lands_end’s blog

未破裂脳動脈瘤と闘い、コーギーに癒され暮らしてます。本好き歴史好きサッカー好きの40代の徒然日記です。

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KYOKOを読んだ!



KYOKO(著:村上龍/集英社文庫又は幻冬舎)を読んだ!

今更の理由は、前の前「トパーズの回」で書いたので、割愛っす!!

トパーズ、ラブ&ポップと立て続けに読んで、いささか胃がどんよりとしていたのだけど、ショック療法しかないと思い、読んだ。その結果は、、、

米軍の基地がある街で育ったKYOKOは、黒人兵のホセに公園で出会い、キューバダンスを教わる。その後、彼女が大人になっていく過程で、その思い出と、彼がくれた小さな靴が支えとなっていた。
20歳を過ぎ、自分のこれまでの心の支えとなったホセに、感謝の気持ちを伝えるために、彼が別れ際に残してくれたニューヨークの住所を訪ねる。それが、KYOKOの旅の始まりとなった。
ニューヨークでホセを探すKYOKOは、様々な人と出会う。カモとして騙そうと試みていた奴、胡散臭いと思い敬遠した奴、そういう奴らがすべからく、彼女の真っ直ぐな生き方に心を許していく。その真っ直ぐな心と瞳は、ホセの教えたキューバダンスが育て上げてきたものだった。
ホセとようやく再会するが、彼は既にエイズの末期症状であった。もはや、打つ手のないほどの末期だった。少しだけ、悲しんだ後に、彼女は再び真っ直ぐに歩き出す。ホセを家族の居るフロリダに送り届けるという目的をもって。
フロリダへの道中でも、様々な人に出会い、様々な体験をしていく。それは私達に読者に、テレビや映画で知ることのできない、アメリカそのものを見せ付けてくれるのだ。白人富裕層の傲岸不遜(ただし彼ら自身では傲岸不遜とは微塵も思っていない)なコミュニティの実態。いまだ色濃く残る人種差別の実態。地方の警察の実態。貧困層と呼ばれる人々の実態。強く豊かなアメリカではなく、弱く貧しいアメリカの心を描き出している。
最後、ホセは、家族の元へはついに戻れなかった。
いや、ホセの肉体は戻れなかった。
でも、ホセの心はKYOKOと共に戻ったのだと感じた。

僕は、この本は好きだ。多少、村上龍独特の言い回しに閉口した場面もあったけど、でも、素直に読んで、イメージを膨らまし、楽しむことが出来た。
これはイイ本だと思う。
ただし、深く考えすぎちゃダメだ。ただ、読んで、感じることが大切だ。

村上龍は、この頃からウイルスに嵌っているようだ。たぶん、これらが後の小説に活かされているのだろう。でも、正直。人間誰でもウイルスに詳しいわけではない、エイズへの恐怖を拭い去れるわけではない、病気や人種、貧困への偏見を無くせる訳ではない。理解することなんて、私は出来ないと思う。
ただ、その事に目をつぶらず、ありのままを見る事は、しなくちゃいけないと思う。

そんな風に考えた一冊だった。

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