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未破裂脳動脈瘤との闘いをコーギーに癒され暮らしています。鹿島アントラーズの応援と読書に人生の全てを掛けている40代の徒然日記です。

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『宿命』を読んだ!

宿命(著:東野圭吾)を読んだ!

前回は古い小説(というかエッセイ?)「三島由紀夫のレター教室」を読みました。
とても面白い本なのでおススメです。

『三島由紀夫レター教室』を読んだ! - lands_end’s blog

今回は東野さんの作品を選びました。
以前読んだ「パラレルワールド・ラブストーリー」が面白かったので、東野さんのミステリー系を読みたいと思ったのがきっかけです。

『パラレルワールド・ラブストーリー』を読んだ! - lands_end’s blog

それと、この「宿命」と言う作品が東野ミステリーの中で発想の転換が行われた作品だと「どっかで」読んだ記憶があったので読んでみることにしました。

無事に読み終えたので、あらすじや感想をまとめます。

 

2分で読める『宿命』のあらすじ

和倉勇作が幼き頃からライバル視しつつも一度も勝てなかった男・瓜生晃彦。その彼が、殺人事件の容疑者として自分の前に現れたことを知ると、和倉勇作は今度こそは彼との勝負に勝つべく奮闘を開始します。

しかし、晃彦と瓜生家を調べれば調べるほどに、晃彦と自分との間に張られている見えない糸に困惑を深めていきます。

晃彦の妻はかつて自分が断腸の思いで別れを告げたかつての恋人であること。
かつて勇作が心を寄せた女性・さなえの死にも瓜生家が関わりのあること。

勇作は次第に進むべき道が見えなくなっていくのでした。

  • 殺人事件の真犯人の行方はいかに?
  • 勇作と晃彦の関係はいかに?
  • さなえという女性の死の真相はいかに?

真相は本書を読んでお楽しみください。

 

10分はかかる『宿命』のあらすじ

この小説は、和倉勇作、瓜生晃彦、サナエ、3人の人生の絡みが主題となっています。

幼少期の勇作は、近所の子供達と一緒に近くの上原脳神経外科病院の庭でよく遊んでいました。そこで彼は長期入院しているサナエと出会い、やがて彼女と過ごすために1人でも病院へ遊びに行くようになりました。

ある日、彼女は病室の窓から転落死してしまいます。

病院側や警察も事故と断定する中、勇作の父だけはサナエの死を事件として捜査を続けていました。警察上層部の命令にも従わず捜査を続けていた父でしたが、後日、勇作の家を訪ねた一人の男の説得に応じて捜査を断念するのでした。

小学校に入学した勇作は勉強も出来て運動神経も良く、さらに人を惹きつける性格でもあったためクラスの人気者となります。しかし、彼の心には常に1人の男が存在していました。
その男の名前は瓜生晃彦。地元大企業・UR電算の御曹司でした。

晃彦は勇作に負けず劣らず運動も勉強も出来るのでしたが、協調性は皆無であり、そのため勇作と違い友人と呼べる人間は誰も居ませんでした。
勇作はことあるごとに晃彦と張り合うのですが、結局、高校卒業までの間に晃彦の上に立つことは出来ませんでした。

勇作は幼少期の思い出(サナエの死)の影響もあり、医師になるべく医学部受験を目指していました。しかし、家庭の事情で進学を諦めて警察学校へ行くことになると、付き合っていた女性・美佐子の未来を考え、泣く泣く別れを告げるのでした。

一方、地元大企業の御曹司である晃彦ですが、なぜか畑違いの医学部を目指します。しかも勇作が入学を希望していた大学でした。晃彦の能力からすれば合格するのは特に難しくなく、彼は目的を果たし医学の道を進み始めるのでした。

それから数年後・・・

美佐子は縁あって地元大企業への就職が叶います。
彼女が配属されたのは秘書課で、担当は創業家の重鎮でした。
やがて、家族の食事会に招かれ、そこで出会った上司の息子と結婚するのでした。

さらに十数年後・・・

地元の町で刑事をしていた勇作はある殺人事件を担当することになります。
その殺人事件の容疑者は、なんと彼が一度も勝つことの出来なかったあの晃彦でした。
しこりのように彼の心に残っていた嫉妬心に再び火が灯り、今度こそ、彼が殺人を犯したと言う決定的な証拠を掴み、彼との勝負に勝つことを誓って捜査に熱が入ります。

そんな彼に衝撃を与えるのが、晃彦の自宅を訪れた時でした。
そこには、かつて自分が愛した女性・美佐子が晃彦の妻として居たのでした。

殺人事件のあらまし・・・
事の発端は、UR電産社長の瓜生直明の逝去でした。
直明の死そのものには不審な点は無かったのですが、UR電算の次期社長となった須貝正清が、瓜生家が保管していたボウガンを使って何者かに殺害されてしまうのでした。

  • ボウガンを持ち出したのは誰か?
  • なぜ須貝社長は殺されたのか?
  • 動機は?

様々な観点から警察は犯人探しを始めます。

一方、勇作の捜査は次第に本来の捜査とズレを生じ始めます。
そのきっかけとなるのは晃彦の父親でした。
晃彦の父・直明は、かつて、サナエが死んだ後に警察上層部の意向に逆らって捜査を続けていた父親を説得した男だと知ったためでした。

  • 瓜生家とサナエの関係とは?
  • なぜ父親があれほどサナエの死に拘ったのか?
  • 自分と晃彦の人生がなぜにこれほど絡み合うのか?
  • サナエのこと、美佐子のこと、父のこと・・・

そして警察は真犯人に辿り着きます。
一方の勇作は事件の真相を突き止めます。

それは・・・

警察が犯人に至る経緯や、勇作が事件の真相に迫る経緯は、是非とも本書を読んでお楽しみください。
たぶん、ネタバレしたらこの本は面白くないと思うので書きません。

 

『宿命』のおススメ度はいくつ?

おススメ度は75点

宿命 (講談社文庫)

宿命 (講談社文庫)

 

面白いです。
ただ、正直最後のページを読むまでは60~70点でした。
それを、最後の最後に・・・やるなぁ、東野さん!って感じでした。

 

『宿命』をおススメする人は?

この本をおススメする人は以下のタイプの方です。

  • ミステリーが好きな人
  • 東野作品が好きな人
  • 運命とか縁とか「人が逆らえない何か」に興味がある人

 

『宿命』をおススメしない人は?

この本をおススメしない人は以下のタイプの人です。

  • ミステリーが嫌いな人
  • 最後の最後に「ドーン!」っていう展開が嫌いな人

 

『宿命』の読後の感想

読み終えた後は「面白かった!」と感じていましたが、冷静になってから内容を振り返ると「ちょっとどうなの?」と思い始めた点がありました。

具体的には以下の2点が原因です。

 

殺人犯の捜査と勇作の捜査がうまくミックスされない

私の読み方が悪いのかも知れませんが、途中から殺人犯の捜査と勇作の捜査(というか過去の調査)がどんどん乖離していった気がします。

もちろん、ストーリー的にはちゃんと関係性はあります。それでも、どうにも私には上手いことその差を埋めて読むことが出来ませんでした。
別の話を交互に読んでいる気がしました。

須貝社長の殺人事件は本当に必要あったのかな?

須貝社長を殺すことで確かに話のボリュームは広がりました。
ですが、シンプルに直明社長の死に不審な点あり!として警察(勇作)が捜査に乗り出して、かつての恋人と出会い苦悩しつつ、永遠のライバルと最後の対決をする・・・。
みたいな方が、自分はシンプルで良かったです。

須貝社長絡みの死とその犯人のパートが余分な気がしてなりません。

 

最後の台詞が全てをさらいます。

ここから先は本当にネタバレです。
まだこの本を読んでない方は、絶対に、絶対に読んではいけません。
先に読んでしまったら、時間かけて本を読む意味がなくなる!と思います。

 


この本は、勇作と晃彦の最後の会話が全て!と言っても過言ではありません。
晃彦の最後の一言・・・
本文から引用します。
繰り返しになりますが、未読の方は詠まないで!!

~勇作が晃彦にひとつ質問をするシーン~
「最後にもう一つ訊いていいかな」

「何だい」
「先に生まれたのはどっちだ?」
すると暗闇の中で晃彦は小さく笑い、
「君の方だ」と、少しおどけた声を送ってきた。
(本書371ページより)

このやりとりを読んで、本の評価が上がりました。

作者はこの本で意外性を追及したそうですが、その中でも作者自身が一番気に入ってる意外性が「最後の一文」だそうです。

私は、東野さんの作戦に見事に嵌ったという事でしょうね!

 

その他の東野作品の紹介はこちら

www.road-to-landsend.net

 

 

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未破裂脳動脈瘤と闘う ~入院8日目。(術後7日目)挑戦!顔の髭剃り!!~

2015年春に見つかった未破裂脳動脈瘤を、2016年春に『開頭クリッピング手術』を受けて治療した私自身の闘病記録です。

前回の記事は、手術後初めての入浴について書きました。痛くないのか?しみないのか?など疑問点をまとめました。
今回の記事は、髭剃りに関してまとめます。

実はこの髭剃りについては入院日の朝に気付いたのです。
入院日の朝に髭を剃りながら「手術後は髭剃り出来ないだろうから、明日の朝は念入りに髭を剃らなくては!」と思ったときに「あれ?手術後に髭剃り出来るのか?」と疑問を感じました。

この髭剃り問題について、私が感じた疑問と実際の経験をまとめます。

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『三島由紀夫レター教室』を読んだ!

三島由紀夫レター教室(著:三島由紀夫)を読んだ!

湊かなえさんの「往復書簡」を読んでいる最中からこの本が気になっていました。

『往復書簡』を読んだ! - lands_end’s blog

手紙のやり取りを主題にした本と言えば「三島由紀夫のあの本だ!」と。

1968年に世に出たこの本ですが、私が始めて手にしたのは1991年にちくま文庫から刊行された文庫本でした。
正直、三島さんの他の本は好みに合わないのですが、この本だけは妙に気に入ってしまい、海外生活をしていた際にもわざわざ持って行った1冊です。

今回、最後に読んでから約20年ぶりに読み返しました。

感想をまとめてみます。

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BHAFC ~愛するブライトン、プレミアリーグ初勝利!~

今期からプレミアリーグに昇格した我がブライトン&ホーブ・アルビオンですが、ここまでリーグ戦では苦戦が続いています。3試合を戦って、2敗1分。しかも無得点。

まずはプレミアリーグ初得点を!
はやくプレミアリーグ初勝利を!!
そう願いつつ第4節を観戦しました。

願えば叶う・・・。
2017年9月9日は記念すべき日となりました。
BHAFC(ブライトン&ホーブ・アルビオンFC)のプレミアリーグ初勝利!
あぁ・・・書きながら思い出してまた泣きそうです。

ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン戦とプレミアリーグ第4節の試合結果などをまとめます。

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『ベルセルク 39巻』を読んだ!

ベルセルク(作:三浦健太郎)を読んだ!

2017年6月、1年ぶりにベルセルクの新刊が発売されました。
38巻から、ほぼ1年での新作。
一般的には発売まで1年も掛かるのは長いのですが、ベルセルクファンにとっては信じられないスピードでの発売となりました。

ベルセルク1~13巻の感想はこちらの記事でまとめています。

『ベルセルク』を読んだ!~前篇~ - lands_end’s blog

ベルセルク14~38巻の感想はこちらの記事でまとめています。

『ベルセルク』を読んだ!~後篇~ - lands_end’s blog

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ジーコと共に~2017年J1第25節 鹿島VS大宮戦を前に思う~

2017年9月9日J1リーグが再開されます。

日本代表のワールドカップ最終予選の影響で2週間ほど中断していましたが、見事にワールドカップの出場権を勝ち取り、そして無事に昌子と植田が鹿島に戻ってきました。

中断時に行われたルヴァンカップは本当に悔しい結果となった。
負けて悔しさを知る・・・
とか
負けて得るものがある・・・
言う文化は鹿島にはない!
勝った者にしか判らない喜びを求め、常に勝利を目指す!
それが鹿島アントラーズである。

何としてもリーグ優勝を果たすために、
残り10試合、負けられない戦いが始まります。

大宮戦の前に思うことをまとめます。

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未破裂脳動脈瘤と闘う ~入院7日目(術後6日目)。手術後初めてのシャワーで大苦戦!~

2015年春に見つかった未破裂脳動脈瘤を、2016年春に『開頭クリッピング手術』を受けて治療した私自身の闘病記録です。

前回の記事は、抜鈎(頭部を縫うのではなくホッチキスで止めるので抜糸ではない)についてまとめました。痛くないのか?いつ頃やるのか?などなど。

未破裂脳動脈瘤と闘う ~入院7日目。術後6日目、抜鈎(ばっこう)の痛みについて!~ - lands_end’s blog

今回の記事は、手術後初めての沐浴(シャワー)についてまとめてみます。どうやってシャワーを浴びるのか?独りで行うのか?お湯をかけて傷口が痛かったり、または傷口がしみたりしないのか?などなど。

正直、手術前にはそれほど気にしていない点でした。
ですが、入院直後に退院までの流れを看護師に説明された際に初めて気付き、どうなるのかとドキドキしてしまった経験から、最初から知っていれば安心かも知れないと思い記事にまとめることにしました。

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ジーコと共に~2017年J1第24節終了時点の鹿島アントラーズの選手プレーデータ~

2017年のJ1リーグは第24節まで終了しています。(9月7日時点)
24節後はワールドカップ最終予選が組まれていたため、約2週間リーグ戦はお休みとなりました。

今週土曜から再開となりますが、試合の予想をするにあたり、今期ここまでの鹿島の選手の各種データ(得点やアシスト、または警告を一まとめにしておかないと都度都度調べなくてはいけなくて面倒なので、第24節終了時点のデータをまとめてみました。

  • 出場試合数と出場時間
  • 得点とアシスト
  • カードの累積枚数

上記データを表にまとめています。

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Road to Russia ~ロシアWC最終予選 日本VSサウジアラビアを振り返る!~

日本時間9月6日2:30、サウジアラビアにてロシアワールドカップ最終予選の最終節が開催されました。

日本は前節のオーストラリア戦に勝利し、既にワールドカップの出場権を手にした状態であり、余裕をもってこの最終節に臨みました。
そして、テレビに映るスタジアムの様子を観て思いました。
本当にオーストラリア戦でケリをつけておいて良かった。
今日の試合の結果で全てが決まる状態だったら、どれほどのプレッシャーを受けたのであろう。胃が持たなかったかもしれない・・・と。
6万人を超えるサウジの観衆(ほぼ男)に囲まれるピッチは、一種異様な雰囲気を湛えていました。

サウジアラビア戦を振り返ります。

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