lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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雨天炎天を読んだ!



雨天炎天(著:村上春樹/新潮文庫)を読んだ!

「羊三部作」から始まり、「ダンスダンスダンス」「ねじまき鳥」と立て続きに読んでみた。面白いかと言われれば、面白い。でも、どこが?って聞かれると、ちょっと困る。だって、どうして面白いのか、正直、よく判らないんだ。
作者が書いていることも、部分部分で理解できても、時々、「???」って僕の頭は止まってしまうんだ。
なんていうんだろう、『ガーッ』とその世界にのめり込んで、一気に読んでいく事が出来ない難しさが、村上春樹の小説にはあるんじゃなかろうか?はっきりいって、気楽にノホホンとは読めないと思う。
多くの人が、村上春樹は面白いといって、買って読んで絶賛して、ベストセラーになっているけど、でも、ホントに分かってんのかなぁ。。。

そんな訳で、私はやっぱり村上春樹の本ではこのタイプの本が一番素敵だと思う。
「遠い太鼓」でもちょっと触れたが、このような紀行文やエッセイだと、彼の独特の世界観は強く滲み出てこないで、彼が持つ卓越した文章力や言葉の使い方に、「この人、やっぱり凄いなぁ」って素直に感動できる。

で、粗筋なんだけど、、、
粗筋を書くのは結構難しい。というより、紀行文やエッセイの粗筋って本来は書くことが出来ないんだよね。
ま、書くだけ書いてみよう。

 

 

この本は2つの内容で構成されている。
<一部>
ギリシアアトス半島を、カメラマンと2人して旅した4泊5日の紀行文。
僕はこの紀行文が特に好きだ。
中学生の頃から歴史(特に世界史)に興味を持った訳だが、その中でも「東ローマ」に一番惹かれた。その理由は・・・、まあ長くなるから、いつか書くとしよう。
このアトス、正確にはギリシア共和国内の自治国家として認められており、その名を「アトス自治修道士共和国」と言います。そして、東ローマの国教であったギリシア正教がそのまま息づいており、20箇所程の修道院で今も多くの修道士たちが厳しい修行生活をおくっています。でも、何よりも僕が言いたいのは、この自治共和国の国旗は、「東ローマ帝国と同じ、双頭の鷲」って事なんだ。それだけ、もう堪りません~。
すいません、興奮してしまって。。。
このアトスの事を紹介している個人HPがあるので、リンクを貼っておきます。
「画像でアトスを旅する」
(ギリシャ正教を紹介している方のHPです。)

。。。あ、村上春樹の文章もいいっすよ。
特に、アトス半島は女人禁制なんだけど、それを表現した、、、
・・・「女が足を踏み入れることのできない場所が世界にひとつくらいあったっていいじゃないかと思う。男が足を踏み入れることのできない場所がどこかにあったって、僕はべつに怒らない。」(本書:P16より)
この、ちょっと皮肉な表現が、僕は好き。

<二部>
トルコをカメラマンと旅した21日間の紀行文。
こちらも前半と同じく面白い。前述した通り、僕は東ローマに興味があるので、旅の前半に訪れたトラブゾンの話しも興味深く読めたし、紀行文のあちこちで記述されている「トルコ人の性質・性格」には、まさに「そうなんだよ~、奴らはさぁ」と笑いつつ、自分が苦しめれた思い出も蘇り、怒りが湧いて来たりと。。。
後半のヴァン猫の話しも面白かった。水を泳ぐ姿、僕も見てみたいなぁ。

という感じだ。

とにかく、一冊本棚に入れておいて損はないよ。
どこかに旅行に行く時や、出張で出かける時など、携帯していくとあっという間に時間が経ってくれます。

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