女の子で、アル中とは天と地の差だが。。。

さて、次の「ジェネラル」はいつ読めるのかな?
早く、セールをやってくれないかなぁ。オレの有料本棚さんが。。。

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